開業医と勤務医との報酬の違いは一物一価で当然に改めるべき。

「開業医と勤務医との報酬の違いは一物一価で当然に改めるべき。しかし再診料については既に中医協で一度激しくやり合っているはずで、中医協には結論を出せないだろう。皆さんに情報提供の意味で申し上げると、揃えるには病院を上げるか、開業医を下げるかで病院なら500億円、開業医なら1000億円。主計局から出た資料にも容認できない点がある。医師の人件費カットは崩壊を促進する。むしろ交付税8000億円、医療財源としての国の交付4000億円を適正にシフトさせれば財源はあると思う。医師が全国で充足した暁には見直しするのに賛成だが現状ではやるべきでない。それから総合診療科への評価が低すぎるのでないか。家庭医がいないから医師不足になっている面もある。今後、この辺りに中医協が踏み込めれば関知しないが、利害が衝突して動けなくなるなら我々で手がけるべきだろう。参考までに述べた」(長 隆) 


皮膚科・眼科は診療報酬カット? 事業仕分け1日目(1) 

2009年11月11日 19:08 ロハス・メディカル 

 行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分けが11日から始まった。仕分けの結果として何がどうなるのか今ひとつ不明確だが、たとえば「診療報酬の配分」について『収入が高い診療科の報酬を見直す』とか『開業医の報酬を勤務医と公平になるよう見直す』などということが、圧倒的賛成多数の結論としてまとめられた。(川口恭) 

 ワーキンググループの取りまとめをした枝野幸男代議士は、厚生労働省の外口崇保険局長に対して「持ち帰って反映してもらいたい」と述べたので、いずれ中医協の場で議論されることになると思われるが、中医協の議論が、どこまでこの結論に拘束されるのかは、今日の所はよく分からなかった。 

 検討の論点を提案したのが財務省の主計官だったことからすると、予算査定の段階で反映されるのかもしれない。 

診療報酬の配分に関するこの日の主なやりとりは以下のとおり。 

 外口局長が「5分」と言われて事業概要を説明。それに続いて財務省の主計官 

「論点を3つ提示したい。まず 

 公務員人件費カットやデフレ傾向を反映させてはいかがか。1998年を100とすると、公務員の人件費は1割ほど下がり、物価も2%以上下がった。しかし薬価を除いた診療報酬本体は0.4%しか下がっていない。ということは物価ベースで見れば、実質的に診療報酬は実質的に5%(2%の間違いかもしれない)改善しているのと同じだ。そして医師の給与の大半は、税金や保険料から支払われており財源としては公務員給与に近い。診療報酬を仮に1%引き上げると約3400億円の医療費増、1700億円の保険料負担増として跳ね返る。このような状況下にあっては、全体の上積みをして勤務医に配慮するというのではなく,全体の水準を見直したうえで必要な所にあてる財源を捻出すべきでないか」 

 のっけから、診療報酬=医師の給与という刷り込みがさりげなく行われる。中医協の嘉山委員がいたら、ちょっと待て、と言うところかもしれない。主計官の説明は続く。 

 収入が高い診療科の報酬を見直してはいかがか。主な診療科の医師数の変化を見ると、外科や産婦人科といった所で大きく減っている一方で、皮膚科や眼科が増えてしまっている。そして、それらの科の診療所の収支差額は、平均より1割2割高い。比較的リスクや勤務時間の短い診療科を中心に医師数が増えていると見られるので、リスクや勤務時間に応じた評価を実現するために、収入の高い診療科の報酬は見直すべきでないか。全診療科に一律に配分すれば、本当に苦しんでいる勤務医の助けにはならない。 

 開業医の報酬を勤務医と公平になるように見直すべきでないか。病院勤務医と開業医との年収は1.7倍の開きがあり、過去7年間の病院・診療科間の診療報酬配分、診療所における診療科間の配分はコンマでしか変わっていない。勤務時間は病院の方が長い。また診療所で休日診療を受ける方は99年の72.5万人が04年には32.8万人に減ってしまっている。なのに、収入は開業医の方が高いということで、勤務医が開業医へ流れて行ってしまっている。再診料や特定疾患療養管理料の格差を見直す必要があるのでないか。20年度改定で少しこのような手法が試みられたが、さらに大胆に進めるべきでないか」 

枝野 
「典型的な仕分けとは若干異なる。継続か廃止ではない。また具体的な議論は中医協で行われている。財務省から論点が3つ出ているが、これに捉われることなく、総額を上げる下げるの前に、色々な視点やものの考え方をご提案していただいて、一つの方向性が出れば、今後はそれで具体的な議論を進めていくことになる。プロセスにおける視点、ものの考え方をご議論いただきたい」 

