市立小樽病院の問題について   道の現段階での姿勢を確認(北海道議会)



市立小樽病院の問題について   道の現段階での姿勢を確認(北海道議会) 

広田まゆみの「自由自在」2010.10.05 Tuesday 
2007年4月初当選の北海道議会議員です。座右の銘が『自由自在』の、現在、45歳。 
自分らしく自由に在り続けながら、いかに、政治の現場で実のある働きができるかが、今の私のテーマです。 
   

2010年第3回北海道議会定例会 予算特別委員会 総合政策部 

大きく4点にわたって質問しました。 
最後の4番目で市立小樽病院の問題について 
道の現段階での姿勢を確認しています。 

1.市町村自治体の財政健全化について 
2.市町村自治体の公営企業会計等について 
3.市町村自治体の監査機能の強化について 
4.起債の許可等のあり方について 


1 市町村自治体の財政健全化について 
( 1) 財政の健全化が図られた要因について 
  財政健全化法により、指標の公表が平成19年度決算から義務付けられています。 
先ごろ、平成21年度決算の速報値が発表され、歳入は10年ぶりに大きく増加した。 
実質収支赤字団体、連結実質赤字団体の数などは改善しているが、中央政府からの地方交付税、国庫支出金の増加は、現行制度上では一時的なものであり、それ以外の健全化の進んだ要因が重要であると考えるが、道としてどのように分析されているのか伺います。 

(回答) 
 財政健全化の進んだ要因についてでありますが、厳しい財政状況にある市町村においては、住民の方々の理解と協力を得ながら、地方税などの滞納者に対する徴収対策の強化や使用料・手数料の見直しなどにより、歳入の確保に努めるとともに、施策の重点化による投資的経費の抑制、給与の独自削減や施設の統廃合など、行財政改革による歳出の削減に取り組んできたところ。 
  
また、資金不足を有している病院事業や下水道事業などに対する一般会計からの繰り入れや料金収入の確保などにより、経営健全化に取り組んできたことが主な原因であると考えている。 


(2)財政健全化による住民サービスの影響について 
   
財政健全化の過程のなかで、自治体ごとの収支の見通し作業が行われてきました。 
財政健全化法はいろいろ評価がありますが、指標をとおして、住民が自分の家の財布と同じように自治体の財政も考えるきっかけとして効果があったと考えますが、健全化に伴う住民サービスの低下や住民への負担の増加など、その影響はどのような状況か伺う。 

(回答) 
  財政健全化に取り組んでいる市町村の中には、住民の方々の理解などを得ながら固定資産税や軽自動車税の税率の引き上 げや、体育施設などの公共施設使用料及び戸籍等の手数料の引き上げが行われているほか、公共施設の統廃合や、会館日数の見直しなどにより住民への負担や生活面にも種々の影響が生じておりますが、こうした市町村においては、住民の方々にも協力をいただきながら、市町村が一丸となってご努力されているものと承知。 

(指摘) 
  ずいぶんと住民の方の理解を得てというところを強調してご答弁いただいたのですが、では、自治体の財政状況等の公開について、どの程度道は把握しているのか、今のご答弁を受けて、今後調査させていただきますので指摘します。 
この健全化指標を待つまでもなく、道内においても、公民館について住民との協働運営などを行ったり、いわゆる経費削減、無駄の見直しが、自治の活性化や、住民の長期的な幸せや満足度の増加にどうつながるかどうかという検証が、私は必要であると思っています。 
そういう視点からの状況把握が道民の生活を守る道としては必要であると考えますので検討を指摘しておきます。 

2 市町村自治体の公営企業会計等について 
  財政健全化法は、夕張に顕著なように、将来的には住民がその債務を負うのに、住民からわかりづらかった公営企業や公社等の債務状況もチェックできるのは重要です。 
 以下、平成21年度市町村の決算の概要等から幾つか伺います。 

(1) 公立病院特例債の借り入れした病院の経営状況について 
  まず、目につくところが病院事業会計です。 
  平成20年度決算においては、17の病院で資金不足が発生したところであるが、道によるアドバイザーの派遣、積極的な情報提供・助言や、地方交付税の財政措置の充実が図られたことにより、資金不足額の改善が見られたと受け止めております。 
あわせて、平成20年度に資金不足解消などを目的として公立病院特例債を借り入れした病院の経営状況についてどのようになっているか伺います。 

