夕張医療センター 過疎地・離島への医師派遣



夕張医療センター 過疎地・離島への医師派遣(2009年6月1日ガバナンス) 

夕張医療センターの活動は、まだ開業当初の許認可の遅れなどによる赤字の影響が残っています。 
1年間で3000万の黒字が出るようにはなりましたが、資金ショートによる黒字倒産にならないよう、冷や汗をかきながら運営している状態です。 
ですが、一方では、以前から医師不足に悩む過疎地や離島などへの支援を始めました。 
すでに 道内の本別町・雄武町・士幌町・由人町へ医師を派遣し、今後も離島などへの派遣を予定しています。・・・・(2009・6ガバナンス6月号P101 破綻を希望に 小さな「希望」の芽 村上医師)



008/12/05    夕張市立総合病院を引き継いだ「夕張希望の杜」の毎日     
~ 
夕張医療センターは現在医師4人、歯科医師1人で運営されています。さらに来春には5人なる予定で、地方の診療所としては非常に恵まれた状態になっています。 
その一方で、北海道の多くの自治体では医師不足で苦しんでいて、医師派遣依頼が来るようになりました。 
しかし、「困っているから」という理由だけで医師を派遣していては、大学の医局と同じになってしまいますし、うちに来る医師は困っている自治体に派遣されるために集まっているのではありません。 

多くの自治体の「困っている」事情と何でしょうか? 

おそらく、その地域に必要な医療はどの程度で、将来的にどうしていくのか考えている自治体は残念ながら少ないと思います。 とにかく「今まで通りの数を確保して、我儘なコンビニ受診を守れば良い」というのが多いというのが実情だと思います。 

実は夕張のように高齢化が進んだ自治体の多くは、行政や住民が高齢化社会で在宅や予防を含む保健・福祉を十分に考えてやって来なかったかったツケを医療に押し付け、とりあえず医療機関の数を確保するために医師が欲しいと言っている様に私には思えます。 

ある地域では時間外受診が年間1200件もあったそうです。そこ の医療機関は有床の診療所で、救急指定病院でもありません。 
これを24時間365日受ける医師が3名だとしたら、どう考えても労働基準法違反ですし、時間外労働時間は100時間を超え過労死レベルになってしまいます。 

錦の御旗のように使われる「住民の生命を守る」という言葉を 借りれば、どうして徹夜明けのパイロットに飛行機を操縦させようとするのでしょうか? 

働く医師の健康や生命を守らなくても良いのでしょうか? 厚生労働省が決める当直規定では医師の宿直は1週間に1度と決められています。そしてその内容も時間外受診のためではなく、 入院患者さんを守るためのものです。 

つまり本気で24時間365日救急を受けるのであれば、医師は, 最低でも7人は必要なはずです。 

「心配なので医療機関にはいつでもかかりたいが、お金は出したくない」というのであれば実現は不可能なのが今の日本の, 実情です。 

自分達の労働時間や労働環境にうるさい役場の職員も、何故か,平気でこの法律違反を見て見ぬふりをして、疲弊して辞めると, いうとその医師個人を批判します。 

多くの地域の医療崩壊の原因はこの様な事情によります。 

夕張では積極的にこの事を行政や住民に訴えて、結果的に時間外受診は激減しています。 

一部の住民からは批判を受けましたが、その様な人に限って,町外の病院を受診して、困った時だけ時間外で町内の医療機関を,受診しています。 

本当に地元に医療機関が必要なら診療時間を守ってそこを大切に使うべきですし、自分達も健康作りをして検診を受けるべきです。必ずしも大きな病院に通っている人が長生きで健康なわけではありません。 

そんな訳で私達の法人では、行政や住民が医療資源を大切にしようと真剣に考えて、実際に行動している様な自治体を応援していこうという事になりました。 

本当に高齢者を支える医療をやりたいのであれば、医師よりも,むしろ在宅や老人保健施設ノウハウや医療と福祉の連携に必要な人材を欲しがるはずです。 

そんな自治体であれば支援しなくても,医師は来ると思いますし、一緒に町創りをやっていくのが,楽しみに思えます。 

今の北海道ではハードルが高いのですが、破綻してから考えるのであれば夕張と同じです。それも仕方ないのかと思う今日 この頃です。 


 医療法人財団 夕張希望の杜 
  理事長 村上智彦 
   [ http://www.kibounomori.jp/ ] 

■ 「村上スキーム」-地域医療再生の方程式- 
 エイチエス株式会社 \1500 

 ご友人、知人にご紹介ください。 
 [ http://www.amazon.co.jp/gp/product/4902969793  ]