財政制度等審議会 財政制度分科会・財政構造改革部会  議事録









財政制度等審議会 財政制度分科会・財政構造改革部会  議事録 











平成21年5月11日

財政制度等審議会

平成21年5月11日(月)14:01~16:02 

財務省第3特別会議室(本庁舎4階) 

1.開 会 




2.議 題 



○社会保障(補足説明)・○有識者からのヒアリング 



- 亀田隆明 医療法人鉄蕉会理事長 






:「病院経営が抱える諸問題」 

配付資料 



資料1 社会保障(補足説明資料) 

資料2-1 病院経営が抱える諸問題-病院経営者の観点から- 

資料2-2 「2009年を転換の年に」 

資料2-3 病院経営が抱える諸問題 

資料3 地方財政関係資料(説明資料) 

(参考) 地方財政関係資料(参考資料) 

資料4 国家公務員給与について 






4.出席者 



部会長 

 西室泰三 

  末松大臣政務官 



真砂次長・香川次長・木下次長・迫田総務課長 

松浦官房企画官・西田法規課長・森主計企画官 

谷内給与共済課長・藤本官房参事官・田島調査課長 

茶谷主計企画官・齋藤主計企画官・川嶋主計官 

市川主計官・藤井主計官・井上主計官・可部主計官 

太田主計官・松尾官房企画官・中尾主計官・大矢主計官 

中江主計官 

  

委員 

 井堀利宏・榧野信治・河野栄子・髙木剛・竹中ナミ・田中直毅・富田俊基・吉川洋 

  

臨時委員 

 石橋明佳・岩崎慶市・大塚義治・神田敏子・嶋津昭・土居丈朗・三木繁光・宮本勝浩・保田博・ 

  

専門委員 

今井敬 

香西泰・河 野龍太郎・田中豊・蔵俵孝太郎・水口弘一・渡辺恒雄 

  

      




午後2時01分開会 

〔 西室部会長 〕それでは、時間でございますので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会財政構造改革部会を開催させていただきます。ご多用中のところお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。 



本日は、前回審議をいたしました社会保障に関する補足説明を行った後で、「病院経営が抱える諸問題」というテーマで、亀田隆明医療法人鉄蕉会理事長からお話を伺って、さらに地方財政、国家公務員給与についての審議を行う予定にいたしております。 



時間、限られておりますので、早速、議事に入らせていただきたいと思います。まず、社会保障の補足説明、それに続けて亀田理事長のご説明と一括して行って、その2つをまとめての質疑を行いたいと思います。 







亀田理事長から「病院経営が抱える諸問題」について、お話を伺いたいと思います。資料は、、相当大部な資料でございます。よろしくお願いいたします。 





〔 亀田理事長 〕・・・・・(資料に基づいたお話ですが、資料がありませんので、こちらのホームページでは文中で省略している部分が御座いますが、ご了解下さい)

ご紹介いただきました亀田でございます。 

12月から、財務総研におきまして医療制度の研究会を開催しております。私も委員として、医療経営が抱える問題点から意見を述べよということで、その会を通して少し議論をしてまいりました。 



皆さんのお手元に資料がございます。今日は、資料2-1「病院が抱える諸問題-病院経営者の観点から-」というものと、資料2-2はコストからバリューへということで、医療をコストという視点からバリューという視点に変えていったらどうだろうという提案。そして、資料2-3は、今回、研究会のほうで、15ほど書いてありますが、かなり私見が入っておりますが、幾つかのテーマについて私なりの意見を述べさせていただいたものがございます。今日は時間がございませんので、後ほど是非お目を通していただければと思います。 



簡単に私の経歴としては、過疎地区において、千葉県の南の端の本当に人口が少ない、3万8,000人しかいない町において、民間の医療機関を兄弟とともに、この間、『東洋経済』に載っていたのは弟でございまして、私ではありませんが、社会福祉法人、医療法人等で地区全体、おおむね50キロ圏内の医療、福祉を中心に行っております。職員はおおよそ3,500名、医師400名を超える規模でやっております。 



実は、ここにおられる渡辺会長とは、東京医科歯科大学が国立大学から法人化されたときに医療担当理事として医科歯科大学の経営に携わって、そのときに経営協議会で4年間ご一緒させていただいた経験がございます。国立大学法人の経営と民間病院と両方の視点から物事を見ている立場でございます。 



それでは、時間がございませんので、幾つかの問題について、皆さんのお手元の厚い資料に基づいてお話をさせていただきたいと思います。 



まず、医療の供給体制の問題です。最初に、誤解なきように申し上げておきたいのは、医療というとすぐに医師会、中医協、医療費と来るわけでございますが、医師会というのは主に診療所の開設者が中心の団体であると思っております。これと病院勤務医の意見とは違うことがあります。私の今の立場は先ほど申し上げたとおりでございまして、国立であろうと、民間であろうと、病院経営、高度医療、本当に必要な医療を行っていくためにどうしたらいいかという立場で物事を考えてございますので、その辺だけは誤解なきようにお願いをいたします。 



先日、千葉県で問題になりましたが、銚子市民病院が閉鎖になりました。なぜか。医者が足りない、あちらこちらで医師が足りないといって大騒ぎになっておりますが、本当はどうなんだろうか。絶対数は足りているのか、足りていないのかということがまずあります。それから、よく議論になるのは専門医と開業医の格差、いろいろな問題があります。 