(回答) 
  公立病院特例債は、不良債務の計画的な解消を図るため、平成20年度に限り発行が認められた地方債であり、この特例債を借り入れた12の病院における平成21年度の決算状況によると、全ての病院で資金不足額が前年度より減少している。 
  これらの病院においては、一般会計からの計画的な繰入を行うとともに、医師確保など必要な医療提供体制の充実による料金収入の確保や清掃などの外部委託業務の見直しによる経費の節減を図り、病院の経営健全化に向けた努力をしているところ。 

(2) 病院事業への財政措置について 
  また、平成21年度から不採算地区病院をはじめ、公立病院が担う救急医療、周産期医療、小児医療に対する地方交付税による財政措置が充実されているが、病院事業会計に十分生かされているのか、道の認識を伺います。 

(回答) 
  地域医療確保などを図る観点から平成20年12月に総務省において、公立病院に関する財政措置の取り扱いが改正され、 
  平成21年度から不採算地区病院や救急医療、周産期医療などに対する地方交付税の充実が図られたことであり、こうした財政措置の充実は、地域医療を支える市町村立病院の経営健全化に資するものと認識しているところ。 
  しかしながら、一般会計の財政状況が厳しいことなどにより、病院事業会計への繰入不足等の事例も見受けられるため、道としては、様々な機会を捉え、市町村に対して、適切な繰入を行うよう助言しているところ。 

(3) 市町村立病院に対する今後の対応について  
  病院経営は基本的には、それぞれの市町村において議会議論などをふまえ適切に判断されるべきと考えます。 
今後、病床利用率などの高い病院がより優遇されるなども検討されており、努力したところが報われるのは必要だと思うが、医師や看護師の不足、また、患者数の減少による影響などの病院の経営は依然として厳しい状況にあると考えますが、道として市町村立病院に対する今後の対応を伺います。 

(回答) 
 市町村が経営する病院事業は、救急医療などを担い、地域における基幹的な病院として、地域医療に大きな役割を果たしているところであるが、その現状は不採算部門の経営に加え、近年の医師や看護師不足、診療報酬の改定の影響など、大変厳しい状況にあるところ。
道としては、今後とも病院事業の経営状況を的確に把握し、情報提供や助言に努めるとともに、市長会、町村会などの関係団体とともに連携を図りながら必要な地方財政措置について国に要請して参る考え。 
      
(4) 上水道・下水道事業会計について 
  次に、上水道、下水道事業会計について伺います。全体としては料金の見直しなどで黒字事業が増加しております。 
平成20年度に、上水道では釧路町、下水道では夕張市が資金不足比率で基準以上となっていたが、どのように改善されたか。 
上水道事業では赤平市が、下水道では留萌市、北見市が資金不足を生じていたがその後どのように推移しているのかうかがいます。 
  また、人口減少のなかで、上水道、下水道事業会計についても、今後の運営の厳しさが想定されるが、道としてはどのように実態や課題を認識し、今後どのように取り組まれるのか伺います。 
(回答) 
 赤平市の水道事業会計及び夕張市と留萌市の下水道事業会計においては、それぞれ一般会計繰入金や経費の削減により資金不足比率の改善が図られているが、北見市の下水道事業会計においては、経常収支の悪化により比率が2.1%から4.2%に悪化したところ。 
 市町村が経営する上水道事業や下水道事業は、住民生活に欠かせない重要な役割をになっていくためにも広域分散型の本道の地域事情を踏まえた経営の健全化が重要であることから、道としては、上水道事業や下水道事業を経営する市町村に対し、料金水準の適正化や一般会計が負担すべき経費の繰出しなど、より一層の経営健全化が図られるよう適切に助言して参る考え。 

