2008年度から地方独立行政法人化した那覇市立病院が08年度決算で3年ぶりに約1億7千万円の黒字となる見込み。地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構も初年度から黒字経営。 よき先例に学んでほしい。




2008年度から地方独立行政法人化した那覇市立病院が08年度決算で3年ぶりに約1億7千万円の黒字となる見込み。地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構も初年度から黒字経営。 
よき先例に学んでほしい。 


公立病院:民間手法で脱・赤字 独立法人化など検討--毎日新聞アンケート /奈良 
2009.07.09毎日新聞   
  

 ◇自治体財政負担を軽減 高まる経営自由度、医療水準の維持課題 

 全国で7割以上が赤字経営という公立病院の経営を見直すため、総務省は病院を設置する自治体に対し、今年3月末までに経営の効率化や経営形態の見直しなどを盛り込んだ経営改善プランの作成を求めていた。県内では、市立奈良▽大和高田市立▽天理市立▽宇陀市立▽国保中央▽町立大淀▽国保吉野の計7病院が対象となった。 

 7病院に経営形態の見直しについて尋ねたところ、大和高田市立病院が11年度中をめどに、地方独立行法人化を軸に検討していることが分かった。宇陀市立病院は、病院建て替えに合わせて12年4月から、地方公営企業法の全部適用への移行を検討。国保吉野病院も、1年以内に5000万円に上る医業費用の赤字を縮小できない場合、経営形態見直しの検討を始める。 

 指定管理者制度を導入した6病院は現在、自治体の首長が管理責任者で特別会計などを設置し、人事や予算執行は首長が最終的に決めている。地方公営企業法が全部適用されると、首長が事業管理者を新たに設置し、管理者が人事や給与などの決定権を持つ。毎年議会のチェックを受けるが、経営がより自由になる。 

 地方独立行政法人に移行すると、さらに自由度が高まる。首長が理事長を任命し、給与や採用数など独自の人事制度を導入したり、複数年にまたがって予算が執行でき、民間に近い経営形態となる。 

 大和高田市立病院は今年度予算で市から4億円の繰り入れ金があり、担当者は「独法化することで、経営を安定させ、市の財政負担を軽減したい」と話す。また、宇陀市立病院は「給与に経営状況を反映させたり、事業管理者を置くことで意思決定がスムーズになる」としている。 

 こうした見直しは、経営責任の明確化や職員の意識改革を促し、経費削減や迅速な意思決定が可能になると期待されている。一方で、「不採算部門の切り捨てにつながる」という慎重論も出ている。 

 公立病院の赤字経営が問題になる中、県内の公立2病院が、経営の自由度を高めるため、地方独立行政法人や「地方公営企業法の全部適用」への移行を検討していることが、毎日新聞のアンケートで分かった。民間手法を導入することで経営改善を進め、自治体の財政負担を軽減する狙いがある。ただ、これまで提供してきた医療サービスを維持できるかが課題となりそうだ。【阿部亮介】 


12年度までに好生館黒字化 佐賀県が中期目標素案 2009.06.23朝日新聞 
  県は22日、来年度から地方独立行政法人になる「県立病院好生館」(佐賀市)の中期目標素案を発表した。新法人は県が定める目標に従って中期計画を策定し、病院経営の指針にする。好生館は12年度中に佐賀市の嘉瀬地区に新築移転して開業する予定だが、開業時までに黒字化する目標が盛り込まれた。 

 地方独立行政法人法は、県が4年程度の業務運営目標となる中期目標を立て、法人に示すように定めている。県は25日から7月26日まで素案についての意見を県民から募ったうえで、9月定例県議会に提案する方針。可決されれば、正式な中期目標となり、新法人は中期計画を立てる。 

 素案に盛り込まれた中期目標の期間は来年4月から14年3月までの4年間。収益の確保と費用の節減をはかるため、病床利用率や収益に占める人件費の割合などの数値目標を設定し、達成に努めるよう求めている。また、開業時までに経常収支比率を100%以上にして黒字化を達成することも盛り込まれた。 

 このほか、がんや感染症などに加えて、小児・周産期医療について、高度・専門医療を提供することも明記した。現在、好生館は産科医不足から通常のお産の取り扱いを休止しているが、県の新県立病院プロジェクト推進室によると、新生児集中治療室(NICU)の整備なども視野に、産科部門を充実させる方針という。 

 好生館は06、07年度とも赤字決算で、累積赤字は計約16億円に上る。病院の建設・移転総事業費は数百億円の見通しで、新法人は費用の半分程度を負担する可能性が高いため、黒字化の目標を実現できるかは不透明だ。 


「県立病院好生館」黒字化、疑問の声 評価委 /佐賀県 
2009.07.09 朝日新聞  
  
 来年度から地方独立行政法人になる「県立病院好生館」(佐賀市)の業務内容や経営成績を評価する第三者委員会が8日開かれ、法人の中期目標素案について話し合った。好生館は12年度中に同市嘉瀬地区に新築移転して開業する予定で、素案には、開業時までに経常黒字化する目標が盛り込まれたが、委員からは「本当に黒字化できるのか」などと収支改善の見通しを疑問視する声が相次いだ。 

 委員会は医療や経済、学界の有識者ら7人で構成。中期目標は県が策定し法人はこの目標に従って経営指針となる中期計画を定める。この日は、県が中期目標の素案を説明。好生館は06、07年度とも赤字決算で08年度も約8億円の経常赤字を見込むが、県は、収益を増加させて移転開業前の11年度で600万円の経常黒字を予想している。 

 この県の見通しに対して、委員からは「(11年度に)黒字まで上げるのは理事長にとってかなりの責任。大丈夫なのか」「患者が減っていく中で収支を黒字にできるのか。不安を感じる」との発言が出た。県の事務局担当者は「達成は難しいかもしれないが、(法人化で)機動的な運営を図って収益アップを目指していきたい」と説明した。 

 県は今後、委員の意見を反映させたうえで中期目標案を9月県議会に提案する方針。