深刻な経営状況と病院PFIの合意解約(高知医療センター中期経営改善計画





深刻な経営状況と病院PFIの合意解約(高知医療センター中期経営改善計画 抜粋)・・・総務省の公立病院改革ガイドラインで求められている公立病院改革プランとしての位置づけを含み、平成23年度の単年度収支の黒字化を目指す。・・・ 

開院後5年目を迎え、実質開院の17年度から4期の決算を終えたことになるが、診療機能面の充実と比較して、実際の医療現場では、開院当初導入された電子カルテに対する習熟度が低く、診療にあたって混乱があった。 
また、当初の計画と比べて、外来・入院患者数共に未達成であり、厳しい経営を余儀なくされていたが、高知医療センター経営改善委員会の広報と地域医療連携における新たな取り組みにより、最近では、外来患者数、入院患者数は徐々に増加し、診療単価や平均在院日数は、当初想定の目標を大きく上回る実績をあげている。 

経営状況は、開院以来計画を上回る赤字が続き、起債の元金の償還が始まった平成20年度決算では、資金不足が生じたため、構成団体である県と高知市から7億6千2百万円の長期貸付を受ける深刻な事態となった。 

医療センターが経営難に陥った主な要因は、SPCが提案した医業収益に対する材料費比率を23.4%以下を目標とするとの応募者提案が達成できていないことなど、当初予定されていたとおりのPFI事業の効果が出ていないところにあったと考えている。 

このような厳しい経営状況が続いていた中、国から公立病院改革ガイドラインが示され、平成23 年度までに経常収支の黒字化に取り組まなければならなくなったこともあり、SPCに対し、材料費や委託料など6億円の経費を削減するように協力を要請したが、SPCからは協力要請には応じることはできないとの回答があった。 

その後、構成団体からのSPCの親会社への協力要請もあり、PFI事業の根本に立ち返って協議を進めることになり、その協議を進める中で、SPCから合意によるPFI事業契約の終了について協議することはどうかとの提案があった。 
これまでPFI事業でSPCに支払う諸経費を含めれば、公共が行うよりも割高となっていると指摘してきており、SPCが、材料費や委託料を直ちに削減することが困難であるとする以上、PFI事業契約の終了は、医療センターの喫緊の課題である経営改善につながると考えられたため、SPCと企業団の間において開催される経営企画協議会で協議した結果、PFI事業契約は双方合意のもとに解約の確認書が交わされ、平成21年度末をもって終了することとなった。 

一方、SPCの材料調達金額は、公共が直接調達する価格と比べ、一定の削減が図られていることも立証されており、直営方式への転換により確実に経営改善に繋げるためには、事務職員にも医療事務に精通した人材の育成・確保を計るとともに、各委託業務の見直しを始め、今まで以上に総コストを点検し、費用削減に努める必要がある。 

今後は、健全なる収支構造の確立を可能とする「医療を中心とするトップマネージメント」による責任ある運営体制の構築が必要である。 

⑤ 業務の移行(H21,22) 

PFI事業を終了することにより、平成22年4月から直接運営という新たなステージに向けてスタートすることとなる。 
4月には、SPCから業務を引き継ぎ円滑に病院運営がスタートするよう職員が一丸となって、全力で取り組む必要がある。このため、平成21年12月に「高知医療センター運営改善推進本部」を設置し、業務の移行計画について検討を行ってきた。 

直接業務を処理するためには、事務職員を行政事務と医療経営事務に分類し、各々特化した事務局や、地域医療センターなどの体制強化を図る必要があるが、当面は県・市からの派遣職員に加え、業務の継続性・専門性を考慮して、外部からの派遣、期限付任用、非常勤、臨時職員による運営体制を確保する。 
外部からの派遣職員が行う業務は、3年以内を目処に企業団職員による業務に切り替える。

また、将来的には県・市からの派遣職員は必要最小限とし、一定の職員のプロパー化を図っていく。 
業務は、SPCへの包括委託から企業団が直接行う業務と個別委託方式での業務委託となるが、現行の委託業務の仕様を見直し、サービスの質を確保しながら経費の削減に努める。 

2.基本方針(計画の基本的事項) 

1)計画策定の意義 
この「高知医療センター中期経営改善計画」は、高知医療センターの運営を、本年4月から、PFI事業を終了して企業団が直営で行うにあたり、今後の高知医療センターの経営方針及び果たすべき役割を明確にし、それらを実現するための取り組みや数値目標を定めるとともに、早期の経営改善に繋がる具体的な取り組みを示し、これらを着実に実行して県民の皆様に良質な医療を安定的に提供することで、安心して医療を受けていただきた 
いという思いを込めて策定するものである。 

2)計画の位置付け 
この計画は、高知医療センターの経営方針及び経営戦略として、職員全員が意識を合わせ、一丸となって取り組む病院運営の基本方針である。 

また、総務省の公立病院改革ガイドラインで求められている公立病院改革プランとしての位置づけを含み、平成23年度の単年度収支の黒字化を目指すものである。 

3)計画の期間 
この計画の計画期間は、平成21年度から平成25年度までの5年間とする。 
総務省の公立病院改革ガイドラインで示されているのは、平成21年度から平成23年度までの3年間であるが、開院以来PFI事業による当初計画を上回る赤字となる厳しい経営状況が続いていることから、PFI事業終了後の新たな高知医療センターの中期の病院運営の基本となる計画を立て、安定した医療の提供、経営が続くことを県民の皆様にお示しをすることとして5年間とするものである。 

4)点検・評価・公表時期 
この計画の進捗管理は、これまで経営改善に取り組んできている病院長をトップとする経営改善委員会と、新たに設置する経営改善を所管する部署において行う。 

また、計画の進捗状況、病院の運営状況について、外部の有識者により新たに設置する委員会において評価を行い、助言を受けるとともに、それらについて、速やかに公表する。 
外部委員会の評価、助言を踏まえ、また経営改善委員会の協議の中で、PDCAサイクルの取り組みを徹底し、必要に応じた計画の見直しを行っていく。