 日本は、ご覧のとおり、OECD諸国の中で人口当たりの医師数はボトムに近い。これは現実問題として事実であります。では、上の方のドイツとかイタリアとかいろいろありますが、ここがすばらしい医療制度かというと必ずしもそうとは言えません。アメリカはどうかと見ますと、大したことないです。ただ、制限医療を行ってきたイギリスですが、以前は日本と同じぐらいでした。 





能力は、当然、女性も男性も変わりません。特に医療においては、女性の方がいい場合が多々あります。しかし、どうしても結婚して子供を育ててというライフサイクルから考えると、働き手としての女性を何%で見るか、ライフサイクルトータルで見たときに何%か。皆さんそれぞれのご意見があると思いますが、おおむね50%から70%とならざるを得ない。そういうことが今の足りない現状に拍車をかけています。 



何でこんなことになったかというと、日本は国民皆保険、誰が何と言おうと、WHOが言っているように、2005年ぐらいまで日本は世界に冠たる医療制度を持っていたんです。ですから、世界一の長寿になったし、しかも医療費が諸外国と比べて決して高くない。世界の特筆すべき制度であるという話になったわけですが、それがために、高齢化でどんどん医師の数も必要になるということが現実として起きました。 



国民皆保険は昭和36年からやっておりますけれども、ここから高度成長時代に入りまして、それまで医師に簡単にかかれなかった、アクセスがよくなかった農民や漁民の人たち、中小企業の方たち、いろいろな人がいたわけですが、国民皆保険によって一気にニーズが高まります。そこに高度成長時代が訪れ、列島改造論に乗って一県一医大という一大構想ができるわけです。そして、1981年か83年ぐらいに、琉球大学を最後に一県一医大は完成します。 



同時に沸き起こったのは、医師過剰になる、医療費が大変なことになるという議論になって、完成した直後から医師の削減、医学部定員の削減をしなくてはいけないということになってきます。これを見ていただきますと、1985年の医学部入学定員8,340人をピークに、10%を目途に削減するという政策に変わったわけです。そして、医者が足りない、何だと言いながらも、この政策は変わらないでずっと来ています。さすがに、去年、おととしから医療崩壊になって、今年から一気に10%増えました。ただ、1985年の定員と、今回、大きく増やして8,486人という定員になりましたが、そんなに大きな差があるわけではありません。しかし、私的な意見を聞かれたら、概ねいい数字ではないかと思います。この程度からもう少し上ぐらい9,000人位とか、そんなに極端に増やす必要はないと、個人的には思っております。 



 医師数の地域による偏在と診療科による偏在とあります。国立大学を出た人は、国民のお金がたくさん入っているんだから、いろいろなインセンティブをつけて無理やり地域に行かせて、義務年限をつけたらどうだとか、いろいろな議論があります。それはそれで一つの議論としてはありますが、医師が何で偏在するかを考えるとき、やはり医師のモチベーションを考える必要があります。医師のライフサイクルと、医師がどういうことに対してモチベーションを持つか。 



多くの医師は、若いころ、ものすごい勢いで働きます。手前の話になりますけれども、私の子供に研修医が2人おりまして、見ていると、帰ってくるのが月に一、二回、早く返ってくる日でも12時ぐらいになる。どういう計算をしても、週に100時間は超える労働時間になるんです。これはしょうがないんです。こういうことをやらなければ、一人前の医者にはなりません。厚生労働省の労働省サイドから見たら、こんなきちがいざたのことをやらせていて、ひっ捕らえようと思って、日本中の国立大学に調査が入ったら、ひっかからなかったところは1カ所もありません。当然のことですが、全部違反をしております。ですが、そうしないと、あるところまでは一人前になりません。 



ただし、これはアメリカでもどこでもそうですが、きちんとした研修を受け、専門医になり、あるレベルで、いいコンディションが持続できる。その中で、医師も子弟の問題だとか、研究の問題だとか、いろいろな問題があります。どこでもいいからがむしゃらに勉強したい時期、家族を持って子弟教育もする、次の世代の人たちも医師にしたいというとある程度の費用がかかります。今の多くの開業医の先生たちは、一生懸命やってきた人たちは自分の専門を捨てて、要するに自分が勉強してきたことを捨てて一般医になる。一般医として育ってきた人はほとんどいません。日本の大学には、一般医を育てる講座はありませんでした。これが非常に大きなむだ遣いになっていると思います。大変なむだ遣いになっています。 



どうすればいいか。幾つかありますが、医師のモチベーションとライフサイクルをよく考えて、どうやったら医師がそこに定着してくれるかを真剣に考える必要があります。ちなみに、私どもの病院はかなり田舎にあります。人口は3万8,000人です。ですが、東京大学や慶応大学の医学部を卒業している人たちが研修を受けに来られて、少なくとも5倍以上の倍率で採用しています。ですから、必ずしも田舎だからとか、それだけで事が片づく問題ではないということは間違いありません。 



