高知医療センター、PFI解約で基本合意 全国の自治体病院で初めてPFI方式を導入し高知医療センターを運営する高知県・高知市病院企業団は26日、委託した特定目的会社「高知医療ピーエフアイ」と契約解除で基本合意!



高知医療センター、PFI解約で基本合意 
全国の自治体病院で初めてPFI方式を導入し高知医療センターを運営する高知県・高知市病院企業団は26日、委託した特定目的会社「高知医療ピーエフアイ」と契約解除で基本合意! 
11億円の契約保証金を高知ピーエフアイに返還。病院建設などで高知ピーエフアイが調達した資金の残高約135億円は企業債に借り換える。一括償還に伴い企業団は新たに5億2700万円を負担するが、協力金名目で今年度のマネジメント料など約4億5000万円を高知ピーエフアイから受け取ることで実質的な負担は7700万円 

  
高知医療センターPFI 年度内解約へ 
2009年11月27日ashi・com 

 高知医療センターを運営する県・高知市病院企業団の議員協議会が26日、高知市池の同センターであった。センターの運営業務を委託している特別目的会社(SPC)との間で進めてきた解約協議について、条件がまとまったため、年度内に解約する方針が報告され、了承された。解約に伴い、企業団は補償金として、実質的に7700万円を負担するが、県や市の負担は生じないとしている。 


 高知医療センターは県立中央病院と市民病院を統合し、2005年3月に開院。民間の資金やノウハウを公共施設の建設や運営に活用するPFI方式を採用し、SPCの「高知医療ピーエフアイ」に業務委託した。計画では、30年間にわたる包括的な委託で、経営の効率化を図る予定だった。 


 しかし、実際は収支に占める材料費の比率が高止まりし、08年度には資金不足のうちの7億6200万円を県や市の借入金で穴埋めした。その後、同企業団は経営改善が難しいと判断し、今年7月からSPCと解約のための協議を続けていた。 


 今回の解約で、SPCが建設費として民間から調達した約135億円は、企業団が企業債を発行して返済する。 


 また、SPCへの補償金として10億1500万円の支払いが生じるが、そのうちの4億8800万円をSPCの中核企業のオリックスが放棄する。このため、残る5億2700万円を支払うことになる。ただ、SPCは企業団に経営協力金として4億5千万円を寄付するため、実質的な負担額は7700万円になる。 


 企業団はこれまでSPCに毎年、人件費や医療用材料費として約5億円を支出してきた。解約後は、企業団が病院を直営するため、人件費や材料費は年間約3億円程度に抑えられるという。この結果、年間約2億円の経費削減になり、契約の残り期間(22年)の経費削減効果は約44億円になるという。 


 一方、SPCは12月初めに開く役員会で、今回の解約条件について承認を得る方針という。これを受け、年内にも両者の間で解約確認書を交わし、年度内にPFI事業を終える。 


 SPCの間渕豊社長は取材に対し「経営改善に貢献できればと思い、企業団が本来こちらに支払うべき9億円余りは、株主の了承を得た上で譲歩した。30年という契約を全う出来なかったのは残念だが、経営改善に一定の貢献はできたと思う」と話した。 


■08年度決算 21億円赤字 


 県・高知市病院企業団は26日、定例会を開き、08年度の病院事業会計決算について認定を受けた。医療による収入を示す医業収益は131億2千万円となり、前年度に比べ、4億5千万円増えた。純損益は21億1千万円の赤字だった。09年度以降はPFI契約の解約などによる経費削減で収支改善が見込まれ、11年度には開院以来初の黒字を見込んでいる。 


 決算書などによると、医業収益に、県や市の負担金などの医業外収益を加えた事業収益は165億1千万円だった。09年度純損益は13億9千万円の赤字となる見込みで、08年度決算比で7億2千万円の赤字圧縮になるという。 


 企業団によると、09年度以降はPFIの解約、患者数や医療単価の増加などで収支改善が見込まれるほか、10年度以降は開院時に初期投資した医療機器の減価償却費が大幅に減る。このため、11年度には3200万円の純利益が見込めるという。 




高知医療センター:PFI解約に向け、企業団とSPC合意 /高知 毎日新聞11月27日 
  
◇新たな負担7700万円に 
 高知医療センターのPFI契約解除を巡る問題で、病院を運営する「県・高知市病院企業団」は26日、契約先の特定目的会社(SPC)「高知医療ピーエフアイ」と解約に向け基本条件で合意したことを明らかにした。金銭面での折り合いがつき、解約に伴う企業団側の新たな負担は約7700万円になる見込み。企業団を構成する県と高知市の負担はないという。 

 企業団は今年6月、年間20億円前後の赤字に陥るなど「(民間資金を活用する)PFIの効果が発揮されていない」として、経営改善を目的に契約解除を検討すると表明。7月以降、主に金銭面でSPCと交渉を続け、11月に入って合意に至ったという。 

 企業団はこの日あった議会で報告。企業団からSPCへの支払いとされた162億円が協議対象だったが、合意条件では負担が約9億円少ない153億円に減額。このうち病院建設時にSPCが調達した136億円など企業団が本来払うべきものを除けば、新たな負担は約7700万円で済むという。 

 SPC側は経営協力金として2億円を企業団に寄付するなど譲歩した格好となり、間渕豊社長は「株主が納得するギリギリの判断だが、少しでも経営改善に貢献できればと考えた」と話している。 

 解約に伴う効果については、企業団はPFI契約時よりも経費など年間約2億円の削減を見込んでおり、30年の契約期間全体で見た場合は、少なくとも43億7000万円の削減が期待できるという。 

 今後、年内に両者で合意書に調印し、来年3月末で解約。これまで医療行為以外のサービスを担ってきたSPCは精算され、すべてを企業団が運営することになる。 

 山崎隆章企業長は「SPCなどにも経営改善に協力する姿勢を示してもらった。解約によって県民、市民に不安を与えないよう細心の注意を払いたい」と述べた。 

    ◇ 

 解約合意を受け、尾崎正直知事は「県内の基幹病院として県民の医療を引き続き確保できる見通しが立った。早期に具体的な経営改善を進められる」と評価。岡崎誠也・高知市長は「早期の経営改善につながる。4月以降の運営がスムーズに移行でき、経営改善が進められるよう積極的に支援したい」との談話を発表した。【服部陽】