静和病院が閉院 東伊豆 転・退院の混乱回避 診療報酬事件=静岡



静和病院が閉院 東伊豆 転・退院の混乱回避 診療報酬事件=静岡 
2010.10.01 読売新聞   
  

 診療報酬を不正受給したとして元院長らが詐欺罪などで静岡地裁沼津支部で有罪判決(東京高裁に控訴)を受けた「静和病院」(東伊豆町奈良本)が30日、閉院した。入院患者は全員転・退院し、引き受け手のない患者が出る最悪の事態は避けられた。 

 この日、病院の玄関には「病院存続に向けて力を注いだが、残念な結果になった。23年間、本当にありがとうございました」などと書かれた紙が張られ、入院患者を運ぶための車が時折出入りした。 
正午過ぎには、最後の7人の入院患者が転院のため病院を後にした。 

 その後、病院の瓦崎三雄理事が病院前で記者団の取材に応じた。 
瓦崎理事は「閉院すると行き場がなくなって困る患者も出ると思い、存続を考えたが、医師が集まらなかった。不正受給した診療報酬を返還するよう求められたら資金的に耐えられない」と閉院の理由を説明。 
控訴審中の元院長と元事務長に対しては、「素直に罪を認めてほしい」と話した。 

 静和病院は1988年4月に開院。 
病床数は307。入院患者のほとんどが首都圏からの生活保護受給者だった。 
診療報酬の不正受給が発覚した後の09年3月、県は新たな入院患者を受け入れないよう指導し、入院患者が減少していた。県は30日午後、3人の職員を病院に派遣し、入院患者が全員転・退院したかどうかを確認した。 

 病院は、今後10日以内に病院の「廃止届」を県に提出する。病院の土地や建物をどうするかは未定という。 

 ◆145病床に空き 地域で綱引き 

 下田市と賀茂郡5町を含む賀茂圏域では、既存病床数は静和病院も含めて計1140床だったが、3月に改定された県の保健医療計画で、基準病床が978床に減った。 
静和病院の閉院で既存病床数は833床に減り、基準病床に対し145床の「空き」ができる。 
この145床は賀茂圏域内の病院に割り当てられることになり、今後どの病院に何床配分するかを巡り綱引きが活発になりそうだ。 

 この問題で、下田市への移転が決まっている共立湊病院(南伊豆町)を運営する組合の副管理者でもある同市の石井直樹市長は、22日の記者会見で、「病床は共立湊病院にほしい」と語った。 
また、2011年3月まで同病院の指定管理者を務めることになっている「地域医療振興協会」(東京都)は、今年7月から同市西本郷の「伊豆下田病院」(60床)も運営しており、やはり病床の確保に関心を持っているとみられる。 

 これについて県医務課は「地域でよく話し合い、どのように配分するか決めてほしい」としている。