北秋田市の岸部陞市長 ―公設民営のメリットは何か。市による指定管理者への赤字補てんは行うのか?



北秋田市の岸部陞市長          
 ―公設民営のメリットは何か。市による指定管理者への赤字補てんは行うのか? 

「民間の経営感覚を生かした運営ができ、公立病院向けの交付税を受けられる非常によい手法。市はこの交付税を指定管理料として指定管理者の厚生連に提供する。一般財源からの赤字補てんは考えていない。」     
  
    
<病院再編>北秋田の現場から(5・完) [岸部市長に聞く] 病診連携の実現が鍵 非効率な医療、改善可能 
2009.03.05 秋田魁新報社  
  


<病院再編>北秋田の現場から

[岸部市長に聞く] 


病診連携の実現が鍵 

非効率な医療、改善可能 

 北秋中央、公立米内沢、市立阿仁の三病院統合と高度医療を提供する新病院の建設を公約に掲げ、地域医療再編を推進してきたのが北秋田市の岸部陞市長。病院再編の目的や現状、今後の展望について聞いた。 

 
―病院再編の目的は。 

 岸部 地域住民が入院する際、その半数が市外に流出しているという現状を改善したいと思った。現行の医療制度では、北秋中央や公立米内沢、市立阿仁のような中小規模の自治体病院の健全経営は難しい。三つを統合して三百床規模の中核病院を設け、医療機器を充実させることで、研修医を含めた医師の受け入れ態勢を整えるのが狙いだ。入院患者を見舞う家族の負担も軽減できる。 

 ―身近な病院の縮小に住民から不安の声もある。 

 岸部 米内沢や阿仁の病院の規模縮小は事実で、気持ちはよく分かる。ただ、市全体として十分な地域医療を保つために再編は必要だ。両方とも欠かせない医療機関で、縮小はしても必ず残さなければいけないと考えている。 

 ―公設民営のメリットは何か。市による指定管理者への赤字補てんは行うのか。 

 岸部 民間の経営感覚を生かした運営ができ、公立病院向けの交付税を受けられる非常によい手法。市はこの交付税を指定管理料として指定管理者の厚生連に提供する。一般財源からの赤字補てんは考えていない。 

 ―医師不足で当初の病院再編構想が次々と変更を余儀なくされている。 

 岸部 医師が不足しているのは事実。引き続き、よい医師を招聘(しょうへい)できるよう努める。変更は国の政策に合わせて対応してきたためで、構想が破綻(はたん)したとは思っていない。入院患者を中心に診る中核病院と、地域の一次医療機関で役割分担する「病診分離・病診連携」を進めていくとの方針に変わりはない。 

 
―北秋田医療圏のあるべき地域医療の形とは。 

 岸部 病診分離・病診連携を実現すれば、「一時間待ちで診療三分」に例えられる今の非効率な医療を改善できる。北秋田医療圏は開業医と病院の協力関係があり、地域の規模にも合ったスタイルだ。うまく実践できると考えている。 

 ―今後の取り組みは。 

 岸部 可能ならば、市長を辞めた後も新病院の運営が軌道に乗るよう、何らかの形で手伝いたいと思っている。 

 (鷹巣支局・遠藤卓之)