北海道夕張市 夕張希望の杜 理事長 村上医師の実践を行政刷新会議第2WGで高く評価させていただきました・・「介護施設入所者の歯磨きを徹底。




北海道夕張市 夕張希望の杜 理事長 村上医師の実践を行政刷新会議第2WGで高く評価させていただきました・・「介護施設入所者の歯磨きを徹底。
歯周病予防に取り組んで食欲を高めた結果、この1年の肺炎患者がゼロだった例を紹介。「高齢者が働き続けられれば、医療費も抑制できる。必要なのは医療より生きがいで、健康意識を高めることが大切」と、予防医療の重要性を訴えた。」http://www.city.yubari.lg.jp/contents/municipal/rebuilding/documents/1223347830.pdf 


宮崎県/「高齢者が働ける地域に」 夕張市・村上医師が延岡で講演 予防医療の重要性訴え/南九州ワイド 
2009.12.21 西日本新聞社 
  
  財政再建団体となった北海道夕張市で地域医療改革に取り組む村上智彦医師(48)の講演会が19日、宮崎県延岡市東本小路の野口記念館で開かれた。延岡市など宮崎県北部では医師不足が深刻化しており、約700人が聴講した。 
村上医師は旧夕張市立総合病院を運営する医療法人財団「夕張希望の杜(もり)」理事長。同病院を19床の診療所と40床の介護老人保健施設に分割し、20床以上の病院に分配される交付金を辞退。予防医療や在宅医療を進めて注目され、「地域医療のカリスマ」と呼ばれる。 
村上医師は介護施設入所者の歯磨きを徹底。歯周病予防に取り組んで食欲を高めた結果、この1年の肺炎患者がゼロだった例を紹介。「高齢者が働き続けられれば、医療費も抑制できる。必要なのは医療より生きがいで、健康意識を高めることが大切」と、予防医療の重要性を訴えた。 
また、医師不足の現状について「これまでの地域医療は医師個人の犠牲で成り立っており、そういう地域に次の医師は行けない。住民にも医師を育てる意識を持ってほしい」と話した。 


時代を駆ける:村上智彦/1 地域医療再生託され、財政破綻の夕張に(2009.12.21毎日新聞)  
  
<自治体の破綻(はたん)として06年6月に発覚し、全国に衝撃を与えた北海道夕張市。約40億円の赤字を抱えた市立総合病院も、医師3人のぎりぎりの態勢から、さらに1人辞職。市内唯一だった透析治療も廃止され、夕張の医療は崩壊寸前に追い込まれた。そこで白羽の矢が立ったのが、地域医療の専門家として知られていた村上さんだ。同12月、妻と子供3人を札幌に残し、単身、乗り込んだ> 

 「夕張なんかに行ってもいいことない」って周囲から反対された。しかし、市立総合病院の経営診断をした病院経営アドバイザーの伊関(友伸・城西大学経営学部准教授)さんから、「北海道の恥部は北海道人がなんとかしなきゃ」と説得されてね。夕張市の高齢化率(全住民のうち65歳以上が占める割合)は全国の市で最高の41%もある。夕張は数十年後の日本のモデルなんだよ。ここで(地域医療を再生)できたら、よそでもできると考えた。 

 <市は翌年3月、財政再建団体に指定され、353億円を18年かけて返済することになった。市立総合病院も4月、市立診療所に格下げされ、171床のベッド数は19床に。「市立」とは名ばかりの「公設民営」方式。市が施設を保有し、村上さんは医療法人財団「夕張希望の杜(もり)」を設立、理事長として運営を引き受けた。寝たきり老人らの介護、治療を行う老人保健施設(老健、40床)も併設した。応援を含めて医師2人だけの悪戦苦闘の日々が始まった> 

 法人設立のために個人で1億円借金をした。夕張に来て、いきなり借金生活だよ。築36年の病棟も状態が悪くてね、レントゲン室が雨漏りして窓枠が壊れていた。建物の暖房は全館一括方式だから効率が悪く、水道光熱費もばかにならない。 

 診療所と老健の年間経費は4000万~5000万円かかる。往診や外来は黒字だけど、入院病棟と老健は赤字、トータルの収支は辛うじてトントンだ。職員や看護師は老健を含めて80人いるけど、昇給なし、ボーナスはゼロ。非情だよ。 

 <病院施設の改修などを求めても、なかなか応じない市が今年、市職員給与のカット率を緩和するとして、18年間の財政再生計画に人件費として総額57億円を計上しようとした。北海道庁の反対で頓挫したが、村上さんは怒った> 

 建物の修繕費も「財政再建団体だから支援できない」と言われ、こっちは病院の職員に時間外給与も満足に払えない中で頑張っている。市の財政が厳しいのは分かるけど、計画を聞いた時は「冗談じゃない」って思ったね。財政再建団体だろうと地域医療を守るのは行政の責任なんだ。 

 <診療所の医師は5人まで増えた。病院経営立て直しの切り札が在宅医療の推進だ。村上さんを先頭に、週のうち2日は自ら車を運転し、半日に10軒程度回る。訪問先では高齢者の身の上話に耳を傾け、部屋が片づいているかどうかなど生活環境にも目を配る。心をケアし、患者が規則正しい生活を送っているのかチェックできるのも在宅医療のメリットだ> 

 入院はお金がかかる。医師が体一つで出かけていったほうが割がいいでしょ。安上がりで質の高い医療ができ、夕張に適している。「家で死にたい」と言う高齢者の希望をかなえられるしね。 

 市立総合病院時代、在宅医療はゼロだったが、今は約90件。1人の患者に月に2回ほど回る。医師のほかに薬剤師や歯科医、リハビリの先生も回る。今、看護師14人で入院患者は4人だけど、仮に在宅の90人を病院で受け入れたら、薬剤師らを含め、さらに50人程度必要になる。こうした人件費は大きい。 

 病棟の看護師が24時間電話を受け、必要なら医者が行く。夕張に大きな病院はもうない。でも「いつでも先生が来てくれる」という安心感は与えられていると思う。 



 ■人物略歴 

 ◇むらかみ・ともひこ 

 内科医。61年3月北海道歌登(うたのぼり)村(現枝幸(えさし)町)生まれ。86年北海道薬科大大学院を修了し薬剤師に。87年、医師に転身するため金沢医科大医学部に入り、卒業後は自治医大、岩手県藤沢町の町民病院などで地域医療を学ぶ。北海道瀬棚町(現せたな町)国保医科診療所所長などを経て07年4月、医療法人財団「夕張希望の杜」理事長として夕張市立診療所所長に。今年所長職は後進に譲った。