特許切れ薬もっと安く 事業仕分け1日目



①先発医薬品の薬価を後発品の薬価を目指して引き下げる 
②医療材料の内外価格差解消 
③薬価の調整幅2%上乗せの解消 
④市販品類似薬(湿布・ビタミン剤・)の薬価は保険外とする ・・・・ 
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov11kekka/2-5.pdf 


特許切れ薬もっと安く 事業仕分け1日目(2) 
川口恭 (2009年11月12日 ロハス メディア) 
  
事業仕分け1日目でもう一つ大きなテーマだった「薬価見直し」については、『先発医薬品の薬価を後発品の薬価を目指して引き下げる』ことなどが結論としてまとめられた。(川口恭) 


枝野 
「午後の1コマ目(前の記事でご紹介した診療報酬配分)と似たような若干典型的な事業仕分け対象とは異なるが、しかし診療報酬に比べれば独立して薬価をどう考えたらよいかということで少し仕分けに適した性質もありそうだ」 
(略) 

 コーディネーター 
「皆さん意見を言うと長くなる。質問してほしい。それから論点を多くすると長くなるし他の方の関連発言の機会を奪うことにもなるので一問一答を徹底してほしい」 


 口火を切ったのはまたしても長隆・仕分け人 

「最初に厚生労働省の考えと財務省の方針を支持する。が、後発品の具体性に欠ける。 
目標として金額の30%、品目の60%とするべきでないか。 
国民に分かりやすく説明すると、先発品とはタケダ、三共、アステラス、塩野義の薬。 
そういうのを使うなら後発品の基準価格までは保険負担するけれど差額は実費というような話は、中医協では絶対に結論を出せない。 
しかし国民の負担は圧倒的に下がるのだから思い切って踏み込む必要がある。製薬業界の甘えた構造、調剤薬局の独り勝ちという、ここにメスを入れないといけない」 

 厚生労働省 
「私どももジェネリックを何とか伸ばしていきたいと考えているが、役所だけで言っていてもダメで、国民、医療関係者、保険者のご理解を得て進めて参りたい。 
ただ品目の60%と言われたが、現在後発品がある薬を多く見積もっても55%。 
どんなにやってもそこまでしかいかない。 
ジェネリックへの置き換えが進んでいる米国などでは保険に強制的に使わせる措置を盛り込んでいる。 
そこに行くまでにアメリカでも長い年月がかかった。 
まずは後発品の信頼を高めるプロセスが必要と考える。数値目標を掲げるのは、強制的に使っていただくと宣言するに等しいので、まずはご理解いただくのが先だと考える」 

 大串博志・財務大臣政務官 
「資料の50ページに書いてある『特例的な引き下げについては、市場実勢価格に基づかない改定であり、新薬を開発するための企業体力を低下させ、日本での新薬開発意欲を削ぎドラッグラグを助長するものとして、製薬業界は強く反発している』とは何を言おうとしているのか」 

 厚生労働省 
「一番のステークホルダーである製薬業界が反対しているという事実関係を書いた」 

 大串 
「ステークホルダーは国民じゃないか」 

 厚生労働省 
「考える要素のひとつということ」 

 大串 
「では厚生労働省は客観的にもそう思っているのか」 

 厚生労働省 
「明確に示すデータやエビデンスはないと思っている」 


仕分け人 
「業界全体でずっと1兆円近い利益を出している。これは研究開発費を控除した後だ。他にも国民のウラ負担として研究開発税制として特別な減税も行われているはずだ。これはいくら?」 

 厚生労働省 
「日本の大手4社の場合、国内と海外の売り上げは半々。だからこの数字も半分は海外のものだ。 
研究開発投資は景気の動向によらず毎年ウエイトを置いて行われている。というのが新薬候補のパイプラインを増やしておかないとグローバルで闘っているので、景気状況によらず最近はずっと増えている。それからM&Aに使う資金需要もある」 

 仕分け人 
「減税はいくら?」 

 厚生労働省 
「600億円」 

 仕分け人 
「利益を見る限り景気変動を受けてない」 

 厚生労働省 
「研究開発に回す必要がある」 

 仕分け人 
「研究開発費を控除した後の利益が変わってない」 

 厚生労働省 
「たしかに利益は1兆円程度で変わってない」 

 仕分け人 
「そんなに利益が出ているのに、薬価を下げたら新薬の開発意欲がなくなるというのは、どう整合性を持って結びついているのか」 

厚生労働省 
「少なくとも利益に関わらず研究開発投資は行う必要がある」 

 仕分け人 
「それは企業として当然のことだ」 

 厚生労働省 
「M&Aのためにも流動資産を持っていないと」 

 長 
「国内企業を育成というが、安くて安全でいい薬を供給してくれるならどこの国の企業でも構わない。特別措置をやめたらどうか。保護する必要はない。それから先ほどあなた後発品に不安があると言ったが、聖マリアンナ医科大学ではほぼ100%後発薬に切り替えているけれど全く問題ない。不安だと言うなら許可を取り下げなさい」 

