新・近江主義 湖動 地域医療再生の出発点 東近江市、中核病院に機湊病院組合 来年4月以降の指定管理者集約 公立3病院再編計画案



新・近江主義 湖動 地域医療再生の出発点 東近江市、中核病院に機能集約 公立3病院再編計画案 
2010.05.17 京都新聞  
  
東近江市は市内の公立3病院の再編計画案をまとめた。5月中に説明会などを開いて住民の意見を聞いた上で計画を決定し、再編に着手する。 
深刻な医師不足と公立病院の経営悪化にあえぐ地域医療の縮図とも言える同市の現状とまとまった計画案を検証した。(宇都寿) 

2市立病院縮小 住民に残る不安 

 再編の発端は臨床研修医制度の変更などに伴う医師不足だった。 
地方からの医師引き上げが一気に進み、蒲生、能登川の2市立病院では2006年度に24人いた常勤医師が現在は14人に激減した。 
診療科目は縮小され、手術や入院患者の受け入れも断らざるを得ず、経営悪化を招いた。 
2市立病院を合わせた医業収支の赤字は06年度の2億9500万円が、09年度には6億3100万円にまで膨らんだ。市は本年度、一般会計から約7億8400万円を市立病院の赤字補てんに当てた。 

研修センター設置 

 市はこれまでに市病院あり方検討会、市地域医療体制検討会などを開き、3月には中断していた市立病院等整備委員会を再開、計画案を策定した。 
案では国立病院機構滋賀病院の敷地内に320床の中核病院を設置し、2市立病院はその支援施設に位置づけ、病床数を大幅に減らすことにした。 
医師確保には、滋賀医大の寄付講座による研修センターを中核病院内に設ける。 

 西沢久夫市長は「蒲生、能登川の二つで議論していたのが、国立病院機構や滋賀医大が加わったことで、地域医療体制のあり方として大きな枠組みで見直せた」と話す。 

 市が想定するシミュレーションでは、2市立病院の医業収支は建物改修の減価償却費や繰入金を除くと、ともに4千万円の赤字にとどまる見込みという。 
国立病院機構は、医師不足を補い、病院を立て直すことになり、滋賀医大にとっては研修医や医学生の教育体制が充実し、付属病院以外の系列病院を持つという利点がそれぞれにあるという。 

 また、中核病院の2次救急患者の受け入れ体制が充実し、市民の救急患者の4割以上が近江八幡市立総合医療センターに搬送されている現状に、歯止めがかかる。 

 一方、市立病院の縮小に住民は不安を募らせている。整備委員会では、市民代表や市議から「今の状況で我慢すればいずれ医師も増えていくのでは」「診療所が一つしかない蒲生地区の病院の病床がゼロになっていいのか」などの意見が続出した。 
県医師会副会長の小鳥輝男委員長は「待っていても医師が増えることはない」と言い切り、再編計画の原案となった提言をまとめた。 

 今後、市は23日開催の市民説明会を経て計画を決定し、中核病院の13年度開院を目指すが、蒲生病院の病床数の確定や2市立病院の医師不足解消や診療科目の決定など課題は残っている。 

常勤医は今も激務 

 市立2病院の常勤医は今も毎月4~5回当直勤務に就くなど、地域住民の命を守るため、激務をこなしている。 
滋賀医大の柏木厚典副学長は「旧来の形でやっていくと、この数年間で持たなくなる。大変な状況であることを認識してもらいたい」と話す。 

 崩壊寸前の地域医療をどのように再生していくのか。今回の再編計画は、その出発にすぎないという共通認識が、今後の議論に欠かせない。 

  東近江市の公立病院再編計画案の骨子 

◆国立病院機構滋賀病院を中核病院に、能登川、蒲 生の2市立病院を支援施設とし、密接に連携する 

◆病床数は中核病院を320床に増床、能登川は60床、蒲生は60床か0床に減らす 

◆中核病院の運営は国立病院機構に委託する 

◆中核病院に滋賀医大の寄付講座による総合医療研 修センターを設け、医師を確保する 

◆2市立病院の診療科目は非常勤医師を活用して当 面、現行を維持する 

◆耐震基準を満たしていない蒲生病院は建て替える 


滋賀医大の分校”開設協定 「東近江センター」内に寄付講座=滋賀 
2010.06.25読売新聞   
  
東近江市と県、滋賀医科大、国立病院機構は、同機構・滋賀病院の敷地内で2013年度開院予定の「東近江総合医療センター(仮称)」=同市五智町=に、同医科大の寄付講座を開設する協定を結んだ。 
講師という形で同医科大から医師14人を派遣し、地域の医師不足解消を目指す。 

 設置される寄付講座は、1、2次医療に対応できる医師を育てる「総合内科学講座」と「総合外科学講座」。派遣医師は、医学生や研修医を指導しながら、同センターの常勤医として働く。人件費などは、4年間は国の地域医療再生交付金を充て、その後6年間は、市と国立病院機構が負担する。同医科大は11年度から順次、同病院内に寄付講座を開き、13年度の開院に備える予定。 

 市役所で行われた調印式には、西沢久夫市長や馬場忠雄・同医科大学長らが出席。 
西沢市長は「寄付講座は分かりやすく言うと、“滋賀医科大の分校”。 
医師を安定して、増やしてもらえる道筋ができた。(地域医療に対する)不安を解消していきたい」と話した。 


産婦人科も新設 東近江総合医療センター 市議会で基本計画案 
2010.09.22 中日新聞  
  
【滋賀県】深刻な医師不足を解消するため、東近江市が国立病院機構滋賀病院(同市五智町)、滋賀医科大(大津市)、県と連携して滋賀病院内に建設を計画している「国立病院機構東近江総合医療センター(仮称)」の施設整備基本計画案が、二十一日開かれた市議会の地域医療問題特別委員会で報告された。 

 同センターは、市内三公立病院再編を話し合う中で具体化。 
市内の二市立病院を縮小して後方支援施設とし、医師確保の手段として滋賀病院を二百二十床から三百二十床に増床し、急性期医療を中心とした中核病院として整備する。 

 特別委では、滋賀病院が作成した同センターの整備基本計画案を市が説明。新病棟の開設時期は二〇一三年四月。 
滋賀病院内に五階建ての新病棟(二百七十床)を建設し、残り五十床は既存の施設を活用する。 
診療科は総合内科など二十一診療科で、三公立病院にはなかった産婦人科も新設し、周産期医療にも対応する。 

 中核病院の整備費用は市が二十億円ほど負担する方針で、市は国立病院機構側と中核病院の整備及び運営に関する基本協定を年内に結びたい考えだ。(前嶋英則)