長隆・仕分け人 
「総論的に冒頭に述べる。中医協が国民の信頼を得ていた存在か。04年に中医協の公益委員である元社会保険庁長官に、診療側の中医協委員である日本歯科医師会の代表が贈賄をした。そのような体質を引きずってきた。この度の政権交代によって前進した体制にはなった。しかし国民は忘れやすいので、我々がもう一度思い出させる必要がある。国民の皆さんの信頼を得られる存在になれないのであれば、中医協はなくなってもよい。(略)今後も中医協の制度に切り込まざるを得ない」 

 最初は発言前に指名があったので誰が喋っているか分かったのだが、途中からは声のやたら大きい長氏以外は、誰が喋っているのかよく分からなくなった。仕分け人については誰か分かったものだけ記す。 
  
吉田あつし・仕分け人 
「開業医の所得が高すぎるのでないかとの指摘だったが、問題は病院であろうが診療所であろうがクオリティの高い医療ならそれでいい。クオリティが高ければ診療報酬が高くてもよい。診療科ごとの収支の差も、それが提供されるサービスのクオリティ差なら問題ない。しかし現状の、自由開業、自由標榜制ではクオリティが保証されていない。質に対して高いものが払われているのでないかとの懸念がある。その点についてどう考えているか」 

厚生労働省(医療課長) 
「自由開業、自由標榜の問題は私たちも認識はしているが、しかし専門医など質の保証に相当するものが制度化されていない。点数にするのはなかなか難しいが、最近は医師の能力に着目して、この行為を算定できるのは専門医だけというような点数のものもある。労働の中身にも着目しているとは言いがたいが、しかし手術、技術、処置については別途の仕組みを設けて反映されるよう対応している」 

吉田 
「整形外科の4200万円というのは、クオリティに見合った収支なのか。病院で同じクオリティのサービスを受けたら、もっとずっと安いのではないか」 

厚生労働省(医療課長) 
「能力に着目してということではない。診療所の中では同一。医師によって違いがあるのかというのはなかなか分からないところでの工夫としては、初診再診料は同一でも、診療科によっては一定の処置は初診再診に含まれるよとしているものもある」 

仕分け人 
「この概算要求額は診療報酬を何%上げるという想定か」 

厚生労働省 
「プラスマイナスゼロということで要求している」 

仕分け人 
「ゼロだと、ここからもっと引き上げたいという話だと思うが、物価が2%下がったら、事実上お医者さんの購買力は上がったことになる。実質的に診療報酬は増えていると理解しているか」 

厚生労働省 
「医療機関の経費の半分は人件費。物品費だけではないので、各機関のコスト構造を見てみないと、単純に物価と連動させるのは難しい」 

仕分け人 
「そうじゃなくて仮に伸びがゼロでも、消費者としてのお医者さん、医療をする時じゃなくて、物を買う時の収入は上がっていることになっている」 

厚生労働省 
「コストが減るということにはなるが、どの程度寄与するかは、機関ごとのコスト構造」 

仕分け人 
「だから、同じ1700万円の給与でも、同じかもしれないけど事実上は上がってないかということ。こんなの経済学の常識。そうなると診療報酬を引き上げる必要はあるのか。お医者さんを虐げるということではなくて、物価が下がったら上げなくても済むんじゃないのか。ここからが本題で、自由に診療科を選んでよい状況のもとで10年間に皮膚科や整形外科が増えたということは、診療報酬が相対的に手厚く配分された結果と考えているか」 

厚生労働省 
「そういう部分もあるだろう。ただ整形外科の場合は、高齢化によって単価は安いけれど患者さんが増えたという面もある」 

仕分け人 
「産科や小児科が足りないのに、この配分はどういうことか。大学の段階で診療科の定員を設けることへの考えは」 

外口保険局長 
「臨床研修の見直しの時にも同じような意見を言う方がいた。しかし全体としての意見にならなかったのは、医学の世界は日進月歩で複雑に揺れ動いているので、今の時点で固定するより、むしろ研修医制度の中でインセンティブを付けた方がよいという議論だった」 

仕分け人 
「勤務医の不足の原因はそもそも何だと思っているのか」 

厚生労働省 
「複合要因。高齢化の進展によって提供する医療の総量が増えたこと。それから患者のビヘイビアの変化もある。救急車の出動回数の伸びは人口の伸びや高齢化率の伸びを上回っている。それから平均在院日数が短縮されて忙しくなっているのもある。それから女医が増えて、それに見合った短い時間で働ける選択肢を整備する必要もある。地域の格差もあるだろう」 

