初期救急 市が一部負担 成田赤十字病院



初期救急 市が一部負担 成田赤十字病院 
覚書調印 医師の疲弊緩和 
  
2010年3月31日  読売新聞 

 成田市、印旛市郡医師会、同成田市医師団と成田赤十字病院は30日、同市の初期救急医療体制に関する覚書に調印した。成田赤十字の医師が夜間・早朝の初期救急対応で疲弊し、本来の役割の3次救急に影響が出始めており、市が初期救急経費の一部を負担する内容。 

公的病院の医師確保を目的に負担金事業を行うのは異例で、住民が医療機関へのかかり方を見直す契機となるか注目される。(赤津良太) 

 同市役所で行われた調印式で、小泉一成市長は「医師不足で成田赤十字も深夜・早朝の初期救急が難しくなった。 
市が応分の負担をすることで救急医療体制が確立できた」とあいさつ。 
真鍋溥医師会長も「救急医療は勤務医の犠牲のもとに成り立っていた」と覚書の意義を強調した。 

 予算は2009年度(10月から半年間)8500万円、10年度は1億7000万円を計上。成田赤十字が初期救急で実際に要した時間外賃金、日直・当直に入る医師や派遣医師の手当などに充てる。支払いは今後始まるが、加藤誠院長は「すべて医師やスタッフの手当拡充などに使う」と話す。 

 成田赤十字は重篤患者に対応する3次救急だけでなく、軽症や入院患者を診る1、2次救急も24時間態勢で実施。01~08年度の救急患者数は毎年3万5000人を超え、1日平均100人前後に上っていた。 
8割前後が時間外・深夜(午後4時40分~翌朝8時半)に訪れるため、若手医師の間で「当直で全く寝られない」とのうわさが流れ、「後期研修医の確保に影響が出ている」(加藤院長)という。 

 実際、昨年4月の吸器内科に続き、今年4月からは呼吸器外科も休診になる。 
労働環境の悪化が医師確保に支障を来す悪循環に陥り、3次救急医療の機能低下も懸念されてきた。 
昨年4月から、夜間・休日など時間外に受診した軽症患者に対し、時間外療養費として5250円の負担を求めるのも、「コンビニ受診」などの安易な時間外利用を減らすのが目的だ。 

 こうした取り組みの効果が表れてきたのか、09年度(2月末時点)の時間外・深夜の救急患者数は、前年度同期と比べて3割以上も下回っている。 
ただ、それでも医師の負担感は強く、4月から現在の4週6休制から週休2日制に移行し、医師が働きやすい環境づくりに力を入れるという。 

 一方、医師会が運営する市急病診療所も、メーンの内科・小児科は毎日午後7~11時を受け持ち、今年1月からは日曜日の日中(午前10時~午後5時)にまで拡大。利用者数は2月末時点で9744人に達し、前年度同期比で約8割も増加している。 
会員の平均年齢が60歳を超える医師会にとっても、負担は限界に近付いているのが実情だ。 

 真鍋会長は「病院や診療所へのコンビニ受診をなくすように、住民の皆さんにも理解と協力をお願いしたい」と呼びかけている。