病床ー元管理の必要性(長 隆)



病床一元管理の必要性(長 隆) 

300床以上で純損失を計上病院している20病院の聞き取り調査をしました。病床管理は 病棟看護副師長以下が担当していました。 一方黒字で100%近い病床利用率の病院は 看護部長(局長)が病院全体を一元管理していました。 
診療科別に 医長が 病床を管理し 空き病床の利用の意欲が削がれています。 
退院の許可そのものは医師の権限ですが 緊急病室以外は看護部長の一元管理を 院長のリーダーシップで実施されるべきではないでしょうか。  


 『病床管理室』 

ズバリ病院をホテルに例えた場合、「客室管理」に相当します。 
その病院が有するベッドをいかに有効利用するかが課題です。利用者(患者)側から見れば、「病気になり、入院が必要となった場合すぐに入りたい(=ベッドを空けておいて欲しい)」というニーズがあります。 

一方病院(特に経営者)側は、空きベッドがあることは収入減を意味する為、「常に一定水準患者を入れておいて欲しい」というニーズがあります。 

つまり相方で正反対のニーズがあるわけです。 
従って病床管理担当者は、「入院待ち患者の状況」と「入院中の患者がいつ頃退院しそうか」という時々刻々と変化する状況を的確に捉え、関係者と調整することが重要です。 

 この調整は保有するベッドが多ければ多いほど大変な作業です。 
関係者とは医師、看護婦(士)をはじめとするスタッフは勿論ですが、場合によっては患者やそのご家族にも参画していただくことも必要です。 
実際の病床管理担当者は、婦長クラスの看護婦(士)やMSW(ソーシャルワーカー)が担当されていることが多いようです。 
「病床管理業務」が適切に行われているかどうかを評価する尺度として、病床稼働率、平均在院日数というものがあります。 
病床稼働率は、ホテルの稼働率と同じ意味で、「どれだけベッドが埋まっているか」を表すもので、通常一ヶ月単位で計算します。 

病床稼働率は、毎日の入院患者数の月末までの合計延人数を定床(要するにMaxの定員)の数の月末までの合計で割ります。 
一方、ベッドが埋まっている(=病床稼働率が高い)状態のままでは新たな患者が入院できないため、「ベッドを回転させて空ける」ということも念頭におかなければなりません。 

「平均在院日数」はいわば「回転率」のようなもので、回転が良ければ良いほど「平均在院日数」は短くなります。 

平均在院日数は、月の延患者数をその月の新入院患者と退院患者の合計で割ります。 
平均在院日数は病棟に看護婦(士)を配置する基準の一要件となることもあるので、病院側はこれに留意することも重要です。 

「病床稼働率」と「平均在院日数」は往々にして相反する関係にあります。 
どちらかに偏ってはいけないので、相方を適度の水準に保つことが「病床管理業務」の重要な役割となります。 

「病院の機能と組織~全日本病院協会HPより」