栃木県佐野市民病院 指定管理者 医療法人財団「青葉会」・・・




栃木県佐野市民病院 指定管理者 医療法人財団「青葉会」・・・ 概ね順調な経営 
今年八月の一日平均患者数は入院八十七人(二〇〇七年度の平均に比べ八人増)、外来二百六十人(同七十七人増)。外来の大幅な増加は、非常勤ながら専門性に優れたベテラン医がそろっていることが大きい。。「数字よりも職員の意識改革が大きい。残った人はモチベーションの高いプロばかり・・・ 


どうなった? ニュースその後 市民病院 指定管理者移行から1年(栃木県佐野市) 得意分野で将来像模索 
2009.10.27 中日新聞  
  

 栃木県佐野市の佐野市民病院が、県内の公立病院で初めて指定管理者制度へ移行してから一年がたった。一時は閉院寸前にまで陥った同病院。民営化という“薬”はどのような効用をもたらしているのだろう。 

 民営化に伴い、当時の職員百七十六人中、六十七人が市の行政職へ異動、十三人がそのまま退職した。看護師は准看護師を含めて三十一人減。人員不足から二つの病棟が休棟となるなど「大きなハンディキャップを負った出発だった」と福光正行院長は振り返る。 

 それでも、人件費や医療材料費などを縮小し、患者数は増加。指定管理者となった医療法人財団「青葉会」(本部・東京)による昨年度下半期(昨年十月から今年三月まで)の決算は約七百五十万円の黒字で、経営改善が順調に進む。 

 今年八月の一日平均患者数は入院八十七人(二〇〇七年度の平均に比べ八人増)、外来二百六十人(同七十七人増)。外来の大幅な増加は、非常勤ながら専門性に優れたベテラン医がそろっていることが大きいという。同会の渡部圭一朗事務長は「数字よりも職員の意識改革が大きい。残った人はモチベーションの高いプロばかり」と再建へ向けた団結力の強さを強調する。 

 ただ、医師不足は変わらず、主に入院患者を担当する常勤医は移行前と同じ五人。看護師不足も加わって二百五十八床中、稼働しているのは半分以下の百二十一床だ。 

 医師の負担を少しでも減らそうと今年六月から、書類作成などの事務作業を補助する「医療クラーク」六人を配置。十月には、コンピューターで診察予約や会計処理をする「オーダリングシステム」も導入した。青葉会は人材確保のため採用専任の職員を置き、佐野市も看護師募集の目玉にしようと、院内保育所の開設を決めた。 

 福光院長は「人数を過去と比べても仕方ない。こうした改革を素早くできるフットワークの軽さが民営化した良さ。公営ではいちいち議会に諮るなど時間がかかりすぎる」と前向きにとらえ、「従来型の総合病院としての再建は厳しい。得意分野をつくって全国から患者を集めたい」と新たな病院像を模索する。 

 特色の一つとなっているのが、昨年二月に看板を掲げた「糖尿病・腎センター」だ。福光院長はじめ腎疾患の専門医が充実し、もともと透析設備なども整っていたことから糖尿病の管理から透析治療、腎移植まで包括的なフォローを実現し、好評を得ている。 

 一年間の“治療経過”はおおむね良好なようだが、まだよちよち歩きの「一歳児」。健やかな成長を目指し、関係者の努力の日々が続く。(清水祐樹) 

 あのとき 

 全国的に医師不足が深刻化する中、佐野市民病院は二〇〇七年三月末に常勤医が全員退職するという存続の危機を迎えた。同四月に現在の福光院長らが着任し、辛うじて閉院は回避。市は経営改善や医師確保のため〇八年十月一日、病院を公設民営の指定管理者制度へ移行し、青葉会が受け皿になった。