医療ツーリズムの促進、保険外併用療養の拡大など 新成長戦略、医療・介護分野の施策例が明らかに



医療ツーリズムの促進、保険外併用療養の拡大など 
新成長戦略、医療・介護分野の施策例が明らかに 
2010.5.31 日経メディカル 

 6月末にまとめる新成長戦略に向け、政府が検討中の施策例が明らかになった。5月31日に都内で行われた米GE社主催の講演会で、国家戦略室長室の近藤正晃ジェームス氏が明らかにしたもの。 
  


 成長戦略がないといった批判などを受け、政府は新成長戦略の策定に向けて準備を行っている。昨年12月末には、新成長戦略の基本方針を閣議決定。医療介護分野を成長分野の1つと位置付け、2020年までに医療・介護・健康関連サービスで約45兆円の新規市場と約280万人の新規雇用を創出するとしている。今年6月には、基本方針に基づいた新成長戦略を閣議決定する予定だ。 

 近藤氏は講演で、「医療への資源投入をコストではなく投資として考える」と説明。新成長戦略に盛り込むことを検討している施策例について触れ、医療ツーリズムや保険外併用療養の拡大、医療情報のIT化などを推し進める考えを明らかにした。具体的に挙げたのは、以下の6項目。 

(1)医療ツーリズムのために医療機関特区を設け、外国人のビザなどの問題を解消し、質の高い医療機関が医療ツーリズムに取り組めるようにする 

(2)革新的な医療機器・医薬品の研究開発促進のために10の重点分野に予算を投入する 

(3)革新的な医療機器・医薬品の研究開発促進のために医薬品医療機器総合機構の審査員を数百人単位で増員する 

(4)保険外併用療養(の拡大)により100~200カ所の医療機関で癌患者などが未承認薬を使えるようにする 

(5)レセプト情報のIT化を進め、匿名化したレセプト情報を2011年度中に研究者にも開放する 

(6)患者の医療情報のポータビリティーを推進し、2013年までに医療機関間で連携できるようにする 

 近藤氏は「今まで規制や制度、予算の制約などで実現していなかったが、医療・介護分野は重点分野なので断行したい」と話し、規制改革や大規模な予算を投入することで施策を実現する考えを示した。 

 同講演会では当初、内閣官房国家戦略室長で内閣府副大臣を務める古川元久氏が講演する予定だったが、公務のため欠席。古川氏の代わりとして、急きょ国家戦略室長室で政策立案に携わる近藤氏が講演した。