研修制度が悪いとか、いいとか言っておりますが、研修の1年目、2年目なんていうのは、本来、労働力として使うようなレベルにはないんです。基本的には、幅広く一生懸命勉強して、将来的に地域医療もやれるようにと思って作った制度だろうと思うんです。その人たちの労働力云々と言うのは、極めてひどいレベルだと思うのが本音です。本当に地域が必要とするのは、そうではなく、きちんと診られるゼネラリストというスペシャリスト、つまり一般医をしっかりとできるある程度のシニアのドクター。あるいは、産婦人科であったり、小児科であったり、専門を診られるようなドクター。それから、日本の中には必要な専門医もいますが、ゼネラリストもいますが、場合によっては多過ぎる科もいっぱいあるわけです。自分が心臓外科なので思うのですが、心臓外科という学会で心臓外科医という専門医資格を持っていて、手術がきちんとできる人は10人に1人くらいではないか。こんなばかげたことをやっていてはいけないと思います。 



 開業医ばかりいい思いをしてと言いますが、では専門医は何なのか。専門医については、専門医制度のハーモナイゼーションを、学会ごとでも、診療科ごとにきちんとした専門医であることを第三者機関のようなところが、医療事故調でもいろいろ問題になっておりますが、厚生労働省が形式的にやるとか、そんなことではだめです。基本的に、大学であったり、民間であったり、いろいろなところから専門家をきちんと、それから国際標準から考えて、各診療科で専門医という位置づけをして、そこにそれだけの待遇をつける。 



こういうことです。外来は開業医に、入院は病院にというのは間違いです。同じ外来といっても役割が違うんです。例えば、同じ糖尿病を診るにしても、糖尿病のほんとうの専門医が診るのは半年に1回。半年に1回診て、きちんとオリエンテーションをつけて、こういう方針でやりましょうと。そのオリエンテーションでもって家庭医というか、一般の開業医がきちんとフォローしてくれる。 



それゆえに、半年に1回であってもこの外来は非常に大事です。だけど、この半年に1回の外来と、週に1回診ている外来では、週に1回診ている開業医の外来のほうが高いんです。これは非常に不思議なことです。外科でも同じようなことが当然あるわけですが、専門医に対しての評価が全くない。 



学会も大学も含めて専門医の権威をきちんと、専門医である以上、この人のオリエンテーションでやれば間違いないというだけの根拠が必要になる。学会も大学も開業医もみんなそうですが、制度が悪いと思ったときは我々を含めて本人たちが一番悪いんです。それはよく反省して、こういうものを早急に整備して、産婦人科の問題であれ、小児科の問題であれ、何であれ、きちんとした評価制度によってインセンティブをつけていく方がはるかに大事です。 



スーパースペシャリストの心臓外科ですとか、そういうものに関しては、定員を設けなくても、何例以上の症例をやるとか、これだけの技術がなければ専門医としては認められないとなったら、おのずと育てられる人の数は決まってくるわけですから、不要な人は育たないんです。 



今、言っている問題は全部に直結します。医師の偏在、特に科の偏在、何の偏在というのは、ここに問題があります。それから、教育制度です。最初からゼネラリスト、一般医になるための教育は、うちでは家庭医診療科のような教育をやっているんですが、これは1年目から5年ぐらいの間にきちんとした教育をすればいいんです。そうしたら、若くても立派な一般医が育てられます。 



時間が非常にかかってしまいそうなので少し飛ばします。 



看護師は、OECDの中で日本は特別足りないわけではありません。今、一番大きな問題は、超高齢化とはどういうことか。医療依存度もさることながら、急性期病院、あるいは国立がんセンターであったり、ナショナルセンターにおいても、我々のようなところにおいても、大学においても、患者さんの平均年齢がものすごく上がっているわけです。そうすると、医療以外に介護の部分でものすごく手がかかってしまうことがあります。ですから、療養型ではなくて急性期病院であっても、今までと違って看護師でなくてもやれる部分、サポートできる部分はたくさんあります。日本の社会制度、医療制度もそうですけれども、社会保障は、男は55歳定年、60代で大体亡くなるというベースでつくられた制度ですから、やはり抜本的に考え方を変えなければならないことだけは間違いないわけであります。こういうところにそれがあらわれています。 



 過剰な病床数と一病院当たりの過少なスタッフ数ということですが、明らかに病院数は過剰です。ですから、病院数は大幅に減らす必要があると思っています。病床数ではないです、病院数です。急性期病院、亜急性期病院、療養型病院を全部足すと、ベッド数はそんなに余っていませんけれども、きちんとした区分けをして、それぞれの役割分担をもっとはっきりする必要があります。 



これはお世辞でも何でもないんですが、ここにお集まりの方の中にも何人かおられるようですが、私、初めて社会保障国民会議の答申を拝見しました。昨年の秋だったと思います。非常にまじめにやっておられる会だということで感心をしました。福田さんのときに始められて、途中で立ち消えになって、我々から見るとはっきりわからない。ただ、アウトプットを見ると、非常にリーズナブルなことが多く書いてあります。もちろん意見が違うこともありますが、これは一つのたたき台になると思います。少し余談でした。 



そこにあるように、ベッド数が非常に多い、1ベッド当たりの職員は非常に少ない。これは、皆さんおわかりのとおりです。どうすればいいか。基本的には、急性期病院の数を大幅に減らして、それぞれの役割分担をはっきりさせる必要があるということは事実です。 



 コメディカルへの権限委譲の不足。最近、僕が一番ばかげていると思うのは、皆さんご存じだと思いますが、薬学部が4年制から6年制になったんです。にもかかわらず、6年間勉強してきた人がやれることと4年制のときと何か違ったか。何も変わっていません。何でこういうことになるのか。2年間も余計に、そうじゃないのかもしれませんけれども、せっかく臨床のことをやるんだったら、臨床の現場でもっと権限の委譲をしてやれるようにしていただきたい。 



