入院基本料にキャピタルコストは入っている? 厚労省佐藤敏信課長はこれまで、どの部分がキャピタルコストをみているか明確にしたことはあまりないと思う・・・




入院基本料にキャピタルコストは入っている? 
厚労省佐藤敏信課長は「これまで、どの部分がキャピタルコストをみているか明確にしたことはあまりないと思う。一般的には入院基本料に含まれていると理解すべき。ただ、これだけで十分にキャピタルコストに相当するものを保証できるかは分からない。検査や処置にも広く薄く入っていると理解する方がいいのかもしれない」と説明 


慢性期分科会の役割見直しで議論へ―中医協   2009/06/11  7:20  キャリアブレイン 

 中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大教授)が6月10日に開かれ、5月の総会で昨年度診療報酬改定に関する「病院勤務医の負担軽減の実態調査」が報告されたことを踏まえ、「入院時医学管理加算」「医師事務作業補助体制加算(医療クラーク加算)」「ハイリスク分娩管理加算」の3加算を中心に議論した。 

小委では、5月末に約2年ぶりに開かれた「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」の内容について厚生労働省側が報告。慢性期医療を取り巻く状況が大きく変化し、分科会の委員がより幅広い議題を求めていることから、次回以降の小委では、分科会の役割の見直しについて議論する方針が決まった。 

この日、厚労省が配布した資料では、入院基本料について、「入院の際に行われる基本的な医学管理、看護、療養環境の提供を含む一連の費用を評価したもの。 
簡単な検査、処置等の費用を含み、病棟の種別、看護配置、平均在院日数等により区分されている。 
なお、療養病床の入院基本料については、その他の入院基本料の範囲に加え、検査、投薬、注射及び簡単な処置等の費用が含まれている」と定義。 

 藤原淳委員(日本医師会常任理事)はこれについて、「キャピタルコストについては、どういう形で入っている、あるいは入っていないのか。つまり、建物や医療機器の減価償却、それから支払い利息であるとか、賃借料とか、そういった記述がないが、そこはどうなっているのか」と質問した。
これに対して佐藤敏信保険局医療課長は、「一般的には、入院基本料や加算と呼ばれるものの中に含まれていると理解すべきなのだろう」との認識を示した上で、「場合によっては特定入院料もあるかもしれないが、これらを積み上げただけで、十分にキャピタルコストに相当するものを補償できているかどうかは分からない。 
実際には、検査料の一部や処置料の一部みたいなものの中にも、広く薄くキャピタルコストに相当するものが入っているというふうに理解するのが一般的だと思う」と述べた。 

藤原委員は「DPCには少なくとも入っていると聞いている」としたが、佐藤課長は「DPCであれ出来高であれ、ものの考え方は基本的には一緒だ」などと応じ、議論は平行線をたどった。 

■入院時医学管理加算の届け出医療機関は170施設超に 

小委の中で佐藤課長は、議論の参考として、6月1日現在の3加算の届け出医療機関数の概算を明らかにした。入院時医学管理加算は、昨年7月1日現在の88施設から170施設超に倍増し、前回の改定で新設された医師事務作業補助体制加算も1000施設(前回730施設)を上回ったが、一方でハイリスク分娩管理加算については、630施設余り(同623施設)と微増にとどまった。 

 入院時医学管理加算が大幅に増加したことに関連して、対馬忠明委員(健保連専務理事)は、今後の議論のために、算定している医療機関の分析を厚労省側に要望。これに西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も同調し、「(加算を)取れているところだけでなく、取りたくても取れないところの調査もお願いしたい」と求めた。 

■社保審の各部会は早く審議を―遠藤委員長 

今後の検討の進め方について、牛丸聡委員(早大政治経済学術院教授)は、「どれだけ時間があるか分からないが、前回改定の結果の検証を踏まえた検討と共に、具体的なことと併せて、もう少し広い視野の日本の医療の在り方について、委員で知恵を合わせていい議論をしていただくとありがたい」と求めた。 
 また、遠藤委員長は「できるだけ早く、社会保障審議会の各部会で審議を開始していただきたいという気持ちがある。また、それを待たずしても、結論から言えば、それほど違うことはないと思うので、中医協としても今後、何が重要かということについて、議論を開始すべきだ」との考えを示した。 


■入院基本料「キャピタルコストどの部分?」集中議論求める診療側 2009年06月11日(木)メディファクス 

 入院料の議論が始まった10日の中医協・診療報酬基本問題小委員会で、西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は「われわれ病院団体は焦っている。 
集中して入院基本料の議論をしてほしい」と述べ、入院基本料がどのようなコストに対応する形で設定されているのか、早期に基本問題小委で集中的に議論するよう求めた。 

 現行の診療報酬体系では、入院料は①入院基本料②入院基本料等加算③特定入院料─の3つある。 
同日、厚生労働省が基本問題小委に提示した資料では、入院基本料の説明として「入院の際に行われる基本的な医学管理、看護、療養環境の提供を含む一連の費用を評価したもの」と記されている。 

 西澤委員は「3つの中で一番重要なのが入院基本料。入院基本料の中に何が入っているのか明確にしてほしい。 
早く入院基本料そのものの議論をしてほしい」と要望した。これに対し遠藤久夫委員長は「できるだけ効率的かつ集中的にやりたい」と述べた。 

 入院基本料に関しては日本医師会も同様の問題意識を持っており、同日の基本問題小委で藤原淳委員(日本医師会常任理事)が「入院基本料でキャピタルコストはどういう形で入っているのか教えてほしい」と事務局の厚労省保険局医療課に尋ねた。 

 佐藤敏信課長は「これまで、どの部分がキャピタルコストをみているか明確にしたことはあまりないと思う。一般的には入院基本料に含まれていると理解すべき。ただ、これだけで十分にキャピタルコストに相当するものを保証できるかは分からない。検査や処置にも広く薄く入っていると理解する方がいいのかもしれない」と説明した。