民営化遅延、混迷の榛原総合病院 追加財政支援が不可避-牧之原市吉田町、見えない将来像



民営化遅延、混迷の榛原総合病院 追加財政支援が不可避-牧之原市吉田町、見えない将来像 
2009.12.28   

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 1月に予定していた榛原総合病院(牧之原市細江)の公設民営化が来春に遅延した影響で運転資金が枯渇、一部事務組合を構成し病院を運営する同市、吉田町が、今月初めに拠出した7億8千万円の財政支援に続き、本年度3度目となる追加支援が避けられない状況であることが27日、分かった。再度、指定管理制度移行までの運転資金に充てられる見通し。いまだ見通せない病院経営の将来像を含め、両市町による支援の在り方が議論となるのは必至だ。 

 経営再建の切り札として指定管理者制度移行の方針が6月に示されてから半年。再建の願いとは裏腹に医師の流出は止まらず、医業収益が落ち込む一方、退職手当など支出は増加する悪循環が病院経営を圧迫している。 

 病院は2006年度までに実施した病棟の免震化などを図る増改築工事に伴い、約168億円(08年度末)の債務償還残高を抱える。06年度に内部留保資金が底をついた結果、両市町による病院関連の負担金は07年度約15億円、08年度約20億円、09年度は12月までで既に約27億円に膨らんだ。特に牧之原市の財政調整基金は13億円(08年度末)から約4億4千万円に減り、病院関連の負担金総額は当初予算ベースで10%近くを占めている。 

 市は当初、指定管理者制度への移行目標を今年9月に設定。だが、7月の公募締め切りまでに手を挙げた医療法人はなく、その後に応募を検討した医療法人「徳洲会」(本部・東京)と個別交渉に入った。来年1月をめどに移行協議を進めたものの、民営化は来年3月か4月にずれ込むことが判明。市によると、徳洲会グループ再編に伴う国への定款変更手続きなどが理由という。 

 西原茂樹市長は10月の市長選2期目出馬時のマニフェストに「来年中に100床規模の老人保健施設を院内設置する」と明記。しかし、徳洲会と調印に至らない現状から「不確定な情報が出ると、利害関係者に影響を与える」と説明し、民営化後の診療体制など詳細な交渉内容を明らかにしていない。 

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 ■医師減、患者離れも 

 榛原総合病院の指定管理移行時期が先送りされる間、今月も常勤医11人が退職するなど診療体制は大幅に縮小され、近隣病院にも影響が出始めた。 

 4月に41人いた医師は来年1月には21人と半減する見込み。看護師は4月の207人から11月までに137人に減少。12月に新規の救急患者受け入れを原則休止したほか、年始から小児科と形成外科を休診するなど多くの診療科で縮小を余儀なくされている。入院、外来収益の落ち込みは避けられず、「職員定数条例の改正など経費削減を進めたが、厳しい見通し」と市の関係者は頭を抱える。 

 地元住民の間では隣接地域の病院へ足を運ぶケースが目立ってきた。島田市民病院は外来患者だけでも今年1月と比べて2倍近く増え、「医師や看護師の疲弊を助長している」との指摘もある。救急医療体制の再構築も含め、藤枝、焼津など隣市の公立病院への影響を懸念する医療関係者もいて、榛原総合病院の経営悪化は志太榛原地域の医療圏域全体の問題に発展する可能性も出てきた。