看護師にしてもそうです。例えば、心臓外科の人工心肺の技師はMEというものができて、今、この人たちが生命維持をやっています。麻酔看護師の問題を提起したとき、僕は袋だたきに遭ったことがあるんですが、ここはおそらく同じようなことです。権限の委譲は、これからどんどんやっていくべきだと思います。そのことによって、経済的にもあまり大きな負担でなく、より良い、安全な医療ができると思っています。 



次に、医療費抑制政策がどんなことになっているか。覚えていらっしゃると思いますが、2002年、2004年、2006年、2008年に診療報酬はこのような改定になっています。2008年は0.38のプラスになっていますが、基本的にはマイナス成長が続いています。バブル経済後の日本の経済成長率が、マイナス1.何%だったということで大騒ぎになりました。そういう市場経済の中で、一方的にどんどんマイナスになっていったときに本当にもつか。結局、もたないものですから、破綻を起こしているところは現実にあると思います。 



 千葉県立病院、7病院あります。ホームページを見ていただければわかります。千葉県立病院7病院の経営状態です。医業収益を100としますと、医業費用は135.4です。35.4%の赤字です。どうしているか。下に書いてありますが、医業外収益のところで他会計負担金・補助金、他会計からの繰り入れがこれだけあるわけです。つまり、千葉県立病院を診療報酬で賄おうとすると、30%以上の診療報酬増がなければ黒転できません。これが現状です。 



これがひどいと思ったら、次のページをごらんください。都立病院です。医業収益を100としますと、医業費用は146.7%です。そして、他会計からの繰り入れその他だけで、ごらんのとおり450億円近いお金が入っています。 



小泉さんが3.16%のダウン――何が起きたか。給与費は何も変わっていませんし、経費は何も変わっていません。非常にシンプルに他会計からの繰り入れが増えていく。日本中で起きています。2,200億円の削減などという話が時々問題になりますが、この辺を見てください。繰り入れているのは、実際の赤字はたった10カ所かの都立病院だけです。千葉県も、たった7病院です。千葉県7病院の医者の数は300人です。亀田病院の医者の数は400人です。それでも100億円以上、実際には110億円程度の繰り入れをしないと成り立たない。これが自治体病院の実態であります。 



これを真剣に受けとめなければ、小手先の2,200億円だ何だと言っているレベルでは、計算してみたら、おそらく日本の都道府県の県立病院とか府立病院は、それだけの赤字幅、要するに他会計から繰り入れている実際の額を下げても、医療費抑制だ何だといって診療報酬を下げたって、ただ繰り入れ、別会計から出ている。まさに民業圧迫です。 



 自治体病院は93.3%が赤字だと書いてありますが、これは違うと思います。先ほどのデータで、黒字の病院があると本当に思えますか。僕には思えないので、どういうところが黒字か、黒字の病院があったら本当に見せていただきたいと思っています。 



次のページです。これは新しいデータですが、自治体立病院100床当たりの収支ということで、ずっと赤字ですが、これもどこまで会計が正しいかよくわかりませんが、全国公私病院連盟というところから出ている資料であります。総収益から総費用を引いたところがありますが、当然のことながら自治体は赤字です。 



 日赤とか済生会とかその他公的病院です。一度だけ黒字になっているようですが、ずっと赤字が続いています。 



 私的病院です。民間病院ですが、ぎりぎりプラスマイナスゼロぐらいでやっていたんですが、とうとう赤字になりました。つまり、今の日本の病院といえるセクターで、黒字を維持しているところはゼロです。全部赤字です。ということは、現在の診療報酬体系でやれる病院は日本中ありません。 



次のページに、そのことが書いてあります。自治体病院も、赤字の額がどんどん増えるので、経営をもっとちゃんとしろと言われているわけですが、幾ら経営をちゃんとしても絶対に赤字は改善しません。 



次のページ、要は診療報酬が下がっても、公的な医療機関、特に自治体立等は、別に給与が下がるわけでもボーナスが下がるわけでもないわけです。我々の税金から、そちらに繰り入れが増えているだけです。 



当然、医師はまた別のモチベーションがありますが、医師以外はそちらにみんな流れます。これは、まさに民業圧迫です。私のところは、看護学校を一生懸命やって、育てていますが、やはり給与のいい、ボーナスの高い、退職金の高い病院に大勢流れています。 



 職種別年間給与です。これは、いろいろなところから引っ張り出しました。実は、最高におとなしいデータを出しています。何がおとなしいデータかというと、退職金制度が盛り込んでありません。医師、歯科医師のところは除いて見てください。看護師、准看護師、医療技術員、事務員と書いてあります。自治体病院がピンクです。公的病院が黄色です。私的病院がブルーです。看護師589万円です。最高に不思議なのは次です。准看護師682万円、医療技術員654万円、事務職員690万円です。ここで面白いのは、看護師と准看護師のデータを見てください。自治体の看護師は平均589万円です。順看護師は682万円です。なぜだと思いますか。これが大赤字の非常にわかりやすい原因です。 



