改革プラン策定が遅れる理由「関係者間の調整が進まない」「自治体財政が厳しく先が見通せない」「医師が確保できるか不透明」・・・



改革プラン策定が遅れる理由「関係者間の調整が進まない」「自治体財政が厳しく先が見通せない」「医師が確保できるか不透明」・・・ 


茨城県内市町村立7病院 医師足りず収益見込めぬ 改革プラン難航 
2009.02.16茨城新聞
  
  

■来月期限も策定まだ 

総務省が三月末までの策定を求める公立病院の「改革プラン」の策定作業が難航している。県内市町村立の七病院では笠間市立病院が素案を公表したのみ。総務省は三年以内の黒字化や経営形態見直しを盛り込むよう求めるが、公立病院側は「収益の大前提は医師確保。国はそこまで面倒を見てくれない」と難題に頭を悩ませている。改革は“待ったなし”だが、残された時間は少ない。 

県内の市町村立病院は▽北茨城市立総合病院▽笠間市立病院▽つくば市立病院▽筑西市民病院▽小美玉市医療センター▽東海村立東海病院▽県西総合病院(桜川市。同市と筑西市の事務組合が運営)-の七病院。 

総務省は二〇〇七年十二月策定の「公立病院改革ガイドライン」に基づき(1)黒字化に向けた経営の数値目標(2)病院の再編・ネットワーク化(3)経営形態の見直し-を盛り込んだ改革プラン策定を要請した。公立病院は全国で七割が赤字。悪化する地方財政を立て直すため、同省は経営健全化と果たすべき役割の明確化を求める。 

公立病院は医師不足による患者減少や診療報酬引き下げなどで経営が悪化し、多額の繰入金が市町村財政の重荷となっている一方で、その存在は地域医療の“頼みの綱”だ。 

笠間市立病院は、市内の総合病院・県立中央病院との連携や高齢者医療を中心に、入院患者を増やして黒字化を図る素案を公表。パブリックコメント(意見公募)の手続きに入った。プランについて七病院はいずれも「三月中には策定する」としているが、正式決定したところはない。 

総務省は病院の「再編・ネットワーク化」について全県的な計画策定を都道府県に求めている。しかし、県の計画策定もいまだ公表されていない。 

市町村側は「プランの押し付けは市町村合併と似ている」と受け止めるが、「平成の大合併」の呼び水となった合併特例債のような“アメ”はない。医師を派遣する大学が病院によって違うこともあり、病院再編の動きは鈍い。 

プラン策定が遅れる理由を市町村側は「関係者間の調整が進まない」「自治体財政が厳しく先が見通せない」「医師が確保できるか不透明」などと語り、国の方針と現場の実態とのずれをうかがわせる。ある病院の事務職員は「公立病院の経営は確かに甘かった。だが、医療を金だけで議論していいのか」と話す。 

県によると、市町村立病院の累積欠損金(赤字)は〇七年度、七病院合計で約七十六億円に上る。〇二年度から五年で二十八億円余り増えた。 

累積剰余金(黒字)状態なのは〇六年五月に指定管理者制度を導入した東海村立東海病院だけ。累積赤字が最も多いのは民間移譲の方針が出された筑西市民病院で約二十七億円。県北臨海部の医療を支える北茨城市立総合病院が約二十四億円、県西総合病院が約十五億円で続く。