「独法化は、"公的医療からの途中下車"であるという事実に私たちは気づかなければならない」 塩谷泰一・徳島県病院事業管理者の警告に 異議あり!



「独法化は、“公的医療からの途中下車”であるという事実に私たちは気づかなければならない」    
塩谷泰一・徳島県病院事業管理者の警告に 異議あり!


山形県・酒田市病院機構や那覇市民病院が独法化で公的医療をますます充実させている事をご存じないようである。又社会医療法人が救急医療を義務化されており 条件違反で取り消されることもご存じないようである。民間病院が不採算医療をになっていることに言及していない 
多くの公立病院が既に公的医療を放棄していることに触れないのはなぜか?公共性を無視していきなり廃院するような公立病院を阻止するのがガイドラインである 
ガイドラインQ&Aでは地方独立行政法人化や指定管理者制度の導入等については人事、予算、契約等の取扱いにおいて制度的な制約が取り払われ、弾力的な事業運営が可能になるという利点があるので、この点も含めて検討を進めていただきたい・・・と言っているのであって 
、病院の赤字を問題視する観点から独法化を提案しているわけではない。 
税金投入零で逆に医療の質が向上した 愛知県国保東栄病院に触れないのは 甘えの構造から脱却できていない思考停止状況と言わざるを得ない 



[地域医療のカルテ](23)/第2部 徳島の挑戦/(9)インタビュー(上)/独法化で“公”犠牲に/根拠法外れ 経営偏重 
2009.03.01沖縄タイムス社 
   
 公立病院の赤字問題に対応するため、国は病院の再編・民営化を促進する「公立病院改革ガイドライン」を打ち出している。ガイドラインに先立ち2005年度から県立病院改革を本格化させている徳島県を取材した。改革の指揮を執る塩谷泰一県病院事業管理者に、公立病院の課題と、ガイドラインの影響について聞いた。 

 ―なぜ今、公立病院の改革が必要なのか。 

 「自治体病院の公共性と経済性のかねあい、バランスをどうするかが改革の焦点だ。住民が『そこまでやっていただいているなら赤字で結構です』と言っていただけるような医療を自治体病院がこれまできちんとやってきたのかが問われている」「全国には現在、約1000カ所の自治体病院があり、そこに年間7000億円の税金が投入されている。一方で全国の自治体病院の累積赤字は約2兆円、不良債務は1000億円に上る。民間病院は税金を払いながら医療を提供している。利用者である住民から見て、税金が投入された医療と税金を払いながら提供される医療との違いが見えなくなってきたところに、改革の必要性があった」 

 ―公立と独立行政法人の違いは何か。 

 「自治体病院の職員には、『公務員は全体の奉仕者でなければならない』とする地方公務員法第30条が適用される。価値観が崩壊した世の中で、住民のために一生懸命に仕事することと病院職員の行動指針が法律で明確に定められているのは自治体病院だけだ。同法の存在が公的医療を維持する根拠であり、自治体病院の存在意義でもある」 

 ―独法化で懸念されることは何か。 

 「一つ目の理由は、前述した病院職員の行動指針が法律で定められていないこと。公立病院には、医療の公共性と経済性のバランスの根本に地方公務員法がある。一方、同法の適用を受けない独法化では、病院が破綻するかどうかの瀬戸際にある場合、公的医療をいくらか犠牲にするという判断が出る可能性がある。公共性を百パーセント追求することは難しい」 

 「二つ目の理由は自治体病院の独法化が、病院の赤字を問題視する観点から提案されているということにある。そこで問題にされているのは病院経営であり、医療の質ではない。独法化で経営が良くならなかった場合はどうなるのか。議論の先には民間移譲があり、公的医療は先細りするばかりだ。独法化は、“公的医療からの途中下車”であるという事実に私たちは気づかなければならない」(社会部・黒島美奈子)(この企画は木―日に掲載します) 



以下 ガイドラインQ&A 

(4)経営形態の見直し 

① 経営形態の見直しに係る計画の明記 
Q48 
ガイドラインは公立病院(黒字赤字関係なく)全てが経営形態の見直しを強いられると受け取れるが如何。 

A48 ガイドラインは法的な強制力を伴うものではないが、現在黒字経営の病院といえども将来にわたって順調な経営状況が持続する保障はない以上、病院経営の更なる改善を目指して、経営形態の見直しを含む改革プランの策定に取り組んでいただきたい。例えば、一般行政部門と同様の人事・組織統制に服する中では経営環境の変化に対応して迅速かつ弾力的に職員の増員を図ったり、職員のモチベーションを高めるための給与体系を採用したりすることには限界があり、経営の自律性向上に向けた経営形態の見直しを検討することは不可避であると思料。 

② 経営形態の見直しに係る選択肢と留意事項 
Q49 
経営形態の見直しに関して考えられる選択肢には、「地方独立行政法人化(公務員型)」は想定されていないのか。 

A49 
①「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」では、地方公営企業について一般(非公務員型)地方独立行政法人への移行を推進するとされていること、 
②これまで病院事業について公務員型地方独立行政法人の設立許可が行われているのは、いわゆる医療観察法(『心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律』)第16条に基づく指定入院医療機関の指定を受ける関係上、特定(公務員型)地方独立行政法人であることが必要な場合に限定されていることを踏まえ、本ガイドラインでは「地方独立行政法人化(公務員型)」は基本的に想定していない。 

Q50 
地方独立行政法人化、指定管理者制度導入など、経営形態を変えることにより経営状況が改善されるのか。 

A50 経営形態の如何に関わらず、人事・予算等に係る実質的な権限が新たな経営責任者に付与される一方、結果に対する評価・責任も経営責任者に帰することとなるよう、運用上十分に配慮することが必要。 
その上で例えば地方独立行政法人化や指定管理者制度の導入等については人事、予算、契約等の取扱いにおいて制度的な制約が取り払われ、弾力的な事業運営が可能になるという利点があるので、この点も含めて検討を進めていただきたい。