天下り先が受注→身内企業に再委託 独法一家うまみ分配




2010.4.15 朝日新聞 
天下り先が受注→身内企業に再委託 
独法一家うまみ分配 
  
事業仕分け第2弾の対象となる独立行政法人(独法)が、天下り先の公益法人に随意契約(随契)を集中させていた。独法から業務を受注した公益法人が、独法のファミリー企業などに再委託するなど、身内で利益を分け合っている構図も見える。事業仕分けでは、天下り先を優遇し、割高な契約を続けている独法と公益法人との関係が問われることになる。   

UR、2年で975億円 

随契を結んでいる公益法人への天下り人数が238人と最も多い国土交通省所管の都市再生機構(UR)。なかでも財団法人・住宅管理協会(住管協)には68人(2008年度)のOBが再就職していた。08年度にURと住管協が結んだ契約はすべて随契で、額は200億円を超える。 
契約内容は、URが公団時代に整備した賃貸住宅の入居案内や家賃収納、保全・修繕など。国交省内でも「民間の不動産会社などでもできる業務ばかりだ」と指摘されたことがあるという。 
さらに住管協から、賃貸住宅が空室になった際の修繕や、団地の保全工事など多くの業務が、URが出資するファミリー企業に再委託されていた。再委託先は、URから32人が再就職している「日本総合住生活」や、20人が天下っている「URコムシステム」など。住管協など22の天下り法人がURから随契で請け負った金額は2年間で総額975億円で、このうち95%が、こうしたUR系を含む27法人に再委託されていた。 
関係者によると、住管協はURからの再就職者68人に年間7億円以上を給与・報酬として計上しているという。URは「08年度から段階的に一般競争入札などに移行しているし、現在は関係法人への再就職のあっせんは実施していない」とコメントしている。 

JICA発注航空券 普通運賃で「7000万円ムダ」 

外務省所管の国際協力機構(JICA)は、開発途上国からの若者を農業や福祉など様々な分野で研修する「研修員受入事業]のうち、研修員を地方の現場に引率する業務などを、OB3人(08年度)が再就職している財団法人・日本国際協力センターに委託していた。06年度以前は随契で、07年度から公募で企画書などの提出を求める「企画随意契約」に変わったが、センター以外の応募はなかったという。 
会計検査院などによると、センターは、研修員らの国内移動用の航空券を一般の旅行会社から割高な普通運賃で手配していた。「搭乗便の変更が当日でも容易にできる」との理由だが、研修日程は早期に確定していた上、実際は搭乗直前の変更はほとんどなかったという。
検査院は昨年、08年度にセンターが手配した延べ約6800人分で約7千万円を節約できたはずだと指摘。JICAとセンターは契約内容を変更し、最も安価な割引運賃で手配することにしたという。 
JICAは08年度までの3年間、センターに随契で計180億円以上を発注している。ある大手旅行会社の営業担当社員は「民間なら普通運賃で出張なんて今時あり得ない」と話す。 
JICAは「事業仕分けの仕分け人のヒアリングが終わらないとコメントできない」としている。