十和田中央病院 全適移行し業務開始


十和田中央病院 全適移行し業務開始(デイリー東北2010/07/02) 
  
十和田市立中央病院は1日、運営形態を地方公営企業法の全部適用(全適)に移行し、業務を始めた。 
従来の同法の一部適用に比べ、病院側の裁量権が拡大。現場の意向を迅速に反映する環境が整ったことを生かし、資金収支で2010年度内の黒字化を目指す。 
  
 青森県内の公立病院で全適を採用したのは、県立中央病院(青森市)、八戸市立市民病院に続き3番目。 
トップとなる事業管理者(特別職)には、同日付で十和田中央病院院長の蘆野吉和氏が就任した。 
 従来、病院の人事や予算は、市議会の同意を得るなどの手続きが必要だったが、全適への移行で病院側の判断で決めることができるようになった。 
  
今後の病院経営について蘆野管理者は、裁量権の拡大を踏まえ、人件費や委託契約の見直しによる経費削減に取り組む方針。 
併せて入院患者の確保など、さらなる増収対策も進める考えだ。 
 同病院はこれまでも経営改善の取り組みを続けている。 
09年度末の不良債務は当初、17億円に上るとみられていたが、年明けから入院患者が急増するなどし、赤字が約1億5千万円縮小する見通し。 
  
10年度に入り4~5月の1日当たり平均入院患者数は、前年同期と比べると、約28人増の243・4人となり約1億円の増収となる見込みだ。 
  
三沢克事務局長は「今年から入院患者を積極的に受け入れる体制を組むなど、経営改善に向けた取り組みの効果が出ている」としている。 
  
蘆野管理者は取材に対し、今月前半までに10年度収支の数値目標を設定する考えを示し、「今の入院患者数が続けば(10年度の黒字化は)達成できる」と自信をのぞかせた。 
11年度以降は市からの繰入金が大幅に減るため、「今後3、4年のスパンでの改善も念頭に経営を進めたい」と述べた。 
  


来月・全適移行 十和田中央病院/管理者に蘆野院長/「経営精力的に見直す」 
2010.06.24 東奥日報  
  

 十和田市立中央病院が7月1日に地方公営企業法の全部適用(全適)を導入することについて、小山田久市長は23日、市長に代わり病院経営の責任者となる事業管理者に、現病院長の蘆野吉和氏(58)を任命すると正式に発表した。7月以降、同病院は市長部局から独立し、効率的、迅速な経営改革を目指す。 

 23日に会見した小山田市長は、選任理由について「早急に経営改革を進めるには、経緯や現状を知っている方でなければ効果が出にくい」と述べ、蘆野氏の病院に対する熱意や、今年1月以降、病床利用率が上昇するなど経営改善が図られている点も挙げた。 

 2005年に同病院長に就任した蘆野氏は「5年で意識改革はある程度定着したが、経営では反映されなかった面もある。経営体制を精力的に見直し、住民が安心して暮らせるような地域づくりを支える病院をつくりたい」と抱負を述べた。 

 一方、事業管理者就任で医師としての手当が減り、自らの給与が現在の約4分の3になると説明。「この痛みを分かちあいながら、職員も地域の病院の存続に協力してほしい」と述べ、人件費見直しに含みを持たせた。蘆野氏は山形県鶴岡市出身。東北大学医学部を卒業後、福島労災病院(福島県いわき市)外科筆頭部長などを務めている。