(5) 釧路市魚揚場事業会計について  
  平成20年度の資金不足比率のなかで非常に高い数値になっているのが、釧路市魚揚場事業会計で、危惧されるのは、平成21年度になっても改善が認められないことです。 
道としては、この要因をどのようにとらえ、今後どのような対策をとられるのか伺います。
(回答) 
 釧路市の魚揚場事業は、近年の本道水産業を取り巻く環境の変化などにより水揚高が激減したことに伴い、営業収益が年々減少し、経常損失の累積により資金不足が多額となったことから、その比率が著しく高くなっているもの。 
 平成21年度においては、資金不足額は、概ね経営健全化計画に沿って減少しているところであるが、水揚高の減少により営業収益が前年度の決算額を下回ったことから、資金不足率は悪化したところ。 
今後の資金不足額の解消に向けては、一般会計からの繰入など、計画に沿った着実な実行が必要であり、道としても、経営状況を的確に把握し、情報提供や必要な助言に努めて参る考え。 

(6)  国民健康保険・介護保険事業会計について 
  次に、国民健康保険、介護保険事業について伺います。平成21年度、北斗市において生じた連結赤字の比率の要因は、国保事業とのことですが、要因は何だったのか。 
  また、全道の市町村における国保や介護保険会計の実質収支赤字の状況は、どのようになっているのか伺います。 
(回答) 
 北斗市は、平成18年2月に旧上磯町と旧大野町が合併したところではあるが、合併後の北斗市の国民健康保険税の税率は、旧 
大野町よりも低い、旧上磯町の税率に統一されたもの。この税率は、平成4年度に改定以降、現在まで長期にわたり、据え置かれてきたこと、また、資金不足を解消するための一般会計からの繰入が不足していることなどが、赤字の主な原因となったものと承知。 
 次に、全道の市町村における国民康保険事業会計と介護保険事業会計の状況についてであるが、実質収支が赤字の会計数は、国保会計で36会計、介護保険会計で14会計となっている。 

(7) 土地開発公社について 
  次に土地開発公社について伺います。土地開発公社の数は、平成21年3月31日現在、80法人であり、31法人が黒字、49法人が赤字となっている。 
負債総額は減少傾向にはあるものの762億円となっており、中央政府の政策誘導があったとはいえ、道民にとっては負の遺産となっている現状があります。 
  平成21年度から25年度の期間限定で、第3セクター等改革推進債が創設されました。 
この推進債によっても、地域住民にとっては、負の遺産であることは変わりませんが、この推進債には、対議会や住民に対する情報開示の徹底や、債務調整の手続き内容の公平性、透明性の確保が求められており、私としては、この機会をとらえて、各自治体及び議会でしっかりとした議論をされる必要があると考えます。 
  推進債についての道の認識と取り組み状況を伺います。 
  また、江別市において、土地開発公社の廃止が決定されたと伺っていますが、他市町村の動向はどうなっているのか伺います。 

(回答) 
 第3セクター改革推進債は、平成21年度に地方財政健全化法が全面施行されたことを踏まえ、経営が著しく悪化した第3セクター、地方公社及び公営企業が抱えている負債の大幅な整理や事業の廃止等の抜本的改革について、先送りすることなく早期に取り組み、将来的な財政負担の明確化と計画的な削減に取り組むことが求められていることから、国において制度が創設された 
ところ。 
 道内においては、昨年度、稚内市において第3セクターの清算に伴い、この制度を活用したところであり、道としては、他の市町村においても、多額の負債を抱えた土地開発公社や第3セクター等があることから、市町村財政の負担軽減の観点等から当制度の活用について積極的に助言を行っている 
ところ。 
次に、道内市町村の土地開発公社の設置状況についてであるが、平成18年度末における土地開発公社は、94公社であったが、平成21年度末においては、74公社となっており、この間に20の公社が廃止されたところであり、他の市町村においても、引き続き、公社の廃止も含め、その役割や将来的な財政負担も含めた検討がなされているものと承知。 

