自治体病院は、つぶれるのか、魅力的な病院に変わるのか、その選択しかない 東海市・知多市の医療のあり方検討会



『自治体病院は、つぶれるのか、魅力的な病院に変わるのか、その選択しかない。 東海市・知多市の医療のあり方検討会』 


 (2009.1.2更新) お知らせコーナー 東海市HP1. 

公立病院と民間病院の統合  全国的な医師・看護師不足で住民の心配は募るばかりです。東海市では4月から市民病院と民間の中央病院が統合してこの問題に対処しています。 
更に今年から知多市民病院との広域医療のあり方について「東海市・知多市の医療のあり方検討会」 
を立ち上げ既に5回の会議を重ね、新年2月27日に報告書が出されます。   急性期の患者受け入れの東海市民病院本院 慢性期の対応をする市民病院分院(旧中央病院)    両病院の比較とめざす姿 市民病院の現状と統合後構想比較  年度比較  病床数 職員数   医師数  看護師数 その他職員  病床利用率  一日当たり  医療収支  
 平成18年度  199床  198人  22人  119人  57人  71.7% 入院141.5人 
外来476.7人  ▼2億9300万円 
 平成21年度  353床  353人  40人  195人  146人  96.0%  入院340人 
外来920人     2800万円 
 区分  旧病床数  現在  医師数の変化  備考 
 東海市民病院  一般病床 199床  一般病床  199床 平成13年度=23人 
平成19年度=20人   
東海市民病院分院  一般病床 250床 
 療養病床  55床  一般病床    60床 
 回復期リハビ 39床 
 療養病床   55床 平成13年度=27人 
平成19年度=15人 統合時は一般病床は99床、 
その後回復期リハビ39床に。  
        計  504床  353床     

 
統合後の診療科目予定 2.東海市民病院・知多市民病院との連携について   

知多市民病院との連携について、知多西部地域の今後の医療体制を論議する中で、「東海市民病院と知多市民病院における連携等のあり方を研究するために検討会」を立ち上げ検討を重ねてきました。 

 [スケジュール] 
 平成21年2月27日 検討会のまとめ 

        ↓ 
 平成21年4月1日 連携協議会を発足? 

        ↓ 
 平成21年9月1日 両市民病院の統合? 


以下「東海市民病院と知多市民病院 における連携等のあり方を研究するために検討会 資料抜粋」 

Ⅴ 課題 

・ 両市民病院とも一部の診療科で医師がいないため全ての救急患者を受け入れることができない。 

・ 二次救急医療機関として常時複数の医師で幅広く対応する必要があるが、医師が不足して常時複数の医師を配置することができない。 

・ 両市民病院とも医師の退職などで常勤医師の不足により入院診療の制限などに陥っており、十分な医療機能を果たしていない。 

・ 両市民病院とも300床程度の病院規模で、診療科全てに常勤医師が配置されておらず常勤医師の全体数が尐ないため、若手の医師に十分な指導ができていない。 

・ 各診療科に複数の常勤医師の確保が難しく、常勤医師数も尐ないため、救急医療負担の増大、診療レベルの低下、医療安全・医療崩壊への不安が発生している。 

・ 臨床研修医は、300床程度の病院より、全ての診療科が揃い、多くの指導医がいる、より規模の大きな病院に集まる傾向があり、現状では両者とも研修医が集まりにくい。 

・ 患者は、必要であれば医療圏とは関係なく医療の質を求めて医療圏外の病院へ行く傾向があるため、地域の中核病院として住民の信頼を得るためには、今以上に医療の質の向上に努めなければならない。 