看護師は、救急であったり、ICUであったり、重要なポストにつけざるを得ない。看護で忙しい、責任もある。したがって、疲弊してターンオーバーがあります。准看護師は、比較的重要でないポストにつくことが多い。したがって、ずっと長く勤めていられます。公務員給であれば、何もしなくて長く勤めている人の給与が高くなるのは当然のことであります。事務職員には労務も入っておりますが、もしかするともっと低負担なのかもしれません。残念ながら、このスタイルで当てはめますと、日本の民間病院で黒字になる病院はありません。 



だったら、全部税金でやるのか、国でやるのかということになる。あるいは、民間でやるのかということになるんですが、これを見てください。実は日本は、施設数、病床数とも民間が非常に大きなウエートを占めています。これは社会保障国民会議のデータにあったかもしれませんが、世界中で民間の病院が過半数を占めている国というのは日本とアメリカしかありません。 



したがって、大きな問題になるのは、民間病院におけるキャピタルコストはどうなのか。今、我々の病院を含めて、きちんとした病院を一つやろうとすると数百億円かかります。キャピタルコストはどうするのか。先ほどから出ている自治体立にしても、国公立にしても、基本的には公共事業でつくられています。もともと財投を含めて、財投の資金で返済しろといっても返済ができないので、当然のことながら運営費交付金として他会計からの繰り入れで賄ってきています。 



民間はどうなのか。医療費の中にキャピタルコストが入っているのか。もし医療費の中にキャピタルコストが入っているのであれば、最初から公共投資を前提としている公的な医療機関はその分が除外されなければなりません。そうでなければイコールフッティングにはならない。もし、入っていないとしたらどうするか。診療報酬というのは制度上、リインバースメントですから、理論上、キャピタルコストの返しようがありません。にもかかわらず、日本は70%が民間病院、しかもそこが一番コストがかかっていない。あまり赤字幅が大きくない。このキャピタルコストの問題を真剣に議論しなければなりません。 



 現在、できることといったら何か。例えば、福祉医療機構からの非常に長期、低利の融資だとか、日本政策投資銀行からの融資だとか、もともと医療は市場原理で動いておりません。値段もすべて国が決めています。中医協の問題がありますが、中医協の選び方は皆さんに真剣に考えていただかなくてはいけないと思います。ただし、医療が市場主義で動いていない。これがいいか悪いかは、今回のサブプライムローンを見ても何とも言えないと思います。 



その中で、今、民間は、要は資本という概念をまず排除されている。医療法人には公的な資金を資本に入れることもできなければ、株式会社からの資本を入れることもできない。唯一、個人の出資です。あるいは、出資を一切認めない。基本的に、資本の概念を除外しているわけです。そして、一般の金融機関から借り入れをして、やれB/Sがどうだと。もともと資本主義の概念を除外しているところを、金融庁がB/Sがどうだなんて議論したって何の意味もないわけです。本来、キャピタルコストを医療費で入れるべきなのか、どういう形で入れるべきなのかをきちんと議論しなくてはいけない。ここは決定的に欠けているんです。欠けている以上、現在、少なくともブリッジとしてできることは政策融資です。こういうことはほかにもあるかもしれない。 



僕の私見を申し上げれば、日本政策投資銀行の民営化は暴挙だと思っています。福祉医療機構などについてはどうすればいいかというと、実は額が全然話にならないんです。今の医療で病院をやるのに、5億円、6億円のレベルで病院をやるのは不可能、数百億円になるわけです。ですから、最低でも1けた、できれば2けたぐらいの規模の拡大をしていただきたい。あくまでもブリッジです。抜本的なところは、制度に組み込まなければいけません。 



 中には、診療報酬では絶対にカバーできない診療科があります。これは、うちの病院の去年4月から1月までを最高によく見ています。実は、この中に補助金が入っています。補助金を年間数千万円いただいて、その補助金も入れた数字です。医業損益というところを見てください。小児科だけで医者が十七、八人いると思いますが、医者が増えて、いい医療をすればするだけ、ただ赤字が増えるだけです。医者1人増やすと、年間に1,000万円の赤字が増えます。それはわかっているんですが、千葉県の南の公的医療機関には1カ所も小児科の病棟はありません。入院施設は我々1カ所です。赤字はわかっていて、どんどん大きくしています。 



公的な病院は、赤字部門をやるから赤字になる――嘘です。今、公的な病院全体を見ていただけばわかりますが、不採算医療はどんどん減っています。なぜか。自治体の経営に大きなダメージを与えてくるから、どんどん減っている。これが実態です。そこが赤字の原因だなんていうのは、真っ赤なうそであるということをご認識いただきたいと思います。 



本来であれば、公的病院の意義というのはそこにあるんです。例えば、我々のところでも本当に難儀してしまうのは、脊髄損傷センター、皆さん、スーパーマンが落馬して入院されたのを覚えていらっしゃると思いますが、ああいう方をご家族も安心して、本人も安心して入れておける施設がありません。こういう施設については、どうしても公的なところでやらなければいけない。しかし、公的なところでやらなければいけないことについては、日本は非常におくれているということをご認識いただきたいと思います。 



資本については、民間資本の導入の問題、あるいは補助金の活用の問題、寄附の活用の問題、P/Lについては他会計からではなくて、混合診療を原則として解禁をして、ネガティブリスト方式にしたほうがいいだろうという意見。 



