新病院新築の借金 30年で償還 市議会代表質問



新病院新築の借金 30年で償還 市議会代表質問 (小樽ジャーナル2010/06/07) 

 6月3日(木)に開会した小樽市議会第2回定例会で、7日(月)13:00から、共産党と自民党の2会派の代表質問が行われた。 

 与野党2会派からは、病院事業の不良債務解消分の繰出金4億円、基本設計費4,300万円、新病院建設計画について質疑が集中した。 

 並木昭義・病院局長は、新病院建設工事のための借金(病院事業債、過疎債)の償還には30年もかかると、佐藤禎洋議員(自民党)の質問で明らかにした。 
また、病院局は、10日(木)から始まる予算特別委員会に、起債額・起債償還を含む病院事業計画を示すことを、菊地葉子議員(共産党)の質問で答えた。 

 菊地議員は、「病院統合新築工事基本設計分として2,150万円、不良債務解消分として4億円計上されているが、今議会に補正をかけるのは何か特別な意味を持つのか。 
随意契約で引き続き久米設計に4,300万円で業務委託をするとしたが、建設場所も変わり、病床数など建物規模も大幅に変更の計画で、改めて一般競争入札にすべきというのが市民の意見だが。 

 起債額、起債償還と病院事業計画、こうした財政計画については一切提示されていない。
医師数、看護師数も含めた事業計画の審議も尽くさずに基本設計に白紙委任は出来ない。 
地元発注を基本にすると割高になるとの意見も聞くが、どういう形で発注を考えているのか。 

 現在の夜間急病センターを開設している済生会小樽病院は、他地域に新築移転を決めているが、今後も継続されるのか、あるいは新市立小樽病院で夜間急病センターを開設されるのか」と質した。 

 山田勝麿市長は、「22年度の不良債務解消は、これまでの国や道との協議で、起債許可を得るためにクリアすべき一つの条件。 
基本設計の予算を計上するにあたり、新病院建設に向けたトータルとしての議論が本格化することもあり、市としての方針についても併せて示し、両病院の職員のモチベーションを高め、経営改善をより一層促すためにも必要と判断した。 

 病院新築で、公共と民間の建設費の差が生じる要因としては、施設・設備の仕様と発注形態の違いによるものと考えている。 
主に基本設計の中で検討されるが、階高や窓の大きさ外壁の材質など施設的なものや、空調設備の仕様など設備的なものをどう選択するかによって差が生じる。 

 公共事業の一般的な発注方式は、建築主体工事、電気設備工事、機械設備工事など、それぞれの専門業者に分離発注しており、各専門分野について、責任施工がなされることや下請け業者への適正な契約が促されること、また、受注機会の拡大になるなどのメリットがある一方で、それぞれの工事に経費がかかるため、一括発注する場合に比べ割高になる。 
民間工事は、設計段階から建築・電気・設備工事を一括でゼネコンなどに発注することを予定出来ることから、材料費や諸経費の削減が図られ、公共工事よりも低価格になる。 

 地元企業への発注は、一般的には、工事内容による分離発注、地元業者も含めたJVへの発注などが考えられるが、今後、基本設計を行っていく中で、設計者から発注方法などの提案がされるので、それについて議会へ報告し、十分審議を頂いた上で判断したい」と答弁した。 

 並木局長は、「今回の基本設計費は、北海道の設計積算基準を準用して算定した結果、4,000万円となるほか、地質調査1,400万円、測量調査200万円、テレビ受信障害予測調査を60万円と算定し、この合計額に消費税を含めた設計概算額は5,943万円となるが、随意契約を予定していることから、前回の契約時の決定率を考慮して4,300万円の予算を計上した。 
設計条件が変更になったことに伴い基本設計費は若干の手戻りが必要なことのほか、支持地盤が深く地質調査が増額となったこと、新たに測量調査を行うことから増額となった。 
新病院の財政計画ですが、現段階の試算ですが、本会議中に、一定程度資料として提出したいと考えている」と答えた。 

 佐藤議員は、「今定例会での病院支援分としての4億円計上は、総務省通知の繰出基準と合致しているのか。 

病院建設のための起債は、どの起債を考えているのか。それぞれの割合も合わせて、返済期間が最長で何年かかるのか、返済割合はどのように試算しているのか。 

 前回の基本設計は無駄にならないのか。 
どの部分が生かされるのか。 
これからの作業スケジュールと、基本設計終了時点で確定されることは今後の議論で修正可能か。 
改革プランの再編ネットワーク化協議会で、医療環境が大きく変更される場合は、協議会の存続が必要としているが、新市立病院計画概要案は、協議会で議論されるのか。協議会以外で議論もされるのか。 

 前計画よりもダウンサイジングはしているが、規模から見ても、精神は5分の1という構成。 
さらに少ない病床数でも考えられないわけではないが、計画が適切であることを示して下さい」と質した。 

 並木局長は、「今定例会に上程している4億円の繰入金は、小樽市立病院改革プランでは、平成20年度から24年度までの間、収支不足解消のため一般会計から財政支援として総務省通知の繰出基準外の繰入を行うことにしている。 
今回についても、平成22年度末での不良債務解消のため、基準外の追加繰入れをする。 

