患者の医療情報 ネットで共有/名嘉村クリニック・浦添総合病院/病診連携へシステム構築/検査の無駄省き的確治療

患者の医療情報 ネットで共有/名嘉村クリニック・浦添総合病院/病診連携へシステム構築/検査の無駄省き的確治療 
2009.06.09 沖縄タイムス社  
  

 内科一般や呼吸器疾患、睡眠呼吸障害などの治療を行う名嘉村クリニック(浦添市、名嘉村博院長)と浦添総合病院(井上徹英院長)はこのほど、インターネット回線を使って、浦添総合病院の電子カルテを名嘉村クリニックで確認できる病診連携のシステム「医療ネットうらそえ」を構築した。5月から運用を始めている。より的確で迅速な治療につながることが利点という。名嘉村院長は「全国でも新しい試みではないか」としている。 

 地域医療支援病院である浦添総合病院と同クリニックは、徒歩圏内の距離にあり、毎月平均して150~170人の患者の行き来がある。従来は紹介状など文書でのやりとりをメーンに医療情報を共有していた。 

 今回構築したシステムでは、名嘉村クリニックの診察室から、パソコンを通じて直接カルテを見ることができる。治療の経過や出した薬、検査の結果など、文書に書き込めなかった点も把握でき、クリニックでの治療に即反映できることがメリットだ。名嘉村クリニックのカルテは浦添総合病院からは確認できない。また、情報共有は患者の同意が前提。 

 浦添総合病院の石川和夫副院長は「紹介状は、忙しい外来の中で、経過など書き込めないこともある。カルテを見れば、情報がスムーズに共有でき、あいまいさがなくなる。(医師側の治療の)意思決定も早くなる」と説明。名嘉村院長も「普段は時間がなく、医師同士の細かい情報のやりとりがなかなかできない。治療の具体的内容が分かることで、検査の無駄を省けたり、正確に治療できる」と、きめ細かい治療につながると話す。 

 カルテの情報共有は、患者の同意が前提だが、いったん同意してもその後患者の意思が変わった場合は、情報共有の対象から外すことも可能。セキュリティー面では、インターネット回線を共有していても、指定したパソコンでなければ情報に接続できないようにしたり、情報にアクセスした人物や日時を把握できるようにしたりするなどの対策を取った。