もう一つ大きな問題として、病院は消費税の問題があります。消費税を医療に充てようと言いながら、病院にとっては非常に大きな重しになっています。これは、私どもの鉄蕉会の消費税です。19年度の仕入れ消費税額、いわゆる控除対象外消費税額が7億円を超えています。もし、これをゼロ税率にすると、ここがゼロになるわけですから、7億円助かるわけです。薬を買うときには消費税がかかっておりますが、転嫁できませんから、要するに消費税は全部病院の負担になっています。我々のようなところにしてみると、これは大変に大きな、固定資産税以上に大きな問題になっています。10%になったら、うちも間違いなくつぶれます。したがって、これについては是非きちんとした議論をしていただきたいと思っております。 



IHN(インテグレーテッド・ヘルスケア・ネットワーク)、千葉県において我々がやっていることが少し産業としての参考になればと思って持ってまいりました。 



 メインキャンパスは、5万坪のところに二千数百人、医者は400人ぐらいいます。その次がクリニックです。救命救急センター、総合周産期、多少ぜいたくな部屋ですとか、ITを使ったネットワーキング、リハビリテーション病院。それから、昨年は、銚子と同じくつぶれかけた医師会病院が館山にありました。最終的には私たちの病院で引き受けて、1年で病院始まって以来のドクターの数に増やして、経営的にも安定をしております。 



 鴨川市の予算とうちの予算の計上費用です。ごらんのように、鴨川市の特会まで含めた予算よりも、亀田メディカルセンターの予算のほうがはるかに多くなっています。 





病院職員というと平均年齢が高いというイメージがあるかもしれませんが、うちの職員の平均を見ますと35歳になっています。 



人件費です。メディカルセンターと関連会社を入れますと、職員の給与は鴨川市の一般会計のおおよそ1.5倍になります。この人たちはほとんど周辺に住むわけですから、地域の財政にとっては、少なくとも公共事業をやるよりも、医療費の場合、個人の懐に入るお金が半分はあるわけですから、それが2次効果、3次効果といくと、圧倒的に大きな経済波及効果があります。ちなみに、鴨川市は、国からのお金、公共事業とかのお金よりも、うちのボーナスを出す時期のほうがはるかに大きな意義があります。 



 日本の医療機関の国際競争力はどうなのか。これは本当は虫垂炎の手術ですけれども、わかりやすく盲腸手術と書いてあります。日本は上海より安いです。これは、先ほどの亀田病院の個室に入院した場合の費用です。日本では39万5,000円です。これは何を意味しているか。日本はコスト競争力、医学のレベル、世界と闘おうと思えば闘えるんです。日本の中で供給が足りないと言っているだけではなくて、もっと大きな目で、多少国際的なことにも目を、私のところは今年8月、JCIという国際基準を日本で初めてとる準備を進めています。明確にこういうことを意識して、これからやっていくつもりでおります。 



さらに、この後ろに幾つかありますが、規制を強化すべきこともあるし、混合診療を禁止しているがために、民間療法でわけのわからない、我々医療者から見たら到底受け入れられない行為を平気で許可してしまっている。僕はびっくりしたんですけれども、自己多血小板血漿注入療法、要するに自分の血を抜いて、それをもう一回入れる民間療法があるという話を聞いて、恐ろしくなりました。混合診療を容認していないために、こういう自由診療部分には一切不干渉です。そうはいったって、国民の健康問題ですから、そんなことは許されるはずがないので、自由診療についても規制すべきはすべきです。 



それから、我々から見ると、聞いたこともない小さな診療所にPET-CTが入る。診断できる人もいなければ、採算もとれるはずがなくてみんなつぶれています。こういうものは必ず規制をしていかなくてはいけない。9番、10番、MRIの数、CTの数を見てください。 



最後に、規制を緩和すべき項目も幾つか出ています。 



ほんとうに長くなってしまいましたが、私としては、皆さんにわかっていただきたいことが100倍ぐらいあるんですが、駆け足でお話をして、わかりにくいことも多々あったと思いますが、書いたものだけでも後でお目を通していただければ幸いでございます。長時間にわたりご清聴いただきまして、ありがとうございました。 




〔 西室部会長 〕

田理事長、大変ありがとうございました。 



それでは、時間、相当詰まっておりますけれども、ただいまの亀田理事長からのお話、その前の太田主計官からの追加説明等に関連して、ご質問、ご意見ございましたら。恐縮ですが、名札を立てていただいたほうがわかりやすいので、名札を立てていただけますでしょうか。 



それでは、土居委員から始めてください。どうぞ。 




〔 土居委員 〕

大変興味深いお話をありがとうございました。医療をコストではなくバリューで見るというお話は、非常に興味深く拝聴いたしました。 



時間もありませんので、1点だけお伺いします。特に民間病院の存在は非常に重要だと思うんですけれども、キャピタルコストの問題をご指摘なさいまして、きちんと診療報酬で考えるなら考えるという方向で議論する必要があるのではないかと私は思うんです。確かに、ホスピタルフィーという発想を考えていなくはないけれども、私が知る限り、キャピタルコストと必ずしも明確に議論されていないように思います。それは中医協でそういう状況になっているのか、そもそも病院関係者の中でもまだ理解が浸透していないのか、キャピタルコストというものの病院関係者の理解、さらには中医協関係者の理解は、どういう現状になっているのかというあたりを少しお伺いしたいんですが。 




