'11広島の1年:府中市・病院統合 地域医療、不安と期待

 

’11広島の1年:府中市・病院統合 地域医療、不安と期待 /広島 
2011.12.25 毎日新聞 
  
地域医療をいかに守るか、各地で問題になる中、府中市で新たな試みが始まる。医師不足による診療機能の低下を背景に赤字経営が続く、市立府中北市民病院(同市上下町、110床)と、民間で旧市内にあるJA府中総合病院(同市鵜飼町、199床)の経営統合が決まった。 

 両病院の年間赤字額は計約5億円。 

ともに地域の医療拠点として存続させるため、09年から統合について議論してきた。 

公立と民間の統合という全国的にも珍しい形態で、来年4月から地方独立行政法人「府中市病院機構」として再スタートする。 

市は、4年後には赤字を半減するなど「安定水準」にさせたいとする。15日には、府中総合病院を経営するJA広島厚生連(中区)と統合協定を結んだ。 

 医師不足は深刻だ。常勤医師数は2病院合わせて、00年の29人から、今年度は15人と半減。 

岡山大と広島大から医師派遣の協力を受け、まずは医師を安定的に確保して地域に定着する環境をつくり、医療レベルを保たなければならない。 

 その上で課題となるのが、市内で北市民病院でしか対応できない分娩(ぶんべん)と、市内で一つもない小児夜間救急の再開など、必要な機能の充実だ。 

急速に進む高齢化に対応しながら、安心して出産・子育てができる環境の整備は急務。 
伊藤吉和市長は「中山間地の医療を守るベースはできた。地方の医療モデルにしたい」と期待する。 

 一方で、北市民病院がある上下地区では、規模縮小などの懸念から、統合を不安視する声も根強い。市民が安心できる地域医療を守れるか。取り組みが注目される。【村本聡】