(中医協)事業仕分けへの統一声明で賛否、基本小委が紛糾更新

【中医協】事業仕分けへの統一声明で賛否、基本小委が紛糾更新:2009/11/13   
キャリアブレイン 
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov11kekka/2-4.pdf    

「『慎重に』という声明も出せなければ、われわれの存在意義がない」―。来年度予算の概算要求の事業仕分けをめぐり、11月13日の中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は紛糾した。診療報酬や薬価などを対象に行われた11日の事業仕分けの結果を受け、診療側の委員は中医協としての統一声明を出すよう主張したが、支払側の一部の委員から反対の声が上がり、現時点での統一声明は最終的に見送られた。 


 冒頭、佐藤敏信医療課長は、11日に行われた事業仕分けの結果について報告。行政刷新会議のワーキンググループは診療報酬について、病院と診療所、収入が高い診療科の配分を「見直し」と判定。 
また、後発医薬品のある先発品の薬価では、後発品の薬価並みまでの引き下げ、市販品類似薬は保険給付の対象外にすべきとした。 
さらに、保険医療材料に関しても「見直し」となった。 

 報告を受けて、診療側の嘉山孝正委員(山形大医学部長)は11日の事業仕分けについて、「かなり乱暴だった」と批判。 
その上で、「国家が一度決めると、ひっくり返すことは非常に困難だ。 
決まる前に、『慎重にやってほしい』と中医協から言った方がよいのではないか」と述べ、統一声明を出すことを提案した。 
 支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会常務理事)も、「仕分けチーム、行政刷新会議がどういう法律の裏付けでああいう意見をおっしゃったのか理解できない。 
(日本は)法治国家なので、法律に基づいてきちんと手続きを踏んでやることを主張すべきだ」と賛意を示した。 
また、鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)は「(ワーキンググループに)医療関係者はいないようだし、その方々が決めたことに拘束されるのはおかしい」と述べた。 

 一方、北村光一委員(日本経団連社会保障委員会医療改革部会長代理)は、「冷静に動きを見守って、(最終的な)結論を頂いてから議論してはどうか」と慎重な議論を求めたが、西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「結論が出てからでは遅いと思う」と反論。 
さらに「1項目45-50分」(佐藤課長)とされる仕分け時間について触れ、「わたしたちは毎週2回、3時間議論している。 
膨大な資料を見ながら考えてやっているので、それを尊重していただかないと忙しい中、何のために来ているのか分からない」と声を荒げた。 

 北村委員の提案に対し、勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)が、「資料とか文書が出ていないのに、テレビで見た内容で議論するのは限界がある。 
中医協として意見を出す段階ではない」と賛意を示したが、嘉山委員は「そういうことをやってきたから、この日本がおかしくなった」と反論。 
「『慎重に』という声明も出せなければ、われわれの存在意義がない」と強く訴えた。 

 遠藤委員長は、「中医協として外に向かって発言する際は、これまで基本的に全会一致で決めてきた」と説明した上で、「反対意見もある 
。今の段階で中医協として統一声明を出すのは避けた方がいいと思う」と収束を図った。 
 しかし、嘉山委員は「こういう審議会を今まで見ていると、言ったことが政策になって、それが国民にとって、とんでもないことになった時、一体誰が何を言って、どういうふうになったのかが全然分からない」と食い下がった。また、安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「全体の認識として、こういう仕分けの議論で改定率の幅を決める数字に影響が出るのではないかという懸念があると思う」と述べた。 

 勝村委員は「仕分けへの賛成・反対は一切言っていない」とした上で、「(急ぐなら)急ぐなりの手続きがあるはずなので、そういう手順をちゃんと踏んで責任を取りましょうということだ」と説明。 
嘉山委員はなおも、「『慎重にしてください』という声明を出すというだけで、中身までは言っていない」と述べたが、遠藤委員長は全会一致でないことを理由に退けた。 

■「国会ではさらに激しい議論がある」―長妻厚労相 

 13日の基本小委では、長妻昭厚労相が議論の途中から出席し、あいさつした。あいさつは次の通り。 

 国会ではもっとさらに激しい議論があるので、ご遠慮なさらず、激しく、時には優しく議論を活発にしていただくことが、論点をあいまいにせずに、詰めて詰めて、そして合意を得ると、「安易な妥協は決裂への道」というふうに、わたしは自分に言い聞かせて、これまでいろんな活動をしてきたので、また今後とも、ご助言を頂きますよう、よろしくお願いします。