〔 亀田理事長 〕

 正直申し上げまして、私、中医協に出ていません。それと、民間病院の方たちとのおつき合いがそんなに深いわけではないので、どれだけの理解があるか、正直なところわかりません。ただ、制度上の欠陥であることは事実で、おそらく今まで厚生労働省の中だけで議論したり、中医協で議論しても、議論が大き過ぎて、きちんとした議論ができていないんだと思います。まさにこれは財政審であるとか、財務省がある程度一緒に入って制度設計をしなければならない、国のレベルで少し考えなければいけない。 



でも、この話が財務総研で出たら、総研の方たちが調べてくださいました。他の国ではどうだったんだろうということで、この間もちょっと議論しましたが、入っていましたという報告を受けています。つまり、諸外国にはキャピタルコストはこうだと明確にすることが、きちんとされているところはたくさんあります。消費税の問題についても、はっきりすべきだと思います。医療の中に入れるなら入れるでいいんです。いろいろな方法が考えられますが、うやむやにするからいけない。クリアカットにしてくれれば、それでいいんです。 




〔 西室部会長 〕

ほかに。河野委員、どうぞ。 



〔 河野(栄)委員 〕

通しナンバーいうと29ページになるんですけれども、混合診療の原則自由化をということで、この話に私も賛成で、ほかのところでもよくこういうふうに言われています。平成19年に違法であるという判決が言い渡されたにもかかわらず、現状はどこら辺にあるのか教えていただければ。 



〔 亀田理事長 〕

これは、私にとっても非常に不思議な話でして、日本医師会が言っている意見と、現場でやっておられる開業医の人たちの意見では全然違う部分も多いし、我々のような勤務医といいますか病院をやっている者、あるいは大学病院の者の意見とも違います。その中で、僕が知る限り、医師で混合診療をやりたくないと言った人の意見はほとんど聞いたことがないので、どこで、だれが、どういうふうに思っているのかがよくわからないんです。 



大学では、新しいことをやるために、どうしてもまだ診療報酬に通ってないものを使ったりします。それは亀田病院でも一緒です。大学ではどうしているかというと、研究費といって他会計から繰り入れているだけです。医科歯科大学でも年間に何億円かあります。我々のところはどうしているかというと、しようがないから泣き寝入りをするか、その部分だけ自由診療で、1回退院をしていただいて、それをやるためだけに入るか。費用は当然膨らみます。患者さんの負担は間違いなく増えます。これは、間違いなく懲罰的な方法です。明らかに懲罰です。何でこれがいいのか、何が本質なのかがよくわからないんです。何が一番の原因なのか、正直わかりません。 



ただし、先ほど言った民間療法みたいなものも含めて、医療である以上は自由診療部分だからといって野放しにしていいものではないと思います。人の命を預かるわけですから、どんな療法であろうとも厚生労働省として責任があります。お金の問題ではないわけですから。 



そういうことも踏まえて、ネガティブリストは必要だと思います。混合診療反対とか賛成とか、混合診療というのも変ですけれども、僕は新しい診療、自由診療と保険診療の乗り入れは当然賛成です。だけど、その中でやってはいけないネガティブリストはあってしかるべきだし、規制というのは原則やっていいけれども、こういうものはだめですというのが規制であって、頭ごなしにだめだというのは規制ではないと思います。 




〔 西室部会長 〕ありがとうございます。 



岩崎委員、どうぞ。 



〔 岩崎委員 〕質問ですけれども、先ほどから問題に出ている開業医、勤務医、専門医の格差ですけれども、診療報酬の体系を、どこまで、どんな形で改革していけば解決に向かうのかというイメージがあれば伺いたい。 



もう一つ、これは政治問題としてなかなかブレークスルーできないということで、一部では第2医師会をつくったらどうかという議論も出ています。これについては、どうお考えでしょう。 




〔 亀田理事長 〕第1点目の診療報酬制度ですけれども、基本的には、先ほど申し上げたように開業医の方たちもきちんとやれる。今の開業医は、元専門医なんです。自分の専門性を発揮すべきものを犠牲にして、一般開業医になっているわけです。それは、ライフサイクルなんです。なぜか。自分の子供たちを何人も育てるためにはどうしてもお金が必要になる、自分がやりたい医療を捨ててお金をとるわけだから、お金ぐらいはちゃんと、その分、自分は何十歳まで一生懸命やってきたんだから、それぐらいいいでしょうという話です。ここは、やはり教育制度に大きな問題があります。最初から総合医として育って、数年間できちんと開業ができる。リーズナブルなお金が取れれば、それはそれで何の問題もない。 



専門医は、先ほど少し申し上げましたが、専門医という定義をきちんとオーソライズして、同じ疾患を診たとしても、たくさんは診られないけれども深く診て、それ相応の診療報酬も得られる。こういう仕組みに変えるべきだと思います。そのためには、まずは医師が襟を正して、きちんとそこのところをやる必要がある。要するに、いいかげんな専門医とか、学会の都合だとか、そんなことではだめだと思います。それが第1点です。 



すみません、2つ目の……。 




〔 岩崎委員 〕第2医師会。 



〔 亀田理事長 〕第2医師会については、今度の改革がございましたね。公益法人法で、医師会が何の役割かは別として、本当の意味できちんといい医療をやっていくための公的な意味での医師会、これにはいろいろな人が入り、政治団体ではなくて、そういうものが必要であるということは、僕もそうだと思います。よろしいでしょうか。 




