近江八幡市立総合医療センター





近江八幡市立総合医療センター 

PFI資金を全額返済し政府資金への借換えやPFIの解約がなければ,実効性のある改革プランは作成できませんでした・・・改革プラン1年目ですので,大きなことは言えませんが,平成21年度は,医業収入は計画を上回り,経費等の削減努力もあって,プランよりも大幅に赤字を減らすことができました. これで,キャッシュが回り始める目処が立ちました。 


近江八幡市病院事業管理者 槙  系 からのごあいさつ 
  
新病院に移転してから,3年半が経ち,いつまでも,病院に「新」とつけるのが憚られるようになりました. 
 この間は,混乱の連続であり,窮することばかりでした. 
 それでも,職員は「雑音」に惑わされることなく,自分たちの使命を信じて,日々の業務に邁進してくれました. 
 その結果,昨年7月からは,地域医療支援病院の指定も受けることができました. 
 私たちが推し進めてきた医療連携の姿が,まだ不完全とはいえ,何となくイメージできるようになってきました. 
 今後も,地域医療における基幹病院としての立ち位置が,ぶれることのないように努めていきたいものです. 
昨春は,公立病院改革ガイドラインに沿って,各自治体病院が,国に5年計画の改革プランを提出しなければならない時期でもありました. 
 改革プランには,何よりも実効性が求められていました. 
 当院の場合,政府資金の借換えやPFIの解約がなければ,実効性のあるプランは作成できませんでした. 

 PFIの理念は,それなりに理解していたつもりでした. 
 だからといって,現実にキャッシュが回らない状況で,一時借り入れを積み重ねながら,PFIの実験を継続することは許されることだったでしょうか. 
 私たちの責務の基本は,病院を運営することであり,その手法となるはずであったPFIに縛られることではないのです. 
  後ろ向きの議論は,現場職員の足を引っ張り,働く意欲をことごとく削いでしまいます. 
 もうこのあたりで,終止符を打ちたいものです. 
今は,医療提供体制が,根幹から揺らいでいる大変革期です. 
 一般病床数が,90万から60万床に減らされる動きの中で,各々の病院は生き残りをかけて必死に努力しています. 
 当たり前のようにあった病院が,そのままでは潰れてしまう時代です. 
 PFIがどうのこうのという前に,市民全体が,いかに病院を存続させるべきかという前向きの議論をしなければならない時です. 
 PFIはあくまでも手段であったはずです. 
 目的を履き違えてはいけません. 
 私たちが守るべき主軸は,病院の存続と地域医療の確保です. 
 急性期疾患を担う基幹病院があっての地域医療です. 
 いざという時に,地域の開業医さんや病院,救急隊から頼られること,それが当院の役割であり使命です. 
 そのことが,ひいては市民のための病院であることにつながるはずです. 
 まだ,改革プラン1年目ですので,大きなことは言えませんが,平成21年度は,医業収入は計画を上回り,経費等の削減努力もあって,プランよりも大幅に赤字を減らすことができました. 
 これで,キャッシュが回り始める目処が立ちました. 
 何と言っても,経営基盤が担保されての「医療の質」の追求です.  一日も早く,経営の安定化を確保したいものです. 

地域医療の再生には,不況の時だからこそ,何にもまして効率性を高めることが求められます. 
 これは,単に節約するということではなく,社会全体で,資金や人的資源を有効に活用するということです. 
 市町の線引きを越えた,行政としての主導的な介入が期待されるところです. 
 東近江医療圏,さらには滋賀県全体で,どのような医療福祉体制を築き,守っていくのかを考えなければなりません. 
 そして,これは行政だけに任せておいて済む問題でもありません. 
 公立病院も,市民みずからが守らなければ,誰も守ってくれません. 
 市民の皆さんの積極的な参画があってはじめて,市民のための自治体政策として育っていくのです. 
 これからも,宜しくお願い申し上げます. 


平成22年4月1日 
近江八幡市病院事業管理者 槙  系 

院長代行からのごあいさつ 
  
平成18年10月新築・移転・開院以来3年間、特に最近の1年間は、総務省の公立病院改革プランのもと、平成21年3月のPFI契約解約後、厚生労働省の地域医療再生計画策定の動きも加わり、慌ただしい年、激動の日々となりました。 
この間の皆様方の激励・助力に深く感謝申し上げす。 

私共は築き上げてきた地域中核の急性期病院としての誇りと自信を胸に、医療本来の業務を全うすべく、今後も医療安全、医療環境整備・改善に、着実に取り組んでまいります。 

基本理念『多くの人々との出会いを通じて、新しい医療環境の,創造に努めます』 
◇近江八幡市立総合医療センターの機能・役割~ 
近江八幡市のみならず、東近江、さらには中部湖東地区という地域・コミュニティーになくてはならない中核的医療を担う基幹病院として、信頼される病院作りを職員一丸となり追求しています。 

公立病院改革プランを実のあるものとするためには、まず県、地域の力を結集し、地域内の病院・診療所が連携し互いの機能を生かし合うことで地域全体としてよりよい医療体制を築きあげることが不可欠です(地域医療の再編・ネットワーク化達成)。 
東近江地区の中心として当院は平成21年6月から地域支援病院として指定されました。 

救命救急センター、県指定の地域周産期母子医療センター、災害拠点病院、第2種感染症指定医療機関をはじめ『急性期・重症の濃厚な入院治療や検査を必要とする状態に対処すること』が『急性期病院』として当院に課せられた中心的な役割です。 

