県とJA福島厚生連が5日、県立大野病院(大熊町)と双葉厚生病院(双葉町)を来年4月に統合する基本協定書を結んだ。



県立大野病院・双葉厚生病院、来年4月統合で基本協定 県とJA厚生連 /福島県 
2010.07.06朝日新聞  

 県とJA福島厚生連が5日、県立大野病院(大熊町)と双葉厚生病院(双葉町)を来年4月に統合する基本協定書を結んだ。 
県病院局によると、公立病院と民間病院の統合は全国的にも珍しい。 
目的とする地域医療の充実につなげられるか、統合までの9カ月で解決すべき課題は多い。(中川透) 


 統合の構想は数年前から浮上していたが、地元の反発もあり、具体化が遅れてきた。昨年度から具体化に向けた議論が本格化。約1年間かけて方向性をまとめた。 

 協定書によると、県はJA厚生連に大野病院のすべての施設や設備を無償で貸与し、経営を引き渡す。将来的には施設の譲渡も検討する。5日の協定書締結式で、交渉を進めてきた松本友作副知事は「協定書の実現に向け、(JA厚生連に)人的、財政的支援をしたい」と述べた。 

 両病院とも医師不足が大きな課題。常勤医師数は2004年度に計24人いたが、09年度は19人に減少。このため、統合で地域の中核病院を作って、勤務環境の改善などで医師の定着を図ろうと、計画を進めてきた。統合後の医師数は、13年度に25人をめざす。 

 統合によって、現在の大野病院は救急機能を、厚生病院は外来機能をそれぞれ強化して役割分担を図る。約9億円かけて大野病院に救急センターを新たに設け、救急医療の態勢を充実させる計画だ。 

 地元の医療関係者にとって気がかりなのは、統合が人材面で円滑に進むかだ。県立病院には医師や看護師など約100人の医療スタッフがいる。退職してJA厚生連に再就職するか、ほかの県立病院への異動を迫られる。給与水準は県職員の方がやや高く、どの程度が移るか不透明。県は職員と今後交渉を進める。 

 地元の住民からは統合決定後の今も、県の計画通りに医療態勢が充実するか不安視する声が消えない。統合後も二つの病院は残るが、「将来的に片方に集約されるのでは」「地域医療への県の関与が後退するのでは」などの声だ。 

 双葉郡と相馬市などを含む「相双地区」は、県内でも特に医師不足が目立つ地域だ=表。救急患者を受け入れられる病院も少なく、住民の不安は大きい。JA福島厚生連の大木哲理事長は「良質な医療の提供態勢に向け、統合は大きな前進。円滑な診療ができるように、万全を期して進めていきたい」と話している。 


 ■地域別にみた医師数の現状(08年) 

 地域 産婦人科・産科医師数  小児科医師数 

   (出生数千人あたり) (15歳未満人口1万人あたり) 

 相双    6.2        4.3 

 県北     12       10.2 

 県中    8.3        8.3 

 県南      8        6.3 

 会津    5.9        5.6 

 南会津     0       10.5 

 いわき   5.5        5.5 

 県全体     8        7.5 

 全国    9.5        8.9 

 ※県の資料より作成