4公的病院「分業」 関係機関 7年越しで一致 舞鶴市の医療再編修正案

◎4公的病院「分業」 関係機関 7年越しで一致 舞鶴市の医療再編修正案 
2011.11.09 京都新聞  



 舞鶴市を中心とする京都府中丹地域医療再生計画の修正案が8日まとまり、同市内の4公的病院が機能分担し連携する「分業」方式で関係者が合意した。 
医師不足や診療科減が深刻化し、医療再編が課題となってから7年越しで関係機関の方向性が一致。 
府は年内に国へ修正案を提示し、交付金25億円の活用変更について認可を待つ。 


 修正案は舞鶴共済病院の循環器疾患医療、舞鶴医療センターの脳疾患医療、舞鶴赤十字病院のリハビリなど各病院の特定機能を強化し、医療の質向上を目指す。赤字が続く舞鶴市民病院は一般外来を廃止し、療養病院として移転新築する。 

 再編に伴い、4病院と府立舞鶴こども療育センターを合わせた市域の病床数を、現行1115床から197床削減するとした。 

 またこども療育センターを医療センター敷地へ移転し、市民病院内の府緊急時放射線検査施設は赤十字病院内に移す。中丹地域全体の医療底上げを図り、福知山、綾部両市民病院の整備も行う。 

 舞鶴市は連携調整を担う財団法人を来年度設置し、大学での寄付講座や新研修制度の実施で医師確保を目指す。また内科と小児科の休日診療所を新設し医師負担の軽減を図る。 

 これまでの計画は基幹病院をつくり、医師確保の受け皿とする内容だったが、2月に当選した多々見良三市長が見直しを求めていた。(石川健一郎) 


医師確保、具体性欠く 


 舞鶴市の病院再編問題は8日、市内4公的病院の「分業」案に関係者が合意したが、市の責務となった医師確保や連携は具体性を欠き、地域医療を守る実効性はまだ不明確だ。 

 舞鶴では2004年に起きた市民病院医師の集団退職以降、医師不足が表面化。4公的病院の外来診療科は、単純計算で03年度の計57科から現在は44科まで減った。大型病院が集中し、他市町に比べて恵まれた医療環境だったとはいえ、産婦人科の実質閉鎖や常勤医師が不在の診療科も出始めていた。 

 基幹病院をつくるという、前市長が09年に作った現計画は、4病院の設置母体が異なり策定が難航。国の地域医療再生臨時特例交付金25億円の交付後も、一極集中への異論が強く計画は足踏みした。 

 修正案では、現計画が見込んだ府立医科大からの医師派遣は約束されず、市が自ら確保する責任を負う。しかし現時点で具体策はなく、8日の会議でも府立医大の出席者は「(修正案では)医師派遣は厳しいかもしれない」とくぎを刺した。 

 医師負担の軽減や市民病院経営改善など、市の果たすべき役割は他にも多い。各論反対で空転した現計画の二の舞にならないよう、市をはじめ関係機関の努力が求められる。(石川健一郎) 




府修正案で再編合意 舞鶴の4病院、機能強化・連携 関係者会議 /京都府 
2011.11.09 朝日新聞  


 府は8日、舞鶴市の公的病院の再編計画を盛り込む「中丹地域医療再生計画」について協議する関係者会議を上京区で開いた。 
4病院を存続させたまま医療機能を分担するとした市の要望に沿った修正案が府から示され、市を含む関係機関が合意した。 


 修正案は、各病院が得意とする医療分野を充実させ、横の連携を強化させることで、全体を一つの病院のように機能させるという市の構想が反映された。 
市内にある公的病院の病床削減数や機能充実策なども具体的に示された。 

 市内の公的病院の総病床数は、府の舞鶴こども療育センターを含め1115床。 
修正案では、このうち舞鶴医療センター59床、こども療育センター30床、舞鶴共済病院10床、舞鶴市民病院98床の計197床を削減するとした。 

 舞鶴赤十字病院は病床を削減せず、198床のうち48床を回復リハビリテーション病床とする。 
隣接地には、市の方針通り療養病床(100床)に特化した市民病院が移転し、市東部に偏っていた医療体制のバランスをとる考えだ。 
赤十字病院は、市民病院にあった府の被曝(ひばく)医療施設を引き継ぐ。 

 また、舞鶴医療センターの敷地内に「舞鶴市休日(夜間)急病診療所」を新設し、公的病院の救急医療に携わる医師の負担軽減を目指す。 

 こうした病院間連携や医師の確保、休日診療所の整備・運営などの中枢になるのは、市が設置する「舞鶴地域医療連携機構」。 
この日、司会を務めた山内修一副知事や府立医科大の事務局長らは「市は地域医療確保のために努力を」と強調した。 

 舞鶴市の千賀義弘・病院事業管理者らは取材に対し、連携機構は来年度中に立ち上げ、市が設置する財団法人が運営する方針を示した。(伊藤誠) 


 《修正案の要点》 

 ・舞鶴市内の公的病院の病床数計1115床から197床を削減。 

 ・舞鶴医療センター、舞鶴共済病院、舞鶴赤十字病院の医療機能を強化・充実させて連携を密にし、全体で一つの病院のようにする。 

 ・市民病院は舞鶴赤十字病院の隣接地に移転して療養病床に特化。 

 ・舞鶴医療センター内に「舞鶴市休日(夜間)急病診療所」を新設。 

 ・舞鶴市は「舞鶴地域医療連携機構」を設け、医師確保や病院連携などを担う。