患者の皆様におかれましても、病院・診療所の機能分担につきご理解をいただきますようお願い申し上げます。 

◇新しい医療環境の創造 

当院に課せられた機能・役割の象徴的存在が、国認可・県4カ所目の救命救急センターです。 
救急専門医の指導下に救急医療体制を確立し、救命・集中治療医学管理を行っています。 
循環器内科の虚血性心疾患に対する早期治療体制の整備、脊髄損傷・多発外傷を含む外傷に対する整形外科の迅速な対応、麻酔科指導医による緊急手術に対する万全の体制、即時対応可能な充実の消化器外科チーム、頭部外傷やくも膜下出血に迅速に対応する脳神経外科の布陣、小児科・小児外科の充実による小児救急への対応、急性血液浄化に対応する強力な腎臓内科チーム、産科・婦人科体制の整備、等をはじめ、各科精鋭の医療スタッフを誇ります。
救急隊員に対する支援・指導や、県内外での蘇生トレーニングの指導者活動、災害派遣活動(DMAT3チーム)等に積極的に取り組んでいます。 

全国的に救急医療現場の疲弊、医師の撤退による医療崩壊が雪崩を打つように起こっています。 
東近江地区でもそれは例外ではありません。 
当院の人的資源にも限りがあり、こなせる医療に量的限界があります。 
急を要しない疾患、一般外来や診療所に受診すべき疾患などでの救命救急センターの利用や、救急車の不適切な利用が後を絶ちません。 
医療現場が疲弊・崩壊しないためにはエリア住民の認識と協力が不可欠です。 

患者の皆様には可能な限りかかりつけ医の先生にご相談いただき、また県で設置の救急相談窓口をご活用いただいて、節度ある救急医療機関のご利用を切にお願いいたします。 

無煙環境の創造は当院の大きなコンセプトです。喫煙は多くのガンや、心臓疾患、呼吸器疾患との関連が最も明らかな危険要因です。 
当院では、禁煙外来を開設し敷地内完全禁煙を実施しています。 
建物内はもちろん、駐車場を含めた敷地内が完全禁煙です。 
入院中の患者の皆様には、入院誓約書にも入院中の禁煙を明記していただいております。 
外来受診の患者の皆様や、付き添い、お見舞いの方々も、クリーンな療養環境確保のため敷地内禁煙をお守り下さい。未だに公共のルールである当院の規定を破る敷地内喫煙行動やすい殻のポイ捨てが見受けられ、受動喫煙の実害や療養環境の汚染といった状況を招いています。 
禁煙サポートチームを中心に今後も地道にクリーンな病院を追求してまいります。ご支援、ご理解をお願い申し上げます。 

当院は平成21年4月からDPC対象病院となりました。D(Diagnosis診断)P(Procedure手術・処置)C(Combination組み合わせ)は、入院医療における診断群分類別包括評価という仕組みのことで、医療の質の標準化、可視化、効率化、等が目的です。 
国・厚労省によって、入院中の無駄な検査の排除や、入院日数の適正化が方向付けられ、現在この方法で入院費用を算出している『対象病院』は全国で1283病院、準備中の『準備病院』は274病院あります。 
これらを併せ日本全国の全病床数の53%となり、急性期病院といわれる病院のほとんどがこのシステムを採用し、DPCによって入院医療費を計算し、お支払いいただく仕組みとなっています。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 

◇多くの人々との出会い 
『多くの人々との出会い』として患者の皆様との出会い、他の医療機関の皆様との出会い、職員(常勤、非常勤、委託など、様々な雇用形態の、当院で働くすべての現場の職員)同士の新しい出会いがあります。 

医療の『可視化、標準化、効率化』を要求されると同時に、病態の変化に対応した、急性期から介護・在宅まで一連の『医療機能の分化』『医療連携の構築』が急がれています。また医療崩壊により医療需要・供給体制の不均衡が深刻化しています。 
地域の皆様方と医療機関が情報を共有しつつより良い地域医療を構築する新たな共動関係が必要です。 

地域の皆様は普段から体調管理の相談にのってもらうかかりつけの診療所をお決め下さるよう重ねてお願いします。 
精密検査や高度な医療、緊急の対応が必要な際は、診療所から当院へ紹介をいただき検査、入院治療や手術を行い、落ち着けば診療所に戻っていただく病診連携、急性期の治療後さらにじっくりと治療が必要なときは慢性期に対応した病院に紹介転院の上入院治療を続ける病病連携等の役割の分担と体制作りがすすんでいます。 


病院ボランティアの皆様との出会いがあります。 
より開かれた病院の鍵として、接触していただく患者の皆様の生の声を吸収し現場に届け、また急性期病院としての当院のあり方に理解を深めていただき、両面からこの病院をそだて下さる大切な存在です。 

止まることのない病院改革の要は、職員同士がお互いを見つめ直すことにあり、これが当院をより良い方向に変えていく大きな力を生むと確信します。この3年間で多くの 
課題をクリアし、病院機能評価Ver5認定、各種施設基準認可、医療安全全国共同 

行動全部門参加他、各種プロジェクト・キャンペーン活動に取り組み大きな成果を上げてきました。 
職員一人一人の力を結集し課題に取り組み、乗り越えてきたことを誇りとすると同時に、現在進行形の大小の未解決課題に対して「自ら考え動く」、意識改革を常とする職員との日々の出会いに期待します。 
職種、雇用形態を越えたすべての職員の病院運営に対する熱意、理解、奮起が病院を大きく変えます。地域全体の共動を得ながら、当院の機能を存分に発揮できるよう病院運営を一体となって進めます。 

誇りと喜びを胸にともに働く元気な看護スタッフを随時募集中です!! 

さらに進化した、また心のこもった医療を提供できるように益々努力を重ねていきます。 一人一人を大切に、優れた医療を提供します!! 

近江八幡市立総合医療センター 院長代行 須貝順子