初診料 再診料等に関する現行の診療報酬上の評価



初診料、再診料等に関する現行の診療報酬上の評価 見直し 必至! 病院と診療所の再診料を差別する合理性がない・・・双方の差は、2回目以降の診察にかかる再診料に顕著に表れている。現行の診療報酬では、診療所の710円に対して病院は600円。前回の改定で病院が30円上積みされたにもかかわらず、なお100円以上の差がある。しかも、前回改定時には、勤務医対策の財源確保のため診療所の再診料引き下げが検討されたが、日医が抵抗して見送った経緯がある 

初診料 ・・・・  270点 

再診料・・・ 診療所 71点 病院 60点   

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0604-4a.pdf 

社説 中医協 医療再生へ報酬見直せ 09年10月31日 
2009.10.31京都新聞  
  
診療報酬の単価や配分を議論する中央社会保険医療協議会が30日、長妻昭厚生労働相が委員を一部差し替えてから初めて開かれた。 
厚労相は任期切れの中医協委員の後任人事で、日本医師会の推薦を受けて指名してきた3人の「日医推薦枠」を撤廃、代わりに京都府医師会副会長らを起用した。開業医の利益を優先してきた日医枠という聖域にくさびを打ち込んだとも言えよう。 

 2年に1度の診療報酬改定が本格化する。新体制の中医協が診療報酬体系をどう改革するのか、注目したい。 

 中医協は健康保険組合など診療報酬の支払い側7人、医師ら診療側7人、学者ら公益代表6人-の3者で構成。医療行為や薬剤費の具体的な価格を決めるが、診療側である日医枠の委員の発言力が強すぎるきらいがあった。 
「医療崩壊」とも言われる医療現場の危機的状況は、医師不足を背景に複合的な要因が絡み合う。特に地方の病院や、激務を強いられる救急や産科、小児科の病院勤務医を敬遠する「医師の偏在」が深刻だ。勤務医不足で診療科の休診に追い込まれた病院も多い。 

 勤務医は過酷な仕事や責任の重さに比べ、収入は十分とは言えない。 
厚労省の2008年度医療経済実態調査によると、開業医である一般診療所院長の平均年収が2522万円に対し、病院勤務医は1450万円と、1・7倍の格差があった。08年度診療報酬改定では、勤務医に手厚く配分するため開業医の再診料引き下げが焦点となり、日医の反発で見送られた経緯もあって、前回調査の1・8倍からわずかな縮小にとどまった。 

 民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)に医師の増員と併せ「医療機関の診療報酬の増額」を掲げ、鳩山政権は勤務医対策を重視する方針という。地域の医療を支える病院や、敬遠されがちな診療科で頑張る医師らが報われるように診療報酬改定を求めたい。 

 医療費は急速な高齢化によって毎年1兆円ずつ膨らみ続けている。診療報酬の財源が患者の負担や保険料、税金であることを忘れてはならない。財源は限られ、勤務医への手当てと同時に、開業医にも上積みするのは難しい。 
高齢者医療の実態や医療の地域格差などを直視し、患者の立場に身を置いて議論する中医協であってほしい。国民が安心できる医療の再生へ活発な議論を期待したい。 

 日医は政治団体「日本医師連盟」を通じ、長く自民党を支持してきた。それゆえに政権交代や日医内の路線対立と連動した中医協人事とも受け止められがちだ。仮に衆院選の「論功行賞」であったとすれば、おかしな話だ。時の政権によって公的な人事が恣意(しい)的に行われてならないし、人選ルールの透明性確保は不可欠だ。 


病院重視、見えぬ財源 中医協、診療報酬改訂の検討スタート 
2009.10.31朝日新聞  
  
医療行為や薬の公定価格を決める中央社会保険医療協議会(中医協)が30日、来年度の診療報酬改定に向けた検討を始めた。長妻昭厚生労働相が病院重視の観点で委員を大幅に入れ替え、診療所から病院へ配分の軸足を移すことが至上命題となっている。(中村靖三郎、友野賀世) 
会議の冒頭、厚労省の足立信也政務官がこうあいさつした。「委員選任では、病院や診療所の割合を加味して全体のバランスを考える。そういう思いから決定した」 

 10月の改選では、自民党とつながりが深く、診療所の開業医の意向を反映しがちとされる日本医師会(日医)役員を排除。民主党の医療政策に理解を示す医師らを選んだ経緯を踏まえたものだ。 

 民主党のマニフェストでは、医師不足など医療の崩壊を防ぐため診療報酬の引き上げ方針を明記。とりわけ「病院関連を手厚くしたい」(長妻氏)として、診療所に比べて冷遇されてきた病院や勤務医の環境改善を目指す。 
地域の中核的役割を担う病院の勤務医対策は、自公政権でも課題だった。前回の08年度改定では、約1500億円の財源を「病院勤務医支援」として診療所から病院へシフト。その結果が、この日の中医協で公表された医療経済実態調査にも表れた。 
今年6月分の病院の赤字は、前回の07年調査の平均341万円から195万円に減少。それでも、128万円の黒字の診療所との格差は歴然としている。賞与分を入れた平均月収も、診療所の院長である開業医が約208万円だったのに対し、病院の勤務医は約123万円だった。 

 双方の差は、2回目以降の診察にかかる再診料に顕著に表れている。現行の診療報酬では、診療所の710円に対して病院は600円。前回の改定で病院が30円上積みされたにもかかわらず、なお100円以上の差がある。しかも、前回改定時には、勤務医対策の財源確保のため診療所の再診料引き下げが検討されたが、日医が抵抗して見送った経緯がある。 

 一方、少子化対策のための周産期医療、救急医療、認知症対策、後期高齢者医療制度にかかわる診療報酬の見直しなど、重点を置かなければならない課題は山積する。診療報酬引き上げが既定路線でも、数千億円規模に膨らむとみられる財源確保のめどは立っていない。 

 厚労省は来年度予算の概算要求で金額を示さない「事項要求」にしており、自前で財源を見つけなければならない可能性もある。省内には「社会保障費の伸びを2200億円抑制することも四苦八苦していた。どう生み出せばいいのか」との悲鳴も上がる。 

 限られた財源の中で病院に重点配分するには、日医の影響力をそぐ必要がある。この日の中医協の会合では、撤廃された日医枠の代わりに、新たに病院代表の委員になった嘉山孝正・山形大医学部長が何度も口をはさみ、「チームでレベルの高い治療をやらなければいけないのが大学病院だ」などと訴えた