仕分け 独法数減らす 枝野行刷相インタビュー



2010.4.15 朝日新聞 
仕分け 独法数減らす 
枝野行刷相インタビュー 

枝野幸男行政刷新相は14日、朝日新聞のインタビューに応じ、23日から始める事業仕分け第2弾で対象となる独立行政法人(独法)について「法人数を減らさないと仕分けをした成果として成り立たない」と述べ、統廃合を進める方針を明らかにした。5月下旬の事業仕分けの対象となる公益法人については、政府からの支出をやめることで、統廃合を促す考えだ。 

独法と公益法人  
独立行政法人は各省庁が直接手がけないものの、一定程度の国の関与が必要とされた事業を独立した会計で行う法人。行政サービス・政策執行の効率化や活性化を目的に、橋本内閣が導入を決めた。1999年制定の「独立行政法人通則法」で、設立方法や理事長1人を置くなどの運営規則が決められている。公益法人は社団法人と財団法人のうち、事業内容が営利を目的とせず「公益性が高い」と認定されたもの。 

  
事業仕分け第2弾は、23日からの4日間は独法を対象とし、5月下旬の後半は政府系公益法入が対象。仕分け結果を踏まえて、政府は6月に制度改革の方向性をまとめる予定だ。 
枝野氏は、橋本内閣の行政改革で独法の仕組みができたことについて「中身の効率化につながっていない。独法にしたことで、役所の天下りや予算が実は焼け太りしている」と指摘。事業の必要性や政府の関与度合いを分類し、独法の統廃合、民営化、別の法人への移行を判断する考えを示した。ただ、法人数の削減日標には言及しなかった。 
また、すべての独法が1999年制定の「独法行政法人通則法」で運営規則などが定められていることについて、枝野氏は「あまりにも雑多な種類が一つのカテゴリーにまとめられていることの問題をあぶり出したい」と述べ、将来的には通則法廃止を検討する考えだ。 
公益法人については政府の補助金や委託費などをやめることで法人の統廃合を促す考えを示した。 
省庁の抵抗も予想されるが、枝野氏は「(行政刷新会議の)鳩山(由紀夫首相)議長が決めたことをひっくり返すとしたら政治問題だ」と牽制した。 


公益法人への支出減 労組、聖域ではない 

――事業仕分け第2弾の狙いは。 
「官僚OBの天下りが多い独立行政法人と公益法人を対象にした。役所の偉い人がたくさん給料をもらっているが、何をやってるのか分からない。そんなところに税金が使われている。何とかしろよ、というのが納税者の素朴な疑問。その疑問にこたえたい」 
――法人をどう整理するのですか。 
「独法については整理して統廃合する部分もでてくる。公益法人は民間法人なので勝手に統廃合はできないが、(政府が)法人に出すカネをなくすということだ」 
――独法はどの程度減らした方がいいと。 
「具体的に想定しているわけではないが、法人数は一定程度減らさないと仕分けをした成果として成り立たない」 
――法人が廃止されれば雇用の問題も出てくる。 
「理事らの雇用に気を使うつもりはない。被用者については考えないといけない」 
――公務員制度改革につなげていく考えか。 
「もちろん。独法も公益法人も天下りの出口。天下りで退職金を二重取り三重取りなんて馬鹿なことはさせない。その代わり定年までいてもらい、官としての仕事はちゃんとやってもらう」 
――労働組合は民主党にとって聖域では。 
「少なくとも私には聖域ではない。民間企業と同じように、リストラのやり方については労使交渉でちゃんとやり、激変緩和にも配慮する」 
――橋本内閣の行政改革で独法ができたが、評価は。 
「改革を迫られた時に『分かりました、じゃあ独法にします』という逃げ道だった。役所の利権とか天下りとか予算の削減がどの程度できたのかという検証が必要で、実は同じだったか焼け太りしていると評価している」 
――独法のどういう点が問題ですか。 
「『独法通則法』という共通の箱に押し込められ、硬直化している。事業の中にはいらないものもあるし、民間や地方に委ねるべきもの、国が直接関与すべきもの、国はカネは出すが口は出さなくていいという分野もある。仕事の性格ごとに違ったルールがあっていい。通則法をなくすこともかなり強い可能性としてある」 

研究機関の再編提言 
政府検討会 国の関与強化狙う 
国の研究機関の在り方を検討してきた政府のチーム(主査=鈴木寛文部科学副大臣、古川元久内閣府副大臣)は14日、研究開発に携わる38の独立行政人(独法)を再編し、国の意思をトップダウンで反映させる「国立研究開発機関(仮称)」を創設すべきだとする報告書をまとめた。鈴木文科副大臣は、今年秋にも法案化を目指す考えを示した。 
理化学研究所や宇宙航空研究開発機構など研究開発に関連する38独法には年間1.5兆円以上が投じられているが所管省庁ごとの縦割り構造が残り、重複や連携不足が指摘されてきた。23日から始まる事業仕分けの対象候補にも挙がっており、独法の見直し論議のたたき台となりそうだ。 
報告書は、独法を所管する内閣府、文科、総務など9府省の副大臣・政務官らがまとめた。
国の研究機関は、省庁直属の研究所以外にも、特殊法人や認可法人など様々な形態があった。これらが2001年以降に独法に移行した点について、報告書は、研究費配分や給与、人事で独自の運営が可能になったと一定の評価をした。一方で、省庁の縦割り構造が残り、国からの交付金の一律削減や人件費・業務の効率化が前提になっているため、国際的な競争のなかで研究開発を進めるには「なじまない面がある」と指摘した。 
このため、現行の独法を、研究分野や役割を考慮しながら整理・再編して、複数の「国立研究開発機関」に移行させるイメージを打ち出した。新たな機関に求められる機能として、①国の意思が直接反映できる②府省、官民、国境を超えた連携が可能③優秀な研究者を確保するためにより柔軟な給与・人事が可能④長期的な資金運営や契約ができる、などを挙げた。

「事務系副大臣」次官廃止し新設 
仙谷・国家戦略相検討 
仙谷由人国家戦略担当相は14日の衆院内閣委員会で、事務次官を廃止し、事務担当副大臣の創設を検討する意向を示した。今秋以降に本格化する公務員制度改革の第2弾で検討する考えだ。 
仙谷氏は「事務次官が行っている事務の統括を事務系副大臣が担うことを考えている」と答弁。仙谷氏は制限されている国家公務員への労働基本権の付与を認める方針で、政治任用された事務系副大臣が労使交渉の窓口になることを想定している。 
また、仙谷氏は同委員会で消費税増税について超党派で共通認識を作る協議機関設置が必要との考えを示した。