 足立信也・厚生労働大臣政務官 
「またカベさんに聞きたい。先発品と後発品が同程度の価格になると後発品の普及が進むという理屈が分からない」 

 財務省 
「院内処方などでは、患者さんに必ずしもどちらかを問われないケースが多いようだ。それは先発品の方が薬価が高くて差益を取れるから。そういう構造がある。価格が同じ位まで下がれば差益を取るメリットはなくなる」 

 足立 
「同じ価格だったら後発品を選ばない」 

 仕分け人 
「高止まりしているのは、マーケットメカニズムが入ってないからだ。市販品なら保険外にというのには賛成。ただ薬局に行かないと手に入らないというのでは意味がないので、スーパー、コンビニ、ネットで売ればマーケットメカニズムが大いに働く。後発品もそこへ流すようにすれば患者の利便性も上がる。規制が強すぎるんじゃないのか」 

 仕分け人 
「ジェネリックが安ければいいというのは暴力的だ。ジェネリックに切り替えたことで他の薬と識別しやすくなって安全度が上がっているという実例もある。薬剤部、薬剤師の責任をもっと認める必要があるだろうが、品質・デザインの優れたジェネリックもある」 

 梶川 
「先発品と後発品は物質としては同じもの? 先発品だったものが特許が切れて後発品になる。そこにブランド力が乗っているだけの違いだろう。だったら後発品として売ればいい。どこのものが売れるかは問題ではなくて、そこで先発品と後発品を区別する必要はなかろう。同じ物質なんだから、同じ値段にすれば簡単な話だ」 

長 
「一般処方に決めてしまえばいい。それに法改正は必要か」 

 厚生労働省 
「我々の中でもそういう議論は行われているが、諸外国の例で見ると、同一の物質でも後発品メーカーの方が安くなるようだ。それは先発品のコスト構造と後発品のコスト構造が異なるから。後発品メーカーは工場専業というか製造に特化している。先発品メーカーはいかに新しい薬を生み出すかという方に重点があって研究開発にも情報提供にも人が大勢いて、しかも多くの人が大学院卒だ。そんなことから、特許が切れてしばらくするとジェネリックに必ず負ける。先発品を安くするという政策を取らなくても置き換えは進むと考えている」 

 梶川 
「特許が切れた段階まで区別する必要はないんじゃないか。新薬開発のコストは特許が切れるまでに回収しておけばいい話で、切れた後は、どこのメーカーが作っても同じものは同じ保険の料金。仕入れ値までは知らないから、最終的には安いものが使われていくことになるのでないか」 

 枝野 
「後発薬は特許が切れたら世界共通で出てくるわけだよね。薬の承認というのは一般名なのか製品名なのか」 

 厚生労働省 
「どちらでも結構」 

 仕分け人 
「違うだろう。承認の話だ」 

 厚生労働省 
「ご指摘のとおり」 

 枝野 
「一剤ずつ、そのために承認を取っている」 

 厚生労働省 
「はい」 

 枝野 
「治験コストはかかっている」 

 厚生労働省 
「データは省略できる。代わりに規格試験、生物学的同等試験のデータで承認する」 


仕分け人 
「薬価は大事と思うが、選んでいるのが医療機関と薬局というのが問題だ。国民が選べるように情報提供を義務付けるべきでないか」 

 仕分け人 
「関連して、価格も問題だが品質のことも問題。本当に安全なのかの情報がないと、価格が同じになっても今までの薬を使いたいということになる。厚生労働省がもっと明確に示していく必要がある」 

 中里 
「研究開発費は損金処理できる。人件費も損金処理できる。その上、特許で15年保護される。それでなおかつ薬価を下げられたら困るというのは経営の仕方が上手でないとしか思えない。開発については既に十分保護されている。ここで役所が言う必要はない」 

 厚生労働省 
「広報はしているつもりだが、我々の努力が足りないのだろう。平成18年に公正取引委員会が行った調査では相当数の人が後発品に不安を抱いているということだった。先発薬を下げるべきという点については、本当に下がってないのか、そういう視点から検証したのが52ページのグラフだ。2年ごとの引き下げがかなり効果を上げていて、これ以上下げると、今でもドラッグ・ラグの問題が色々と起きているが、外資系企業の人に聞くと日本は薬価を下げられるから開発が大変なんだと言う。それをどうやって開発しようかと工夫している所に、これ以上下げるとラグは拡大する」 

