佐渡市立 両津病院 相川病院への 提案 医師不足解消は 指定管理者制度の導入で対応できる・・



『佐渡市立 両津病院 相川病院への 提案 
医師不足解消は 指定管理者制度の導入で対応できる・・新潟県で近く承認される社会医療法人や新潟大学は公立病院と同様に財政支援措置が受けられる。新潟大学付属病院 や社会医療法人を指定管理者にして 病院機能の役割分担 医師派遣を受けることが出来る。 』  

収益低迷、膨らむ債務 医師不足、経営直撃 佐渡・両津病院 /新潟県 
2008.03.15朝日新聞   
  

 佐渡島の地域医療を支える佐渡市立両津病院が自転車操業に陥っている。医師の給与などを賄う資金が足りないため、市中銀行などから一時借り入れを重ね、不良債務が膨らんだ。「平成の大合併」を県内で最初に完遂し、同市が誕生して丸4年。経営改善策はまだ出ていない。 


 不良債務の解消は急務だ。地方自治体財政健全化法に基づき、新年度決算から自治体病院の不良債務も国が査定することになった。あまりに膨大になれば、財政破綻(はたん)の認定を受ける。 

 自治体病院の主な収益は、治療費などから得る「医業収益」。そこに自治体の補助金などが加わり、「総収益」となる。 

 朝日新聞社が情報公開請求して得た両津病院の決算書によると、合併直前の03年度の医業収益は約20億円。総収益の約16%は補助金など市からの繰入金だった。全国の自治体病院の平均繰入率が約13%だったので、それに近い値だった。また、一時借入金や不良債務もゼロだった。 

 ところが、市町村合併後の04年度、医業収益は約15億円に減少。内科医1人が辞め、内科の入院や外来の収益が前年度より約7千万円減った。外科も、常勤医が1人いたが、収益が前年度より約4千万円減った。 

 市は04年度の繰入金を総収益の約15%にとどめ、足りない分は一時借入金1億7千万円を充てた。繰り入れをせずに借り入れにした理由を、市は「財政が厳しいため」とだけ説明している。 

 05年度も医業収益は約15億円にとどまった。外科医が辞め、外科の収益がさらに約1億円減った。市からの繰入金は総収益の約14%で、2億7千万円を一時借り入れし、不良債務約1億3千万円が発生した。 

 06年度も医業収益は低迷。市は繰入金の割合を変えず、一時借入金は5億円、不良債務は約3億3千万円に膨らんだ。 

 その一方で市は、市立相川病院には総収益の3割以上の繰り入れを続け、同病院が合併前から抱えていた一時借入金と不良債務を06年度までに解消した。 

 両津病院では、不良債務発生の背景は「医師不足」と見ているが、「確保に向けた切り札はない」と話している。 


 ◆病床利用率は県内最低 

 県内の他の自治体病院の07年度の病床利用率の見通しと比較すると、両津病院の59%は最も低い=表。これも喫緊の課題だ。総務省は昨年末に公立病院の経営改善指針を示し、病床利用率70%未満が3年続けば、病床数の削減や診療所への転換を求めている。 

 だが、佐渡市の幹部はこの指針について、「診療所化は住民が反対する。病床数を削っても収益増加は見込めない。風船のように、こっちを押すとあっちが膨れるという状態で、解決しない」と嘆く。 

 収益の低迷ぶりは、県内の他の自治体病院と比べても深刻だ。両津病院の一般病床の平均入院収益の見込みは最も少ない2万1417円。 

 佐渡市は高齢化率が35%と県内20市の中で最も高く、外科医不在の両津病院では高額な診療報酬も得にくい。 

 同じように外科医が不在で不採算地域を担う県立病院でも、一般病床の平均入院収益は松代病院は2万5222円、妙高病院は2万3804円と見込んでいて、両津病院を上回っている。 


 ◆他病院、医師確保に工夫 

 両津病院では医師確保のため、「新潟大学にお願いに行く」考えだが、周辺の病院は期間を限定するなど、確保策に工夫をこらしている。 

 真野湾に近い佐和田病院の療養病床34床はほぼ満床だ。「高齢者施設の空きを待ったまま、入院して2年になる人もいる」と三輪智久院長は話す。黒字経営だが、民事再生で借金を返済中だ。「返済後は引き上げたい」と言う給与は、市立病院の職員らに比べて3~4割低く抑えている。 

 三輪院長を含めると常勤医は2人。今月、京都府立医大卒の院長の同窓生が加わる。来月は院長の同級生が自ら開業するまでの半年間、勤務してくれる。 

 もう一つの市立病院である相川病院は外海府海岸そばにある。大阪医大卒の吉井章院長は「3カ月でもいい」と都会の大学医学部に呼びかけている。吉井院長は「医師には地域医療を志す専門医もいる。定年後の勤務医もいる。的を絞って医師を探す」と話している。 


 ■県内の自治体病院の07年度収益見込み■


 病院名 病床利用率 入院収益外来収益(常勤医数/病床数)
新潟市民 86%  一般48,4969,989 

(107/一般652 感染症8)
佐渡市立両津 59% 一般21,417  10,700 
(7/一般130) 
佐渡市立相川 78%  療養15,356  7,783 
(3/療養58)
上越地域医療センター  78%  一般23,7147,680
(7/一般124 療養55 結核20) 
医療型療養17,917  結核17,526                     
津南町立津南 79% 一般27,600  12,170 
(7/一般62 療養52)   医療型療養14,500 
湯沢町立湯沢 70% 一般24,8006,500 
(8/一般40 療養50)       
医療型療養13,500   介護型療養15,500               

