介護療養型病床 受け皿施設建築問題



介護療養型病床 受け皿施設建築問題 

健康保険法等の一部改正」により、平成23年度末で介護療養型病床は廃止が決定している 
附則においてその後の必要な受け皿を確保する旨記述があるにも係わらず、2年が経過した今受け皿施設への転換計画は着手すべきなのか? 法を無視しておいて良いのか?  

介護型療養病床の削減を中止 民主政策集、施設増設は3倍速に 
2009年7月25日西日本新聞 
  
民主党は25日までに、政府が2011年度末までの廃止を決めている介護型療養病床について、行き場のない介護難民を生まないよう削減を中止し、必要な病床数を確保することを、衆院選マニフェスト(政権公約)の基になる政策集に盛り込んだ。 

 併せて約40万人とされる介護施設の入所待機者の解消に向け、グループホームや特別養護老人ホームなどを、地方自治体の整備計画の約3倍のスピードで増設する。 

 ただ、療養病床の維持や介護施設整備に必要な予算規模や具体的な財源は明示しておらず、与党が「現実的な裏付けがない」などと批判を強めることは必至だ。 

 療養病床は慢性疾患の高齢者らが長期入院する病床。政府は医療制度改革の一環として、医療保険が適用される医療型と介護保険適用の介護型の計35万床(06年度時点)を、12年度末までに医療型のみの22万床に削減する計画。コストがより低い介護施設などへの転換を進め、社会保障費の抑制につなげたい考え。 

 だが、主な転換先とされる「介護療養型老人保健施設」(新型老健)については、病院関係者から「療養病床並みのサービスは提供できない」との声が上がっていた。 

 このほか政策集は、介護現場の人手不足解消策として、事業者に支払われる介護報酬を7%アップし、介護職の賃金を月4万円程度引き上げることを掲げた。「利用者の自己負担増や保険料上昇につながらない方法で行う」としたものの、財源措置には言及していない。 

 介護の必要度を評価する要介護認定については、4月から実施された新たな基準で「実際より軽く認定されるのではないかという不安が高まっている」と指摘。生活実態やニーズが適切に反映されるよう見直す。 


介護療養型病床の廃止・転換に関する提言(平成20年6月11日) 

 高齢化が急速に進行する我が国において、医療政策のあり方は国民の安心を保障する上で欠くことのできない最重要政策である。しかしながら昨今の後期高齢者医療制度の混迷、救急医療制度の崩壊、産科・小児科をはじめとした医師不足問題など、現状において医療政策が十分に機能しているとは云い難い。 
 一昨年法案が通過した「健康保険法等の一部改正」により、平成23年度末で廃止が決定している介護療養型病床に関しても、附則においてその後の必要な受け皿を確保する旨記述があるにも係わらず、2年が経過した今なお厚生労働省の示す受け皿施設は、サービス提供者や利用者の切実な実態を反映しておらず、政策として混迷を極めているところである。この介護療養型病床の廃止に対しては、関係者が設立した『介護療養型医療施設の存続を求める会』において現在14万筆を超える反対の署名が寄せられている。この問題を重視し、国会議員有志により設立された当会では、関係者からのヒアリング及び意見交換を10回に亙り重ねてきた。 
 これまでの議論の大勢は、厚生労働省の提案する『医療と介護の機能的分化』を現場において実行することは極めて困難であり、『医療と介護の一体的サービス』を提供してきた介護療養型病床の有効性を再確認するものとなった。また、現在進められている介護療養型病床の廃止と厚生労働省が提示している受け皿施設への転換推進では、病院からの追い出しが激化し、医療・介護難民を数多く生み出す悲惨な結果を招くことは必定で、国民に大きな混乱と不安を引き起こすことは間違いない。以上勘案し、厚生労働省の提示している受け皿施設を抜本的に見直し、以下の事項に基づいた受け皿施設を介護保険下に設置すること、また国民の幸せな老後のために下記の通り提言するものである。 

                          

一、 介護療養型病床がこれまで果たしてきた「医療と介護」を一体としたサービスが引き続き提供できるようにすること。 

二、 再編後の療養病床数について、厚生労働省はいたずらに削減圧力をかけることなく、地域の需要を正しく計り適正数配置をすること。将来においても高齢者人口増加や地域実情に鑑み、需要に応じた設置数を確保すること。介護療養型病床の受け皿施設の設置数についても同様に取り扱い、現在および将来に亙って要医療・重介護高齢者の需要に応じること。 

三、 重介護・要医療の患者さんの受け皿として機能するよう、医師の夜間配置や看護職、介護職員数の現在水準以上の確保など、利用者にとって十分に配慮された人員配置を施すこと。また、十分な支援および報酬を確保すること。詳細は別紙参照のこと。 
以上 
※特記事項 上記が実現できない場合、介護療養病床廃止法案の撤回など重大な決意をせざるを得ない。 
平成20年 6月 11日 
療養病床問題を考える国会議員の会 



以下、別紙 
(別紙) 

1.人員配置について 
〈医師の配置〉 
受け皿施設の利用者の看取り・死亡、急変、増悪に遺漏なく対応し、日常的に他職種とのチーム医療を実施する観点から、現行の24時間、施設医師の配置を基本とすること。 
〈看護職の配置〉 
利用者の看取り、日常の看護処置を円滑に実施する観点から現行の6対1の基準を常設の基準とすること。ユニット型施設については現場の実情に鑑み、また認知症型など重度患者受け入れ施設については現行制度を残し、5対1以上の基準配置を設置すること。 
〈介護職の配置〉 
医療・看護と不可分一体のものであり、4対1配置の基準を常設のものとし、看護職と同様、ユニット型施設、認知症型など重度患者受け入れ施設など、より多くの人手を要する特別の療養環境施設については、3対1以上の配置基準を創設すること 
〈リハビリテーション職〉 
利用対象者には、回復の可能性および維持・機能低下防止の必要性があり、さらに、リハビリテーション職種の技能については療養環境調整についても有効性が認められることから、利用者50人に1名の配置を基本とし、その活用を図る観点から、出来高評価を維持すること。 
〈医療相談職〉  
医療相談職については入退院の援助、療養期間中の援助、とりわけ看取り期の援助など重要なニーズがあり、利用者50人に対して1名の、社会福祉士相当の知識と技術を有する者の配置を基本とすること。 

上記、職員の配置に当たっては、現行の介護療養型医療施設現場の実際の増員配置を尊重し、現行の介護報酬の水準を不合理に低下させることのないよう配慮し、事業者に施設廃止の不安を与えたことにかんがみ、改変にあたっては、合理的説明を行なえるよう特段に留意すること。 
また、現在ならびに将来にわたり、高齢者医療・福祉現場での看護・介護職の不足による、サービスの質・量の確保が懸念されることから、介護報酬上の手当てを実施すること。 

2.施設環境など 
・療養室面積については大規模改修を行なうまで6.4㎡を認め、消防関係など、各種法令についても各省庁との連携をとり、現行基準での移行を可能とする旨を尊守すること。 
・平成12年の介護保険創設時に新設された施設が多い中で、その負債に対し十分な配慮と支援を行うこと。 
・ユニット型施設については従来どおり普及の推進を継続し、取り組みが拡充するよう支援を行うこと。サテライト型や小規模施設については持続的なサービス提供が可能となるよう人員配置や施設構造等において実情に見合う制度となるよう十分な配慮を行うこと。 
  
以上