仕分け人 
「昨年、周産期で受け入れ病院が決まらず亡くなった例は東京都。東京都は全国で一番医師の集積度が高い。医師数が足りないところではない。とするならば、必要とされている診療科の供給量が足りないということなんだから、そちらに誘導するように診療報酬のウエイトをかけていくのが当然でないか。なぜそれができないのか。開業医と勤務医の格差も同じ。なぜ手を打てないのか、打ってこなかったのか。端的に言って値付けの失敗ではないのか」 

仕分け人 
「今の厚生労働省の説明では要因を4つ挙げながら、極めて重要なポイントを飛ばした。それは意図的か。診療報酬の配分というのはタブーなのか」 

外口 
「現在まさに議論していることなので言わずもがなというだけのことだ」 

仕分け人 
「人口100万人あたりのCTスキャンの台数、OECDヘルスデータによると日本は92.6台、OECD平均は20.6台。MRIも日本40.1台で、平均は9.1台。高度医療機器を備えているのは立派だが、それを使うべき医師が足りない。これは明らかに行政の失敗だ。片側で過剰に資源投入して、片側で足りなくなっているのだから」 

枝野 
「典型的な例ではないが一応仕分けなので、厚生労働省あるいは財務省に対して質問してほしい」 

足立信也・厚生労働大臣政務官 
「通常の仕分けとは全く違う。事業側の説明は5分しかないのに、財政担当者がその倍の10分間も喋る。それから私を『査定側の委員』と紹介したが、私も議論に加わるつもりだった。コーディネーターの方の仕切りがよくないのでないか。訂正してほしい」 

大串博志・財務大臣政務官 
「偏りをダイナミックに直すことのできない理由は何か」 

厚生労働省(医療課長) 
「診療報酬の考え方は、医師について一定の能力があらかじめ決まっていて点数やグレードをつけることではなくて、中には専門医のように決められた能力に応じて支払うことが可能なものもあるが、しかし医学界や医療界では個々人の技術や能力を評価するということが確立していないので」 

大串 
「クオリティに対してつけろと言っているんじゃなくて、診療科に対してという意味。供給が足りないのなら対価を上げるというのは当然の話」 

厚生労働省(医療課長) 
「努力や能力に配分するということではないが、これまでも政策誘導的な配分はしたことがあるので今のような議論を踏まえて、中医協にも反映したい」 

仕分け人 
「診療科ごとの固定配分はなぜ変わらなかったのか」 

厚生労働省 
「初診再診の基本的なものは各科共通。診療所では、その共通的なものは変わらない。病院では、むしろ手術するかしないかとか高額な検査をするかといったことによって金額が変わる」 

仕分け人 
「診療報酬によって勤務医から開業医へのシフトが起きたり診療科の偏在が起きたといったことを考えると、その比率を変えるのは当然でないか」 

厚生労働省 
「グラフ作成の時点では、診療科間で差をつけるということへの理解は得られていなかった。同じ科でも能力や技術が異なるというのは重要なことだが、しかし診療報酬の立場から差をつけるのは難しい」 

仕分け人 
「地方の医師不足にも、やはり診療報酬の配分の差の影響が大きいのでないか。勤務医が新たに開業する時は、人口の多いところを選ぶのが自然だから、起きている現象を説明できる可能性が高い」 

厚生労働省 
「報酬には二つの意味がある。能力や努力に対する報酬は病院などのハコに対して直接支払う。診療報酬を外科医にたくさんあげたいと言っても、医師の多くは公務員型の給与で俸給表に基づいて決まっている。診療報酬をたくさん払っても病院や地方自治体の金庫に収まるだけで個々人に回る仕組みにはなってない」 

仕分け人 
「昨日、横浜市立大病院の視察に行ってきて院長の話を聞いた。病院に来る診療報酬が増えたら人件費に回したいと言っていた。公務員型の俸給表であっても、診療報酬が増えたら助手を雇ったり新たに医師を雇ったりできる。ところで再診料が病院と診療所とで異なるそもそもの背景は何だ」 

厚生労働省 
「長年の議論でくっついたり離れたり。その考え方が正当かはおいて、病院は入院中心で経営し外来も入院へつなぐか退院後のフォローだけ。メインは入院という役割分担しようということだった」 

仕分け人 
「そういう理想論があっても現実はそうなってない。患者からすると医療機関を選ぶ要素はクオリティと自己負担だ。クオリティが同じなら安い方へ行かないか」 

厚生労働省 
「自己負担の差は33円。33円の差でクリニックか病院か決める人はいないだろう。むしろ情報の非対称性が問題だ。クリニックにも優れた医師がいることは間違いないんだが、どこにいるのか分からない。そうなると安全を見込んで病院へ行ってしまう」 

