Dr.Kamiの眼~第21回~震災からの教訓~医療制度の問題はどこか?



Dr.Kamiの眼~第21回~震災からの教訓~医療制度の問題はどこか? 
2011.04.25 CB医療介護ニュース  
  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼東北に医育機関新設を 

4月8日、規制・制度改革の方針が閣議決定された。 
その中には「医師不足解消のための教育規制改革」が含まれ、「医学部やメディカルスクールの新設も含め検討」と明示されている。閣議決定は大きな影響力を持つ。 

今回の震災で、東北地方の医師不足は誰の目にも明らかだ。全国から医師が駆け付け、ようやく体制が維持できた。読売新聞の調査によれば、最も多かったのは日本赤十字社の2700人、次いで民医連1840人、日医1800人、徳州会グループ1500人となる。このほかに、いわき泌尿器科病院からの透析患者搬送や老健施設・知的障害者施設の「まるごと搬送」などで、亀田総合病院の活躍も目立った。 

特徴的なのは、日赤を除き、いずれも民間組織であることだ。大学医学部からの派遣は411人、国立病院機構は413名に過ぎない。大きく見劣りする。 

民間組織が活躍できたのは、「意志決定の速さ」、さらに「組織としての体力」が大きいだろう。 
このような機関では、医師や病院に投資を続けてきた。 
最新の医療機器、数多くの医師を抱える亀田総合病院を思い浮かべると理解しやすいのではなかろうか。 
経費節減で、ぎりぎりの経営を余儀なくされている国公立病院とは違う。 

ちなみに、亀田隆明氏(鉄蕉会理事長)は、医師増員を主張し、メディカルスクール設立を主張している。震災での活躍を見る限り、彼の発言には説得力がある。 

一方で、医学部新設に反対してきたのは、東北地方の医学部長たちだ。彼らは、全国医学部長会議などを通じて、「医学部新設絶対反対」と、政府に提言を続けてきた。今回の震災は彼らの地元を襲った。 
果たして、何を感じただろうか。今後の発言に注目したい。 

ちなみに、筆者は、東北地方にはニューモデルの医師養成機関を創設すべきと考えている。 
いつか、震災や津波が東北地方を襲うだろう。被害を抑えるためには、医師数が今のままでいいわけがない。 
また、中国など新興国が勃興し、ただでさえ、経済的中心は九州など西日本に移りつつある。 
この傾向は、今回の震災で一気に加速するだろう。何もしなければじり貧だ。