・ 両市民病院とも全ての診療科が揃っていないため、患者に他の医療機関を紹介する場合がある。 

・ 両市とも市の財政状況が厳しくなっているため、これ以上の繰入金を投入することは難しい。 


Ⅵ 連携等のあり方 

1 果たすべき役割(目指すべき医療) 
・ 救急をいつでも受け入れる体制 
・ きめの細かい病診連携の実施 
・ 全ての診療科を備えた二次医療機能の確保 
・ 知多半島医療圏の北西部地域における病診連携の受け皿となる地域医療に必要とされる全ての診療科を備えた地域完結型機能 
・ 心筋梗塞や脳卒中などの緊急性の高い疾病に対応できる救急医療機能 
・ 勤労者層の多い産業都市に相応した周産期医療 
・ 住民の健康志向に対応した予防・健診機能 
・ 知多半島医療圏における三次救急病院の機能を補完する亜急性期や慢性期の患者への対応 
・ がん診療への対応 
・ 高齢社会に対応した在宅・介護施設との連携やリハビリ機能 


2 目指すべき病院像 
・ 市民から信頼され、開業医が安心して紹介できる病院 
・ 質の高い医療の提供に必要な医師数が確保され全ての診療科が備わっている病院 
・ 二次救急以上の救急医療を担い、標準的な質の癌診療を提供する病院 
・ 急性期と慢性期に対応した病院 
・ 常時、内科系外科系の医師を合わせた複数の医師による当直体制がとれる病院 
・ 手術が多くできるなど医師がやりがいを持って十分に働ける病院 
・ 臨床研修プログラムや指導体制の充実した環境で、研修医や若手医師がやりがいを感じて仕事(学び)ができる病院 
・ 研修医の当直をサポートができる指導医師が配置できる病院 
・ 頑張った人が報われる勤務環境が整えられる病院 
・ 適切な市の財政援助により、健全に運営される病院 


3 連携等のあり方 

・ 自治体病院として存続し公共的な地域医療を担うためには、二つの病院が早急に統合する以外に選択肢はない。 
・ 地域医療の質を確保するには、総合病院機能を備える必要があり、統合する必要がある。 
・ 医師や研修医の確保と定着につながる勤務環境の向上や臨床研修病院としての機能を考慮すると、両市民病院を統合し、全ての診療科を備えた適切な規模の新病院を建設することが最も効果的で現実的な方策である。 
・ 両市民病院が果たすべき役割の実現と表裏をなす医師の確保につながり、病院経営の安定にも役立つものでなければならない。 
・ 小規模病院では医師1人の減尐が、診療や収益の面でも病院全体に大きな影響を及ぼすことになる。様々な面でスケールメリットを生かすには両市民病院の統合が必要である。 
・ 市立半田病院への集中を避けるためにも、知多半島医療圏には救急の拠点となる大きな病院が北西部にも必要である。 
・ 現在は医師不足ではなく医師の偏在であり、魅力ある病院にならなければ医師は集まらない。 
・ 両市民が便利だから二つ別々でよいという考えは難しい。常勤医師30人規模の病院には、派遣に応じる医師がいない。三つの病院を一緒にして医師を集めて、よい教育システムを作ればよくなる。 
・ 経営的には人件費の比率を下げ、病床稼働率を上げる必要がある。病床稼働率が低ければ、病棟を老人保健施設などに変更するなどの対策が必要である。 
・ 経営統合してどちらか片方の施設に集約して、片方は診療所ということも考えられるが、統合が理想である。 
・ 自治体病院は、つぶれるのか、魅力的な病院に変わるのか、その選択しかない。 

4 連携等の進め方 

・ 両市民病院を統合し、新たに建設した病院で医療を提供するまでには時間を要するため、医療の質を確保して、市民の安心と健康を守るには、新病院建設の前段として、まず、自治体の垣根を取り払い、医療資源を再編して有効利用と適正配置を進めることができるよう一刻も早く経営統合を行う必要がある。
・ 連携を考えるには、まず、地域の医療ニーズに対応した診療科の内容と医療の水準、必要な医師数をつかむ必要がある。 
・ 連携等のシミュレーションは、医師の確保など慎重な検討が必要