<ニュース虫めがね>道立病院改革プラン見直し*黒字化困難 引き受け手なく



<ニュース虫めがね>道立病院改革プラン見直し*黒字化困難 引き受け手なく 
2011.03.10 北海道新聞朝刊        

 Q 道は、道立病院の赤字解消のために策定した「病院事業改革プラン」の見直しを新年度から始めるね。 
改革プランとはどういうものなの。 

 A 道立病院は、 
江差(檜山管内江差町)、 
紋別、羽幌(留萌管内羽幌町)、 
緑ケ丘(十勝管内音更町)、 
向陽ケ丘(網走市)、 
北見、苫小牧、子ども総合医療・療育センター(札幌市手稲区) 
の8カ所あり、民間医療機関が敬遠するへき地医療などを担っている。 

しかし、深刻な医師不足による病床の休止などが原因で、2009年度の赤字は計16億4千万円、累積赤字は670億円に上っているんだ。 
そこで道は経営効率化のために08年にプランを策定し、道立を維持しつつ運営を民間委託する「指定管理者制度」を導入することで、12年度に単年度収支を黒字化する目標を掲げていたんだよ。 

 Q 指定管理者制度には、それほど効果が期待できるの。 

 A 道立病院は、収益に占める職員給与の割合が100%を超す高コスト体質にある。 
そこで、道は制度の導入により人件費などのコスト削減を狙っていたんだ。 
総務省によると、昨年3月時点で、全国で56の自治体病院 
(道内は名寄東、胆振管内むかわ町鵡川厚生の2病院)が指定管理者制度を導入しており、人件費圧縮などの成果を挙げているそうだよ。 

 Q では、なぜプランの見直しが必要なの。 

 A 目標達成が困難になったからなんだ。高橋はるみ知事は、先月下旬の道議会一般質問で「(収支が)目標と大きく乖離(かいり)し、計画期間内に(黒字化を)達成することが極めて難しい状況にある」と、見通しの甘さを認めた。 
指定管理者制度の導入についても、厳しい経営を強いられている民間医療機関が多い中で、道による水面下の「引き受け手」探しは難航していたのが実情だ。 

 Q 見直し作業では、抜本的な収支改善策を新たに検討しなくてはならないね。 

 A 道は、経営形態などについて幅広く議論する考えだ。病院経営に詳しい北大大学院の吉見宏教授(公会計論)は、医師不足や経営難が共通する周辺の自治体病院との統合・再編が不可欠だと指摘している。 
いずれにせよ、地域医療の今後のあり方につながることだけに、住民の声もよく聞いて、十分議論することが重要だ。(藤田香織里)