辞意表明の大町病院管理者 職員会合で理由を説明 赤字拡大「許されぬ」



辞意表明の大町病院管理者 職員会合で理由を説明 赤字拡大「許されぬ」 
2010.12.15 信濃毎日新聞  
  

 大町市議会で辞意を明らかにした市立大町総合病院の経営トップ、赤羽賢浩・事業管理者(66)が14日夜、病院職員との会合で「公立病院は赤字が当たり前との発想が抜けず、誰も責任をとらない。 
これは絶対許されない」と述べ、赤字拡大の経営責任を取って年度末をめどに辞任する考えを重ねて示した=写真。 

 7日の市議会発言の真意を知りたいとの職員側の求めで開き、医師、看護師、事務職員ら100人超が出席した。 

 2008年4月に就任した赤羽氏は、昨年度決算の赤字が過去最大の4億7千万円、累積で22億4千万円に達した状況について「1994年度から一度も黒字がない、常識では考えられない経営が続いてきた」と指摘。 

背景に経営感覚のない「親方日の丸」体質があるとし、「自分たちの給料は自分たちで稼ぐという意識改革を」と強く求めた。 

 職員側からは、各部署で不要な超過勤務減らしや事務の効率化、患者への接遇改善を進める決意表明の声が次々と上がり、「責められるべきは(赤羽氏1人でなく)これまでの職員もではないか」と慰留する声も。 

会合後、「危機的な経営状況に精通している赤羽氏を辞めさせるわけにはいかない」と、署名活動も視野に慰留を重ねたいとする職員らもいた。 

http://www.izai2.net/kaisyoku.html。 


(2010年6月16日) 【中日新聞 地域医療守る改善必要 

経営難に陥っている市立大町総合病院。医師確保など課題は多い=大町市で 長野県大町市白塩町の山田栄一さん(57)は、15年ほど前に痛風を患い、3カ月に1度、市立大町総合病院に通う。ほっておくと足が膨れ、松葉つえなしには歩けなくなる。処方される薬は毎日欠かせない。 

 「開業医は、昔ながらの家庭的な付き合いがないと、なかなか行きにくい。病院は設備がしっかりしているし、安心感がある」。 
5月末、市民有志による「市立大町総合病院を守る会」設立総会に出席し、会員になった。「患者にとって病院の存続は切実な問題。自治体病院だからこそ、市民が大いにかかわるべきだ」と強く思った。 

 大北地域の基幹病院は今、経営難にあえいでいる。最大の原因は、診療報酬を確保する医師の不足だ。 

 1999年度に27人いた常勤医師は、2008年度に17人まで減り、患者数も大幅に減った。 
赤字経営は1994年度から続き、09年度は退職者の増加もあって過去最大の4億円の赤字を計上する見通し。 
市は毎年度、国の交付税を含む6億円余を一般会計から病院事業会計に繰り出している。 

 市と病院は、県や医師の派遣を頼ってきた信州大医学部などに強力に働き掛け、本年度新たに6人の医師を確保。 
一時診療制限する事態まで及んだ内科には4人の医師が着任した。 
久々に明るい話題だが、赤羽賢浩・病院事業管理者は「かろうじて存続した状態」と厳しくみる。 

 病院は5月、新たに着任した医師の歓迎会を初めて開き、太鼓演奏などでもてなした。 
各診療科横断的な研修会を毎月行うなど、医療レベルの向上にも乗り出し、体質改善を図る。「市民に心を開いていない病院だったかもしれない」と牛越寛事務長。今後、市民ボランティアを積極的に受け入れ、地域との交流を深めたいと考えている。 

 「守る会」は本年度、病院周辺の清掃などのボランティア活動や病院の実情を聞く学習会や講演会を計画している。会員は市内を中心に100人ほどになった。 
小林敏博会長(62)は「地域全体にネットワークを広げ、病院を支えていきたい」と気持ちを引き締める。 

 病院が昨年3月策定した改革プランは、経営が改善されない場合、指定管理者制度による公設民営化も検討せざるを得ないと明記した。 
民間に移行すれば、合理化による規模縮小が懸念される。 

 地域医療を守ろうと立ち上がった「市民応援団」の期待と願いに応えるためにも、市と病院は、医師確保を含む経営改善にいっそう努力する必要がある。 
(大町市長選企画)