医師の偏在解消策のみで十分との回答が医師の4割強・・・橋本佳子



「医師の偏在解消策のみで十分」との回答が医師の4割強 
2010年3月19日 ( 橋本佳子) 


今回の資料 

 3月11日付けの当コーナーで「医学部新設に賛成?反対?」というアンケートを実施したところ、以下のような結果になりました(2010年3月19日8時時点の結果。詳細なデータは、こちらをご覧ください。なお、リアルタイム集計システムのため、結果は随時変化します)。 

1.医師不足の解消策について 

「医師不足の解消策」に関する「医師」の回答では、医師養成数の増加は必要ではなく、「地域・科の偏在解消のみ必要」とする回答がトップで4割強を占めました。 

また「医師以外」の回答の方が、医師養成数の増加、医学部新設、メディカルスクールの議論を支持する声が強い傾向にあるなど、「医師」の回答との相違も見られました。 

 同時に、「医師」あるいは「医師以外」の間でも、意見が分かれることも浮き彫りに。その要因として、「地域」や「立場」など様々な要因が想定されます。 

  
先週3月13日に、「医療構想・千葉」の緊急討論会「どうしたら医師を増員できるか考える」が開催されました。 

千葉県で亀田総合病院などを運営する医療法人鉄蕉会理事長の亀田隆明氏は、「2010年度の人口10万人当たりの医学部入学定員数は、全国平均は6.9人。 

関東各都県で見ると、千葉は1.6人、埼玉1.9人、 

これに対して栃木11.3人、東京11.1人。 

これで千葉県が医師不足にならない方が不思議。 

政策的には舛添・前厚労大臣の時代に転換し、いい方向性が打ち出されたが、正しい方向に実際に動くには時間がかかる。 

医師や看護師の養成数の増加は僅々の課題であり、相当急ぐ必要がある。 
しかし、それでも間に合わないので、短期的にはチーム医療のあり方を見直す必要がある」と指摘しています 

 また2月に、全国医学部長病院長会議が、医学部新設に慎重な対応を求める声明を出した点について 

(『「医学部新設は、百害あって一利なし」、民主党に要望書』を参照) 

亀田氏は、「教官がいない(その結果、地域の医療機関から大学への医師の引き揚げが起きる)ために問題視しているのだろうが、固定概念にとらわれすぎているのではないか。 
例えば、大学が地域の病院とアライアンスを組み、地域の病院の優秀な医師を大学教授にして週1回、大学で講義をやってもらう。 
一方、地域の病院で学生実習を受け入れる。 
コストを抑え、一般の学部と変わらない学費にし、誰でもが医学部の学費を払えるよう、現在あるものをいかに有効活用するかを考えるべきではないか」との考えを示しています。 

 さらに「医学部を新設するのであれば、メディカルスクールの方がいい。 
要は多様性がある形で医師養成を進めることが大切」と亀田氏。 

同じく3月13日の緊急討論会で発言した、虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹氏も、「既存の大学医学部はうまく機能しておらず、行き詰っている状況にあり、メディカルスクールの創設が必要。 
その際は、県や市の単位はなく、より広域でネットワークを組んで、学生や研修医を育てる受け皿を作るべき」と指摘しています。 

 「熟議の民主主義」。その重要性を唱える、鈴木寛・文部科学副大臣に、医学部新設をめぐる動きについてインタビューしました。医師養成のあり方についても、熟議が必要です。