足立 
「カベさん(財務省主計官のことか)に聞きたい。グラフFとD(1頁目の資料参照)の関係について。まず、これは国民医療費か総医療費か。それから眼科医が増えているのに診療科ごとのシェアが変わらないという、これはどう解釈しているのか」 

財務省 
「国民医療費。全体の医師数が8%増なのに眼科医は13%増。これは報酬が高いことと訴訟リスクが低いことによるのでないか」 

足立 
「人数が増えたのにシェアが増えてないのは、公費以外の部分で上積みされていると解釈しているか。産科の分娩のように診療報酬から支払われないものもある。そういうものを考えないと計算が合わないのでないか」 

 財務省すぐには答えられず。仕分け人が割って入る 

「統計を取っているのは厚生労働省だと思うが、この収支差額を出す時、開業医の減価償却は入っている?」 

厚生労働省 
「入っている」 

仕分け人 
「問題は、収入というのは年齢や経験によっても違うんじゃないかと思うのだが、そういうものも入った統計はあるか」 

厚生労働省 
「診療科ごとに分析したものはないが、ここでの診療所開業医の平均年齢は59.4歳、勤務医の平均は43.4歳なので、そういったものはあると思う」 

仕分け人 
「その年齢経験の差を加味すると、勤務医と開業医の収入差はどうなるか」 


 厚生労働省 
「開業医の収支差には将来の設備投資のための積み立てとか退職金の引当相当額も入っている。勤務医の場合は、そういったものは含まれていないので単純に収支差とは比較できない」 

 仕分け人 
「そういうものを織り込んだ医療経済実態調査はしていないのか。産科小児科が忙しくて大変というのは皆さんコンセンサスになるようだが、開業医が楽をしているのかについて開業医に聞いてみれば、むしろ勤務医の方が楽なんだという。客観的データを取らないと議論にならない。そういうデータは取らないのか」 

 厚生労働省 
「ご指摘の点は中医協でも議論になって、私どものデータではないが、それを見ると手取り年収では、これほどの差はない」 

 仕分け人 
「データはある?」 

 厚生労働省 
「中医協に出されたものはある」 

 財務省、先ほどの足立政務官の質問にようやく答える。 
「全体のシェアがほとんど変わってない中で産科医のシェアだけが目に見えて減っている。これは10年間で1割減ったということと整合的ではないか。眼科の人の伸びは、シェアの0.1に表れているかどうかという所」 

 中里実・仕分け人 
「報酬の大部分が公費から出ていて、特定の診療科だけ増えたり、開業医と勤務医の不公平が起きているというのはプライシングの失敗と思わざるを得ない」 

 厚生労働省(医療課長) 
「失敗かどうか。医療経済実態調査は昭和42年から行っている。クリニックの診療科ごとの配分は検討課題としても、病院の中の科は診療報酬では難しい」 

 梶川融・仕分け人 
「基本的なポリシーはどうなっているのか。どういう風に配分するポリシーでやっているのか。不均衡を是正するためには、どの程度の見直し幅があればできるのか」 

 厚生労働省 
「何をメルクマールに診療報酬の配分がうまくいっているか判断するかだが、平均余命とか、乳幼児死亡率とか医療費の対GDP比率とか、そういったもので見て日本の医療は世界最高水準を保っていた。それはWHOも認めている。診療科ごとの配分が悪いから医療崩壊したと関連づけられるのかは分からないと思う」 


 仕分け人 
「実質所得ベースの統計と言われたが、それは医師優遇税制も含めて計算したものか」 

 厚生労働省 
「手取りは勤務医が970万円、個人開業医は1270万円というのが07年10月のデータとして中医協に資料として出された」 

 長 隆 仕分け人 
「国民に分かりやすいように話してくれ。医師優遇税制はいくらか。診療報酬の技術評価は中医協マターだ。我々は中医協が踏み込めない領域をやるんだ。日本医師会は、ここに出ている勤務医と開業医の収入比較には異議ありだと言ってる。医師優遇税制2つが具体的にいくらか」 