 土居 
「もう一つ重要なことがあるんでないか。日本は基本が全部保険。混合診療を認めているわけでない。米国などでは高価な薬でも使う人は使うのでないか」 

 厚生労働省 
「そういうこともあるので本来は欧州と比較すべきと思っている」 

 中里 
「国ごとに別の新薬開発をするのか。特許の効果は日本にも及ぶだろう」 

 厚生労働省 
「同じものであっても、アジア諸国に多いがアメリカが認めたら同時に認めてしまうという制度を採ると、何か問題が起きた時の安全性の対応が遅れる。素早く対応するためには、日本でもデータと情報を取って承認する必要がある。これは薬害の問題とも対応しているのでモニタリングは必要だ」 

 大串 
「これ以上下がったらドラッグ・ラグが起きるという主張は、どこからどういう議論をして導き出されるのか」 

 厚生労働省 
「厚生労働省としての分析ではない。中医協で外資系企業の社長たちに話してもらった際に、投資判断の基準になるのは、薬価とマーケットサイズが大きいということだった」 

 大串 
「何社へのアンケートに基づいて、これ以上下がると、何がどうなるというのか」 

 仕分け人 
「審査期間の壁もあるんじゃないか」 


厚生労働省 
「その部分も大きいがすべてではない」 

 仕分け人 
「そこがすべてだろう(罵声)」 

 厚生労働省 
「たしかに審査で半年くらい遅れる。しかし最も大きいのは開発着手。それが2年遅い」 

 枝野 
「しかし外国企業の幹部の人たちに話を聞くと、皆さん行政の手続きが複雑で訳が分からないと異口同音に言う。この実態をちゃんと認識しているのか」 

 厚生労働省 
「それは当然ある。しかし薬価の問題もある」 

 仕分け人 
「日本の医薬品メーカー保護ということを考えているのか」 

 厚生労働省 
「単純に保護すればよいとは考えていない。日本の市場が魅力的になればと考えている」 

 足立 
「事実関係だけ。ドラッグ・ラグは約4年あると言われているが、そのうち審査期間の差は8ヵ月。大きいものは、やはり国内治験に着手する時期だ。遅くなるようなインセンティブが働いている」 



[医薬品] 行政刷新会議開催。衝撃的な内容。(シティグループ証券) 
2009年11月12日  シティグループ証券は11月11日のレポートで、内閣府行政刷新会議、第2ワーキンググループ事業仕分けの中で、後発品のある先発品などの薬価の見直しが議論されたが、医薬品業界にとっては衝撃的な内容と解説。 
 後発品(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品(長期収載品)の薬価をジェネリック品の薬価並みに引き下げる方針が決定された。 
   
 長期収載医薬品の利益に占める比率が少ない企業は、ロート製薬(4527)、塩野義製薬(4507)、大正製薬(4535)、協和発酵キリン(4151)、第一三共4568)、中外製薬(4519)、アステラス製薬(4503)、田辺製薬(4508)など。 
 比率が多い企業は、小野薬品(4528)、久光製薬(4530)、日本新薬(4516)など。 
 長期収載品の後発品化が進む可能性が高く、東和薬品(4553)や沢井製薬(4555)などの後発品企業にもマイナスだろうと指摘。 

 また、市販薬類似薬(ビタミン、湿布、漢方)を保険適応から外す方向で検討していて、湿布薬の久光製薬(4530)や、漢方薬のツムラ(4540)への影響が懸念されると解説。(W) 



医薬品株が急落、行政刷新会議で先発品薬価下げを議論-衝撃的との声 11月12日(ブルームバーグ) 

:日本新薬など医薬品株に急落銘柄が相次ぎ、東証1部業種別指数で医薬品指数が下落率上位となっている。11日に開かれた政府の行政刷新会議で、価格の安い後発医薬品のある先発品の薬価引き下げが議論された。薬価が引き下げられれば医薬品企業の業績に影響を与えかねないとの懸念が強まっている。 

  日本新薬の株価は前日比7.6%安の1090円、久光製薬は6.8%安の2880円まで売られたほか、東証1部値下がり率上位には生化学工業、田辺三菱製薬も入っている。大証では小野薬品工業も急落している。 

  12日付の朝日新聞朝刊などによると、来年度予算要求の無駄を洗い出す行政刷新会議の初日の「事業仕分け」で、割安な後発品の普及が必要だとして後発品のある先発品などの薬価見直しが議論された。 

  シティグループ証券の山口秀丸アナリストは11日付リポートで同論議について、「最終結論は12月までかかる予定であるものの、業界にとっては衝撃的な内容」と指摘。長期収載医薬品の利益に占める比率が多い企業として、小野薬品工業、久光製薬、日本新薬などを挙げた。さらに長期収載品の後発品化が進む可能性が高いとし、後発品企業にもマイナスになるだろうと予測した。