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入院・外来の財源枠設定は「正しい」判断――厚労省 足立信也政務官が診療報酬改定を総括 診療所再診料 地域医療貢献で「むしろ上がる」 
2010.02.26 薬事ニュース  
  

「実質ゼロ改定」報道は「まったく別次元の話」 
  
厚労省の足立信也政務官はこのほど、中医協での2010年度診療報酬改定の答申を受けて専門紙記者会と懇談、中医協委員見直しからスタートした10年度診療報酬改定論議を総括した。 
その中で、一部から批判のあった入院・外来の財源枠設定に関しては「正しい」判断だったとの考えを明示。 

最後まで調整が難航した「再診料統一」については、「限られた財源と、地域医療への貢献によって差をつけるという連立方程式を解いていくと、再診料しか手はない。 
そのことは昨年から決まっていた」と明かした。 
一方で「地域医療貢献加算」の新設により「地域医療を守っているところは現行よりも点数が上がるということだ」とも明言した。 

日医役員枠撤廃「会長選挙」への影響を危惧 
  
足立政務官は昨年9月18日の政務官就任以降、中医協委員の交代から始まって2月12日の答申に至るまでの診療報酬改定をめぐる一連の経緯を振り返り、「過去、具体的な診療報酬決定過程において、ある団体や個人の意見が非常に強くなっていき、いつの間にか政府・内閣の考え方がないがしろになっていることがあったと思う」と指摘。 

中医協委員見直しは「そこから始まっている」とした。また、日医役員枠の撤廃に関しては「昨年9月の時点でもっとも気にしていたのは4月の日医会長選挙 
。診療報酬改定を“お土産”に会長選をやられてはかなわない、会長選に影響のあるような形にはしたくないと考えた」と説明した。 

足立政務官は、こうした委員見直しの結果として「政務三役の基本方針、厚労省の基本方針が反映された形で答申されたと思う」と評価した。 
ただ、内閣が入院4400億円・外来400億円という財源配分まで予め決めたことについては、委員からも「中医協の権限縮小に繋がる」との声が上がっていた。 

これに対しては「方向性としてはこちら側(政府)のほうが正しい」と断言。 
「医療費の比率は2対1なのに財源配分は10対1なのだから病院に厚くという言い方は正しいが、診療所分を削って病院に回すという発想は始めからない」とし、「ネット0.19%」の引き上げ幅に関しても「5700億円という額は相当な額だと思う。 
前政権下では薬価引き下げ分すら診療報酬に回すことができなかったのだから相当な違いがある」と述べた。 

さらに、プラス改定を実現するうえで中医協とは別に設置した政務三役の診療報酬検討チームが「非常に大きな役割を果たした」と指摘。 
「検討チームでは、病院の規模別に、現在どれだけの病院が単年度赤字をつくっていて、それを補うにはどれだけの金額が必要かというデータを出してもらった。 
このデータと、厚労省のデータをもとに算出した必要財源をすり合わせた。 

その結果が、当初、最低限必要な改定財源として挙げた6300億円という金額のバックデータとなった。
これが極めて大事だった。 
そのデータがあったからこそ、年末の予算折衝でもプラス改定が勝ち取れたのだと思っている」とした。

診療所再診料引き下げ「年末には決めていた」 
  個別の改定項目では、診療側が最後まで反対した「診療所再診料引き下げ」に言及。 
「400億円という上限がある中、民主党マニフェストにも書いた通り、地域医療を守る機能を果たしているところ、たとえば三次・二次救急の病院、診療所などと、そうではないところ、たとえば夜何時以降は一切連絡がつかないようなところでは差があってしかるべき。 

では、その差をどこに求めるのか。 
初診と異なり再診では、再診料と外来管理加算を一体として合計で考えている。 

地域医療に貢献して時間外でも連絡を取れるところはしっかり手当てすると謳ったわけだから下げる理由はどこにもない。 
すると、そうでないところは下がらざるを得ない。 
その場合、外来管理加算を下げるのか、再診料本体を下げるのかということだが、再診で検査や処置を行ったときは外来管理加算を算定できないのだから、そこで差をつけたらおかしなことになる。連立方程式を解いていくと再診料から合計額を評価するしか手はないし、それは昨年のうちに決まっていた」と語り、昨年末の改定率決定の時点ですでに「診療所再診料引き下げ」の方針を固めていたことを明かした。
  一方で、診療所再診料引き下げ分を上回る3点の「地域医療貢献加算」を新設したことを挙げ、「地域医療に貢献しているところは逆に点数が上がるということだ」と明言。 
ただ「形だけやっていますよということがないよう気をつけなければならない」とも付け加えた。 
  
算定要件の具体的なイメージとして足立政務官は、「診療時間が6時までであれば、少なくともその後3時間くらいは連絡がつかないと危険だと思う。 
処置後に具合がおかしくなったり、処方の間違いに気づくこともある。そのときに一切連絡がつかなかったらどうか。 
時間的要素だけをいえば準夜帯が中心になると思う」と解説。時間外対応の仕方に関しては「電話連絡がつけば一番いいが、一日中オンコールというわけにもいかないから、普段から連携している病院がフォローアップしてくれる、そしてそのことが患者に伝わっているのであればいいのではないか」との見方を示し、「地域医療支援病院との情報共有による対応や診療所同士のグループ対応」も「可」とした。 
  
診療所再診料引き下げをめぐっては、一部から「財務省の意向が働いた」との批判が出ているが、これに対しては「再診料だけを取り上げてどうこうという議論を我々はしていない。 
2回目以降の診療は再診料プラス検査・処置や加算のトータルであり、トータルでどうするかを考えていた。 
医師会や自民党、民主党内からも要望があったが、どうして再診料だけをことさら取り上げるのか疑問だった」として真っ向から否定した。 

後発品置き換えは「診療報酬とは別次元の話」 
  
「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の導入に関しては、「昨年の補正予算で未承認薬等開発費用を執行停止にしたことに批判もあったが、今回の制度には2年間で1400億円の予算がついた。 
これは、新薬の開発、そして未承認薬の解消には企業の努力が必要であり、そこをしっかりやってもらうための予算をつけたということ」との認識を提示。 
「納税額を業種別に見るとトップは製薬業界。 
この人たちが自信と希望をもてているのだと思うし、そのことが大きい」とした。 
  

また「実質ゼロ改定」との報道については「過去においても先発品が後発品に置き換わった分を診療報酬に反映させたことは一度もない」と強調。 

「薬価差部分は医療機関の利ざやとして出てくるから下げて診療報酬に回すが、先発から後発に置き換わっても、価格がもともと違うのだから薬価差は出ない、すなわち医療機関の儲けにはならない。 
だからそこは診療報酬とはまったく別次元の話」とし、「今回は後発品への置き換えが予定よりも4%ほど進まなかった。 
つまり支払側にとっては余計に支払わされたことになり、その分、国として国費をつぎ込んで精算するということ。 
(後発品への置き換え分について)自民党議員からも一切質問がないのはその経緯が分かっているから。
過去にも置き換え分はあったわけで、2年前の改定では医療費換算で約900億円あったはずだという主張になってしまう」などと述べた。 
  
このほか、今後の中医協の委員構成のあり方にも言及、「2月12日の会議では、自分たちが示した方向性できっちりとやってくれるかどうかチェックと修正が必要という意見がたくさん出た。 
それを聞いて委員のみなさんのやる気が伝わってきた。だから現在のメンバーをこうしようとか、いまはまったく考えていない」として、委員構成見直しなどの考えがないことを明らかにした。