県補助当て込み、現実離れの構想 小山新市民病院、市議会委で批判



県補助当て込み、現実離れの構想 小山新市民病院、市議会委で批判 /栃木県 
2010.12.17 朝日新聞 
  

 小山市は16日、新市民病院の基本構想案を市議会の対策特別委員会に報告した。施設整備費に未確定のまま県の補助金を見込んでいるほか、病院機能も現実との隔たりがあり、委員からは「絵に描いた餅になりかねない」と厳しい意見が出された。 

 建設地は同市神鳥谷(ひととのや)のKDDI用地18ヘクタール。 
病床数は現在より42床少ない300床となる。運営も市営ではなく、病院が独自に組織改革や人事ができる「地方独立行政法人」か「指定管理者制度」に変更するとしている。 

 用地買収費を除く施設整備費(建設費、医療機器購入費、移転準備費など)は計68億2千万円を見込んでいる。 
財源の内訳は、借金となる起債が41億6600万円、県からの補助金(国の地域医療再生臨時交付金を含む)25億円、市からの繰入金1億5400万円。 

 用地購入費は未定だが、全額を市の会計から支出する。2011年度に用地を取得、12年度に実施設計、13年度から建設工事に入り、15年度にオープンする計画だ。 

 この日の特別委で問題となったのは県からの補助金。市町村による病院整備には起債が認められるため、県が補助金を出すことはほとんどないという。 
委員から「25億円を確保できる当てがあるのか」と指摘され、市は「強い要望を出している」としか答えなかった。 
国からの交付金も13億円を下都賀総合病院(栃木市)と分け合う形になる。 

 病院の機能については、二次救急医療に加え、がん、糖尿病、脳卒中、急性心筋梗塞(こうそく)の4疾病を中心とする急性期医療を整備するほか、難産に対応する周産期医療や小児医療の地域中核機能を担う。積極的に研修医も受け入れるとしている。 

 しかし、現状では来年3月で常勤の産婦人科医が退職し、その後は産科はできない状態。 
人材難で研修機能を担うことも難しい。市民病院の河原崎秀雄院長は「基本構想案は将来そうしたいという希望で、現段階では無理」と、現実との隔たりを認める。 

 こうした構想案に対し、特別委ではほとんどの委員から「構想は絵に描いた餅になりかねない」「起債や市の一般会計からの繰越金がさらに増えるのでは」との意見が出された。(黒沢充)