 病院建設に係る起債ですが、病院事業債と過疎債を50%ずつ充当する計画であります。 
返済期間については、工事等に係る起債は、病院事業債、過疎債とも 30年償還、医療機器に係る起債は、病院事業債が5年償還、過疎債は12年償還となっている。また、起債全体の実質的な負担割合は、現段階では、交付税措置が46.25%、一般会計の実負担は13.75%、病院会計の負担は40%と試算している。 

 前回の基本設計を中断した時点で、建物の配置計画や各階の平面計画をまとめる段階まで進捗していた。 
今回、業務再開にあたり、規模・機能が見直しになったこと、建設地が変更になったことで、前回の図面をそのままで利用することは出来ない。 
平面計画を検討する上で協議・調整した基本的な考え方は、今回の基本計画に活用出来るものと考えており、建物配置や平面計画などを今回の建設地に合わせて修正を行うことで対応出来ると考えている。 

 作業スケジュールは、契約後、設計受託者との調整が必要となるが、おおよそのイメージでは、規模・機能が見直しになったこと、建設地が変更になったことに伴う与条件整理から始めて、平面プランとなる基本計画案の作成を今年の秋までに行い、年内中に、より詳細な基本設計案をとりまとめ、年明けから建設費の概算を行い、成果品作成を契約工期予定の来年2月末までに完了する予定。 

 基本設計終了時点で確定されることは、建物規模や構造・工法、また、配置、平面、断面計画など設計の根幹となる部分や冷暖房設備、主電源設備など。その後は、法的に変更が出来ない部分を除き、配置や間取りの軽微な変更などは実施設計の段階でも必要に応じ修正可能と考えている。 

 計画概要案の新病院の規模・機能については、再編ネットワーク化協議会の最終報告を基本として、病院局で決定しまとめた。その過程において、小樽市医師会の役員会や再編・ネットワーク化協議会のメンバーであった公的病院の院長の方々には素案を示し、考え方を話している。 
今後は、近日中に医師会の理事会の皆さんにも、私と両市立病院長とで、この計画概要案を説明する機会を設けることにしており、さらにご意見を伺ってまいりたい。 

 病床数ですが、小樽市の総人口は減少するものの、有病率の高い65歳以上の人口は、10年後の平成32年には4万5,000人、15年後の平成37年でも約4万2,000人で、市立病院で担う、脳・神経疾患や心・血管疾患、がん診療などの医療ニーズは高い状況が続くと予想されるので、そのニーズに対応することを基本に考える必要がある。 
再編ネットワーク化協議会の最終報告で、概ね400床程度にダウンサイジングするとされていることから、その方向性に沿って検討した」と答弁した。 

 8日(火)は、公明・千葉美幸、民主市民・山口保、平成・成田祐樹の3議員が代表質問を行う。 




2009年度病院事業決算 当初計画より4.7億円減 (小樽ジャーナル2010/06/07) 

 2009(平成21)年度の小樽市病院事業会計決算見込みが、6月7日(月)に開かれた小樽市議会第2回定例会で明らかになった。 

 並木昭義・病院局長は、両病院合わせての収益的収支では4億500万円の黒字となったが、改革プランの収支計画では8億7,900万円の黒字を見込んでおり、計画よりも4億7,400万円下回る結果となったことを、市議会の質疑の中で明らかにした。 

 病院局によると、2009(平成21)年度の両病院合計の診療収入は、改革プランでは81億8,800万円だったが、6月1日現在の試算で73億 1,468万4,000円となり、8億7,331万6,000円も大幅に減少している。こちら 

 このため、同プランでは不良債務を5億6,400万円に減らす予定だったが、決算見込みでは11億6,300万円に膨らみ、5億9,900万円も悪化した。 
「小樽病院で、呼吸器内科などの医師5名が減少したことで収益減が発生したことが要因」としている。 

 患者1人1日当たりの収入額は、入院では、目標37,196円に対し、37,876円で680円の増。 
外来では、目標14,301円に対し、15,601円で1,300円の増となった。 

 しかし、1日平均入院患者数は、目標397人に対し、340人で57人の減。1日平均外来患者数は、目標805人に対し、693人で112人の減で、それぞれ目標を下回り、収支に影響した。 

 全体の病床利用率では、目標70%以上に対し、61.7%で8.3ポイントの減となった。 
しかし、「許可病床数を870床から445床に削減した後の7月~3月までの病床利用率は76.2%となっており目標を上回っております」と、言い訳している。 

 経常収支比率は、目標99.8%に対し、決算見込みで94.5%と5.3ポイント減。 
医業収支比率は、目標96.7%に対し90.6%で6.1ポイント減少した。不良債務比率は、目標6.6%に対し、15.2%で、8.6ポイントの悪化となった。 

 並木局長は、「平成21年度の改革プランと決算見込との乖離は、主に患者数減によるものであり、これは、医師の補充が計画どおり出来なかったことが、主な要因」と述べた。