南魚沼市立ゆきぐに大和
76%  一般30,0007,300
(15/一般161 療養38)  医療型療養16.000  
南魚沼市立城内 98% 一般21,7008,100 
(2/一般21 療養4)        介護型療養12,500 
魚沼市立堀之内  85% 一般21,6006,950 
(5/一般34 療養50)       医療型療養13,500 
見附市立  80%  一般25,700      12,500 
(6/一般99)
南部郷厚生   95% 一般24,000      14,200 
(5/一般70 療養50)ホスピス42,000           介護型療養13,100 
水原郷  80% 一般24,6008,700
(15/一般279 療養42)     介護型療養14,700 

<注>県立病院は省略。病床利用率は全病床合計。小数点以下は四捨五入。収益は1人あたり1日平均。単位は円。相川病院の入院収益は医療型と介護型の平均。利用率、収益ともに新年度予算案編成時の見込み。 



「議員優先、可決まで非公表」 一時借入金の額 佐渡市立両津病院 /新潟県 
2008.03.14朝日新聞   
  

 4年前の市町村合併直前はゼロだった佐渡市立両津病院の一時借入金が、その後年々増え、今年度末の見込みで8億5千万円に膨らんでいる。新年度も増える見通しで、市は3日に開会した3月定例市議会に予算案を提出した。ただ、その額について市は、「21日に市議会が予算案を可決するまで市民には公表できない」としている。 

 一時借入金は、職員給与などの運転資金に充てる資金。市中銀行などから借り入れる。 

 10市町村が合併して佐渡市が誕生してから丸4年。この間、同病院は運転資金不足に陥り、一時借入金は雪だるま式に膨らんだ。合併直前の03年度はゼロだったが、04年度は1億7千万円、05年度は2億7千万円、06年度は5億円に増え、今年度は年度末までに8億5千万円を見込んでいる。 

 新年度の予算案に盛り込んだ一時借入金は、市立相川病院などとの合計で12億円。大部分が両津病院のものと見られる。だが、市は病院個別の金額については「市議会優先」を理由に明らかにしていない。一方、利息も増えており、両津病院の場合、新年度分は170万5千円に達するという。 


 (論点・争点 参院選:2)過疎地医療 道筋見えぬ医師確保 /新潟県 
2007.06.19 朝日新聞  
  

 佐渡市立相川病院の医師(47)が12日午後、往診に出た。外海府海岸沿いの一本道を車で走り、海辺の一軒家に着いた。 

 「男の人が来るの、久しぶりやなあ」。医師の姿を見て、ベッドに寝たきりの女性(86)が明るい声を出した。要介護度は最重度の5。認知症も抱える。混乱して声を上げ、同居の長女(60)が眠れないこともある。 

 外で働く長女に代わって、次女(56)が車で通ってくる。朝4時半、8時、10時……と、1日8回、おむつを替え、体をふき、食事を介助する。 

 特別養護老人ホームへの入所は100人以上が待機中と聞き、あきらめた。短期入所を利用して、息をつく。そのうえ母を病院へ連れて行くことはとてもできない。12日の往診に立ち会った次女は言う。「往診に来てもらえて本当に助かる」 

   ■    □ 

 先月29日、参院選を目前に、自民党は緊急の医師確保対策を打ち出した。過疎地の医師派遣体制の構築や勤務医の過重労働解消などをうたう。だが、「体制を整備する」「支援を充実する」などの言葉は並ぶものの、実現させる具体的な道筋は明記していない。 

 相川病院の常勤医3人は全員が県外出身者。県内で唯一医学部を持つ新潟大学からの医師派遣は春から秋までの月2回。冬は3人が交代で急患を24時間受け付ける。 

 新潟大学も医師派遣の余力は乏しい。大学では年約100人の医師が誕生しているが、全員が県内に残るわけではない。今春、県内に残った卒業生は43人にとどまった。 

 佐渡島の他の5病院の医師数も切迫している。昨年度の調査では、医療法で必要とされる医師の数に対する実際の数は、島内平均で86%だ。 

 島南部の厚生連羽茂病院では昨年末、常勤医4人のうち2人が退職。残る2人はベッド45床の病棟と外来の診療で手いっぱいで、訪問診療は中断した。横浜市から新たな医師を1人確保できたのは5月中旬だった。 

   ■    □ 

 医師不足で訪問診療が困難な状況が生まれる中で昨年度、厚生労働省はこうした実情に反して在宅医療を進めるための診療報酬の改定を行った。 

 療養病床の患者の入院基本料を、医療の必要性が低い場合は大幅に削減した。45床を療養病床として抱えていた羽茂病院は、この削減により、一気に赤字に転落した。 

 社会保障費を抑えるため、財務省は来年度、診療報酬の一層の引き下げをもくろむ。だが、参院選を前にしても、この議論は進んでいない。 

 ちぐはぐな医療政策のつけを払うのは、地域住民だ。佐渡市は羽茂病院の赤字のうち約2千万円を補填(ほてん)する方針だ。 

 市は市立両津病院と相川病院も抱える。05年度決算に見る累積赤字は両津が約23億円、相川は約9億円に上る。 

   ■    □ 

 佐渡市の人口は年に約1千人ずつ減り、6月初めには6万7千人を切った。過疎化により市民税収入が先細る一方、65歳以上の高齢者人口は35%を占め、身近に医療を必要とする人が増える。 

 昨年度の診療報酬改定は、看護師の都市集中にも拍車をかけた。看護師が多いと報酬が加算されるため、都市部の病院は看護師集めに走った。 

 ベッド数58床の相川病院。病棟担当の看護師16人のうち3人が08年に定年退職し、09年にも3人が定年を迎える。補充のめどは立っていない。 

 「過疎地に残った人は切り捨てられ、都市の人しか医療を受けられなくなるのか」。同病院の医師は医療政策の行方を注視する。(小野智美)