医療材料の国内外価格差等に関する質問主意書




医療材料の国内外価格差等に関する質問主意書 

提出者  江田憲司(平成二十一年四月十三日提出) 


一 PTCA(経皮的冠動脈形成術)カテーテルや、ペースメーカーなどに代表される、医療材料の日本国内と海外の価格差につき、日米価格に係る統計に関しては公正取引委員会による二〇〇四年統計、その他イギリス・ドイツ等も含めた資料については、一九九七年の医療経済研究機構による統計まで遡らないと比較資料がないとのことであったが、なぜ現状を直近時点で把握していないのか。 

医療材料の適正価格を把握し、今後増大する医療費の抑制を図っていくためには、医療材料の国内外価格差についての現状把握は不可欠だと考えるが、政府の見解如何。 

二 一を踏まえ、二〇〇四年の公正取引委員会調査によれば、PTCAカテーテルにおいて、日本の価格は十七・二万円、それに対してアメリカの価格は約八・一万円となっており、内外価格差はおよそ二・一倍、ペースメーカーについては、日本における価格は百三十三万円、アメリカの価格は八十三・二万円となっており、内外価格差はおよそ一・六倍と、いずれも大きな価格差がある。 
欧米に比し、日本の医療材料の価格が高価になっているのはなぜか。 

三 二に関連し、高価格の要因が日本特有の問題であるならば、欧米における医療機器、材料メーカーと医療機関との関係等の現状を、どう把握しているか。 
日本における流通の特殊性等と対比し、わかりやすく説明されたい。 

四 今後、日本における特殊な流通体系を適正化するため、メーカー等の企業や医療機関に対し、政府として、どのような助言・指導・監督等の是正策を講じていくのか。 
あるいは今の現状を指をくわえて放置しておくのか。政府の見解如何。 

五 日本におけるPTCAカテーテル・冠動脈ステント及びペースメーカーなどの医療材料の価格を厚生労働省に問い合わせたところ、その価格については「保険償還価格」という名目で価格が表示されており、医療材料そのものの原価については、保険償還価格決定を行う際に企業から提出はされているものの、内容については公開をされないこととなっているとの回答であったが、原価を非公開とする理由如何。 
 また、実際の機器の価格が明確にされなければ、「保険償還価格」が適正な価格であるか否かにつき、客観的に判断することが難しいため、この際、原価についても公表すべきと考えるが見解如何。 

 右質問する。 


内閣総理大臣 麻生太郎 

       衆議院議長 河野洋平 殿 

衆議院議員江田憲司君提出医療材料の国内外価格差等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。(平成二十一年四月二十一日) 


一について 

 厚生労働省としては、厳しい医療保険財政の状況下において、保険医療材料の内外価格差の是正に向けた取組が必要であると考えており、毎年度、保険医療材料の製造販売業者に対し、当該保険医療材料の外国価格についての報告を求めているところである。 
また、保険医療材料の保険償還価格を設定する際には、当該保険医療材料の製造販売業者に対し、英国、米国、ドイツ、フランスにおける当該保険医療材料の価格等に関する情報の提供を求めているところである。 

二について 

 公正取引委員会が平成十七年に公表した「医療機器の流通実態に関する調査報告書」においては、PTCAカテーテル及びペースメーカーの内外価格差の要因として、医療機関の専門化・集約化が米国と比べて進んでいないことから流通に要する費用が高くなっていること、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)上の承認に要する期間が米国等と比べて長くその分の費用負担が大きいこと等が指摘されている。 

三について 

 厚生労働省としては、御指摘の現状については把握していないが、今後、内外価格差の是正についての検討を行う中で、カナダ、スウェーデン等における医療機器の流通実態を調査することとしている。 

四について 

 厚生労働省としては、平成二十年十二月から、医療関係者、医療機器製造業界・流通業界の代表者等で構成する「医療機器の流通改善に関する懇談会」において、医療機器の流通過程の現状分析や、公的医療保険制度下における不適切な取引慣行の是正等についての検討を行っているところであり、同懇談会での議論を踏まえ、必要な対応を図ってまいりたい。 

五について 

 厚生労働省としては、保険医療材料の保険償還価格の適正性を確保するため、学識経験者で構成される委員会において、必要な検討を行っているところである。 
御指摘の保険医療材料の原価に関する情報については、保険償還価格を決定する段階で当該保険医療材料の製造販売業者の名称が明らかになっており、これを公にすることにより当該製造販売業者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることから、一律に公表することは困難である。