 枝野 
「中医協に出ている資料というのは、どこがつくったデータか」 

 厚生労働省 
「事実関係として申し上げると、資料は提出されただけで、まだそれについて議論は行われていない」 

  長 隆 仕分け人 
「いくらだ!(罵声)」 

 厚生労働省 
「出典から申し上げると日本医師会のデータ。優遇税制がいくらかは担当部局でないので把握していない」 

 仕分け人 
「先ほど医療崩壊と言われたが現状そうだという認識は持っているのか」 

 厚生労働省 
「私ども自身は口にしないように心がけているが、短い時間で話を共有させていただくために使った」 

 仕分け人 
「根本的に間違えてきた同じ組織が勤務医を助けることができるのか。既に苛酷な夜勤で流産する率が5%高いという話もあるようだ。看護師を10対1から7対1にしたら大学病院に集中してしまって、足りなくなった地域の病院では、大変苛酷になっているという。このように診療報酬を変えるのは大きな影響・効果がある。医療崩壊を認めて、何を誤ったのか反省すべきでないのか」 

 仕分け人 
「中医協の改革をしていけるのか」 


 外口 
「今の医療の状態を何とかするために、予算、制度、診療報酬あらゆる手段を使ってと考えている」 

 コーディネーター 
「先ほどの足立政務官の発言だが、概算要求段階で政務三役は査定の立場だったはず。ここにも厚生労働省の代表バッターではなく、その立場でということに行政刷新会議の方で決まっている。心情を害したのなら申し訳ないが、取扱いを変えろということに関しては、行政刷新会議の方に言ってほしい」 

 長 隆 仕分け人 
「開業医と勤務医との報酬の違いは一物一価で当然に改めるべき。しかし再診料については既に中医協で一度激しくやり合っているはずで、中医協には結論を出せないだろう。皆さんに情報提供の意味で申し上げると、揃えるには病院を上げるか、開業医を下げるかで病院なら500億円、開業医なら1000億円。主計局から出た資料にも容認できない点がある。医師の人件費カットは崩壊を促進する。むしろ交付税8000億円、医療財源としての国の交付4000億円を適正にシフトさせれば財源はあると思う。医師が全国で充足した暁には見直しするのに賛成だが現状ではやるべきでない。それから総合診療科への評価が低すぎるのでないか。家庭医がいないから医師不足になっている面もある。今後、この辺りに中医協が踏み込めれば関知しないが、利害が衝突して動けなくなるなら我々で手がけるべきだろう。参考までに述べた」 

 仕分け人 
「勤務医が開業する場合に、従来の専門をやめるということも多いだろう。となると蓄積された人的資本が失われることになる。専門の医師が減ると日本の医療業界の活力を奪う。中長期的に医療とサプライサイドをどうするのか考えないといかん」 

 土居丈朗・仕分け人 
「先ほど中医協へ持ち帰るというお話だったので、それを期待したい。行政刷新会議は今後も続くらしいから、今回のことに関して見直されてなければ後で中医協は後ろ指を差されることになる」

 仕分け人(政治家か?) 
「話が難しくてよく分からなかった。一般の国民に分かるようにしてほしい。診療報酬が1%でも上がると保険料が1700億円も増えるということは世帯で年間2万円も3万円も上がっちゃうことになる。医師と厚生労働省とで決めることではなくて、国民に自分たちの身に跳ね返ることなんだというのをもっと説明する必要がある。もっと分かりやすい議論を望む」 

 仕分け人 
「病院についてはDPCで効率よくクオリティの高い医療が提供されている。診療所についても包括払いを導入しようとしてうまくいかなかったというような話も聞いているが、小さなコストでクオリティを高くするために、出来高払いから包括払いへシフトすればよくなる」 


 仕分け人 
「診療所の収支差に関して、ベッド数のありなしとかも教えてほしい」 

 厚生労働省 
「医療経済実態調査ではやっているので後ほどお出ししたい」 

 仕分け人(財務政務官か) 
「私は税制やっている立場だが、優遇税制の内容を個別にキッチリとはじき出すのは難しいはず。予算要求額で見ることはできるだろうが」 

 仕分け人 
「診療科の問題を、診療報酬の配分を変える以外にどうやって是正できると考えているか」 

 厚生労働省 
「救急については夜間休日の勤務に対して手当てを補助金で出している。また産科の分娩にも同様。ほかに後期研修医が産科を選んだら手当てが出るような補助金もある」 

 枝野 
「それでは結論を申し上げる。16人すべてが診療報酬の配分について見直し相当と書いた。内訳を見ると、②については14人、③については13人と圧倒的多数だ。この会議の結論として持ち帰って反映していただきたい。①については8人と半分なので、人件費に関してはこういう意見もあるということで配慮いただきたい。勤務医と開業医の間の所得収入がフェアなものなのかに関しては客観的な情報を揃えていただかないときちんとした議論ができない。それを調べる責任は厚生労働省にある。来年、再来年の議論の際には、そういった客観的事実が前提になるようにしてほしい」