3 市町村自治体の監査機能の強化について 

  以上、市町村財政、公営企業会計について質疑して参りました。 
  道の役割として市町村の監査機能の強化について役割が求められていますが見解を伺います。 

(回答) 
 道としては、これまで、市町村の監査委員及び事務局職員を対象とした研修会や地元研究会への講師派遣など、その資質の向上に向けて、必要な協力を行ってきているところ。 
 国においては、現在、地方行財政検討会議において、監査制度の見直しの検討が行われており、その見直し案として、監査機能の外部化や共同化などについて議論が進められていると承知しているところ。 
行政に対する住民の信頼を確保し、透明性のあるものとしていくためには、市町村の監査機能を高めていくことは重要であることから、道としては、今後とも、国の動向を注視しながら、市町村への情報提供に努めるとともに、関係団体の意向や要望も十分に伺いながら、市町村の監査委員事務局職員の資質の向上などについて、積極的に協力して参る考え。 


4 起債の許可等のあり方について 

(1) 起債の許可等について 
   
夕張市の問題などで、状況を認識していたのではないかと道の責任を求める声も多いが、道の責任と言っても、道民のみなさんからいただいた税金からその補償をするということで、結果としては、夕張市のような状況を未然に防ぐことが道の役割であると考えます。 
現在は、「同意又は許可」という形で、道は起債の相談を市町村自治体から受けるわけですが、起債を許可する場合の判断基準はどのようになっているのか、まず確認のためうかがいます。 

(回答) 
 実質公債費率が18%以上の市町村が地方債を発行する場合には、地方財政法第5条の4の規定により、都道府県知事の許可が必要とされているところ。 
地方債の許可にあたっては、地方財政健全化法に基づく公費負担適正化計画の内容が適当なものであり、また、その実施が着実に行われていると認められる団体については、許可を行うこととされている。 
こうしたことから、道としては、実質公債比率の推移や低減に向けた取り組みなどについて、市町村の考え方をよくお聞きし、許可をしているところ。 


(2) 市立小樽病院に係る起債について 
  少し具体の事例で伺いますが、新聞報道で先日基本設計について市議会で可決がされた市立小樽病院の新築移転が話題になっております。 
小樽市においては、普通会計の赤字が解消されたばかりで、病院事業の資金不足比率も高く、健全化に向けてさまざまな取り組みをされている途上にあると認識しています。 
その中で、今回の小樽市議会の決定には、全国的にも医療関係者からも注目をされています。      
  もし、起債を道が許可する場合は、市立小樽病院の新築移転に伴う起債が償還可能であると道が判断した基準を明確にするべきと考えますが、現時点での道の見解をうかがいます。 

(回答) 

病院建設に係る起債の許可にあたっては建設計画や収支計画などが、他の医療機関との役割分担や地域において必要な医療提供体制を踏まえた適切なものであること。 
 また、国が定める「地方債許可基準」においては、資金不足を有している場合には、「公営企業経営健全化計画」に基づき、その資金不足が解消されることが必要とされている。 

 道としては、小樽市において、病院建設に向けた基本設計が進められていることは承知しておりますので、今後、具体的な相談の際には、こうした点を踏まえ適切に対応して参りたい。 

(指摘) 
 現時点では、具体的な相談はないということで指摘にとどめますが、 
 小樽市議会での議事録などを見ると、道民の医療を守ると言う視点からたいへん看過できない問題がある。 
法定受託事務でもあり、淡々と基準にてらして処理するという行政としての姿勢もあると思うが、道民に対する説明責任として、判断基準の可視化、透明化を求めたい。 
総務省に対する説明責任よりも道民に対しての説明責任を果たしていただきたい。 

 病院会計は、不良債務を12億近く抱えている状態でこの債務を償還しないと基本的には認められず、そのためには、一般会計からの繰り出しが必要だと考えますが債務解消のための新たな税負担や経費の削減などについて市議会の議論には見えないし、市民が理解しているとは思えない。 
  
388床96億の基本設計ですが、総務省のガイドラインから逸脱している。 
 しかも、人口の減りつつある地域で同機能の病院が2つ以上ある場合、共倒れになる危険性があるため、そこで再編ネットワーク協議会を設置することが求められていますが、合意が得られないまま、議会で病床数と診療科を決定してしまっているなど、後志管内全体の医療の問題にも関わります。 

 道議会として決定に関わる問題ではありませんが、道民のみなさんに対する説明責任を果たしていただくよう最度指摘して質問を終わります。