名鉄病院を譲渡、済生会と統合へ



名古屋鉄道健康保険組合立「名鉄病院」438床は 年間赤字1億円で健闘しており、身売りは 見切り千両と言う事であった。健保組合の赤字補填に限界があり、立替資金の回収困難が理由。・・・済生会の統合も先行き不透明のようであり、有力民間病院も簡単に手を出せるとは思えない。 
刈谷豊田総合病院が 高浜市民病院を引き受けられたのも 立替資金など 新築投資は高浜市が全額負担だったからである。・・・ 
日本鋼管病院の医療法人化を先例として 現職員による医療法人設立、債務負担無ししかないのではないか。 
   

名鉄病院を譲渡、済生会と統合へ 【名古屋】 
2010.06.28朝日新聞 
  
名古屋鉄道健康保険組合は、運営する名鉄病院(名古屋市西区、438床)を、全国41都道府県に医療機関などを持つ社会福祉法人恩賜財団済生会(東京都)に譲渡することが27日、分かった。名鉄病院は、来年春にも、西区内の愛知県済生会病院(199床)と統合する見通しだ。 

 高齢者医療制度の改革による負担増などで経営難に陥ったためだ。 
大企業の従業員が入る健保組合が、直営病院の譲渡に踏み切る例は珍しい。 
名鉄病院によると、譲渡後も職員ら約600人の雇用を確保し、診療体制は変わらない。 
職員には5月に譲渡の方針を説明したという。 

 統合後、済生会が名鉄病院を集中治療室などを備えた急性期病棟に建て替える。 
愛知県済生会病院は回復リハビリ病棟に改築し、患者の病状に応じて連携をとる計画だ。 

 2008年の制度改正で高齢者医療制度を維持するために課せられる負担金が急増。 
09年度には保険料収入の半分近い49億円を拠出し、収支が大幅に悪化した。 

 また、名鉄病院は最も古い建物が国の耐震基準を満たしていない。国は15年度までに耐震化を求めているが、費用のめどが立たなかった 
  



保険料収入5割“上納” 名鉄病院譲渡へ 『限度超えた負担』 健保組合幹部嘆き 国改革で赤字化 
2010.06.27中日新聞   
  
健康保険組合が破綻(はたん)すれば、直営病院は差し押さえられ、地域住民に迷惑をかけてしまう-。 
名鉄病院(名古屋市西区)を社会福祉法人恩賜財団済生会(東京)に譲渡する交渉。きっかけは、そんな切羽詰まった未来予測だった。 
背景にあるのは、高齢者医療制度改革による負担増。名鉄健康保険組合の「上納金」は保険料収入の五割に迫り、健保組合幹部は「限度を超えている」と憤る。 

 「保険料収入は組合員のために使うものなのに、組合員以外のために半分も持っていかれるなんて」。 
名鉄健保組合の出口哲也常務理事の嘆きは深い。 

 同組合の二〇〇九年度の保険料収入は百五億円。うち半額近い四十九億円を高齢者医療制度などの納付金に取られた。〇七年度は黒字会計。 
だが〇八年度に同制度が改革され、負担が増すと、赤字に陥った。病院自体も〇九年度は約一億円の赤字だが、納付金に比べれば小さな額だ。 

 収支改善のため、8・8%だった保険料率を、四月に9・5%に引き上げた。 
出口常務理事は「現役世代からの援助はある程度仕方ないが、収入の半分にもなるのは限度を超える」と国を批判する。 

 国は高齢者医療制度の財源改革で、大企業の従業員らが入る健保組合の納付金の割合を増やし、市町村国保と中小企業の従業員が入る協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)の負担を軽くした。 

 その結果、健康保険組合連合会の千四百六十二健保組合の一〇年度の納付金は、計約二兆六千二百億円で、保険料収入の約44%に達した。 
景気悪化による収入減も重なり九割は同年度に赤字となり、赤字額は計六千六百億円に上る見込みだ。 

 五月には、財政が悪化した協会けんぽを救済するため、納付金の負担を健保組合に肩代わりさせる改正法が成立。 
三年間の特例措置として、健保連全体でさらに年五百億円(本年度は三百三十億円)の負担増となった。 

 こうした中、〇八年には、西濃運輸グループの健保組合が、高齢者医療費の負担増を理由に解散し、政管健保(現協会けんぽ)に移行。 
解散する健保組合が続き、組合数はピークの一九九五年度と比べて約三百減った。 

 赤塚俊昭・健保連愛知連合会会長は「保険料収入の半分も組合員のために使えず、病院さえ持てなくなるのは保険制度の本来的な役割を損なっている。 
他の健保組合立病院にも広がる問題だ。根本に立ち戻って、公費投入の増額など制度のあり方を真剣に議論すべきだ」と訴えている。