「市は病床維持へ3千万円上限に負担」夕張市医療で検討委員長、調整案示す



「市は病床維持へ3千万円上限に負担」 夕張市医療で検討委員長、調整案示す/北海道 
2010.01.21 北海道朝刊   
  

 夕張市の市立診療所・夕張医療センターの病床運営の赤字問題で、同市の初期救急医療体制等検討委員会の土居弘幸委員長(岡山大教授)は朝日新聞に対し、市とセンターに調整案を示したことを明らかにした。 
市の補助などを条件にセンターが医師らを確保して適切な医療を維持する内容で、「市は管理運営費の負担はしない」という協定書の改定が必要になる。 
市は病床維持が不可欠としてこれを受け入れ、18日に固めた財政再生計画の素案にも盛り込んだ。 

 市は財政破綻(はたん)を受けて2007年に171床の市立総合病院を廃止。 
19床の公設民営診療所として医療法人財団・夕張希望の杜(もり)(村上智彦理事長)が運営を引き継いだ。 

しかし、施設の老朽化などによって予想以上の光熱水費がかかり、病床運営でも年間5千万円近い赤字が出るとして病床閉鎖も検討している。 

 検討委は、地域医療に対する公的支援が困難な財政再建団体・夕張市での初期救急医療のあり方や、市内唯一の有床医療機関である市立診療所の病床利用について検討するため、昨年11月に設けられた。 
所長の田谷智医師や市内の各医療機関の代表、公認会計士らが参加している。 

 調整案では、経営努力も前提に「病床維持のため、市は3千万円を上限に負担する」としている。 
これに沿って市は財源として、地方交付税の算定基礎になっている病床維持分(年間2900万円)の補助を再生計画素案に盛り込んだ。 

 土居委員長は昨年2月、岩見沢保健所が提案した救急医療の広域連携案を重視。 
(1)岩見沢などの地域中核病院に救急入院した患者が、容体安定後は夕張市内に戻って療養を継続できるような「バックベッド」の用意 
(2)診療所の医師らが異動した場合にも必要な医療スタッフの補充確保――を希望の杜側に求めている。 

 住民の要望が強い夜間・休日の急病や初期救急への対応については「検討会で議論を進めて具体策を講じる」としているが、市側は1回2万8千円で年間120回分の時間外初期救急の費用負担を素案に計上し、医師会に協力を求めている。(本田雅和)