〔 西室部会長 〕けて、大塚委員。 



〔 大塚委員 〕さまざまな貴重なご意見をありがとうございました。 



1つ質問ですが、IHNについて先ほど少しだけ触れられました。ここに書いてございますように、亀田メディカルセンターを中心とした機能分化と、さまざまな医療関連機関の連携というのは、これからの一つの大きなコンセプトになり得ると思うんですけれども、これは亀田メディカルセンターという大きな事業体だからできることなのか。あるいは、他の経営主体も含めて、繰り返しお話が出てきますように、民間の診療所のようなところも含めて、こういったネットワークができる可能性、見通しみたいなものはあるのか。あるいは、他の地域でも同じようなフィージビリティーがあるのかどうか。その辺、ご感想になるかもしれませんけれども、お聞かせください。 




〔 亀田理事長 〕インテグレーテッド・ヘルスケア・ネットワークというのは、考え方はいろいろありますが、日本中どこでもできる可能性があると思います。まず第1に、その可能性を否定しないのは、大学をも含めて、何でなければいけないのか、こうでなければいけないとか、何とか立でなければいけないとか、そんなこと医療の場合はどうでもいいんです。全部ノンプロフィットですから、基本的には大勢に影響はない。ただ、そこに政治が絡んだり、特に地方の政治が絡んだりすることでぐちゃぐちゃになりますが、そういうことがなければ、基本的には日本中すべてにポテンシャリティーは持っています。 



なぜかというと、たまたまうちのような民間病院が基幹になっていれば、そこを中心にやればいい。そういうものが全然ないところにでも、日本は一県一医大で大学病院のないところはありません。そういう大学を、今までの医局の派遣みたいな形でのやり方ではなくて、もっともっと機能統合をして、別に経営統合を全部しなくてはいけないと言っているわけではなくて、機能を、要は限られた資源でもって合理的に、一番いい形で供給するには、基本的に競争ではないんです。要は、急性期病院はこの規模だったら、罹患率を考えたらこれだけの規模で、しかも、それをやるからには相当な規模がなければいけない。 



急性期病院の規模は、我々が考えている規模はどれぐらいかというと、医師は最低200名です。皆さんが望んでいるような急性期医療というのは、医師が200名いないと無理です。なぜか。理由は簡単です。先ほども言ったように、小児をいつでも診てもらいたいと思ったら、小児科の先生は24時間、365日張りついていないといけないわけです。そのためには、もし5人の先生がいるとしたら、夜中に寝ないで働いている日が少なくとも5日に1日あるわけです。だけど、トップになるような我々ぐらいの年になると、週に1回も2回も徹夜させられたらかなわなくて、とてももたないから辞めます。 



そうなると、何人だったらやれるか。少なくとも小児科をちゃんと診てよというのだったら、どんなに少なく見ても10人です。産婦人科も同じです。最低でも10人です。そういうものを足して、救急をたらい回しするな、はい、わかりました、やりましょうといって普通の生活をしようと思ったら、最低200人の医者が要ります。 



そういう部分を中心に据えて、幾つかの地域の2次といいますか、基幹病院と亜急性期をちゃんと受け取ってくれる病院、それから安心して長期入院できる病院、それぞれの役割をうまく分配することで圧倒的によくなるわけです。 



ところが、今、何が非常に問題かというと、となりの町に市民病院があるから、うちの町に市民病院がないと町長選挙で落ちるとか、市長がリコールされるとか、そんなことでやれといったって無理です。よくいろいろな市町村が聞きに来ますけれども、僕は毎回同じことを言います。閉めたほうがいいと言います。4つ近いところの市が来たら、とにかくきちんと話し合いをして、4つを1つにすれば何とかなる。 



住民がと言いますが、ある意味住民の言うとおりにやっても決してうまくはいきません、つぶれます。住民は、小さな病院であっても、病院なのだから24時間、365日、どんな科でも診てくれるのが当たり前だと言います。そのとおりやったら、医者は全部死にますし、財政はすべて破綻します。当たり前のことですから、これをどうやって説明していくかがポイントだと思います。 




〔 西室部会長 〕大変ありがとうございます。 



髙木委員、どうぞ。 




〔 髙木委員 〕先ほど、混合診療に反対するのはだれかわからんというお話がございましたが、私ども反対をしてきております。今のルールがほんとうにいいとは思ってない面がもちろんあることは、先生のおっしゃったとおりだと思います。一種の保険外診療の領域にかかわって、新たな損害保険等にかかわるビジネスチャンスづくりみたいな発想でいろいろ議論されたり、そういういろいろなことを含めまして、患者の立場で見たときに、それがどういう影響を与えるものか、十分吟味をしないままの議論が今まで多かったのではないかという感想を持っております。そういう意味ではきちんとした議論が必要で、やみくもに広げろ論だけでは、はい、そうですかというわけにはまいらないと思っておりますので、その辺の解明をされた上でご発言いただけたらと思います。 



〔 亀田理事長 〕非常に大事な視点だと思います。私がお話し申し上げているのは、患者から見て非常に不都合が多い制度である。そういう意味で、混合診療を解禁していただきたい。ビジネスはどちらでもいいですが、自分が患者のときに、死ぬか生きるかの病気のときに、あの薬は保険に通ってないから、もしかしたら使えば助かるかもしれないのに使えない。 



ついこの間も、うちの病院でありました。腫瘍内科というものがあります。シカゴから戻ってきた優秀なオンコロジストがうちにいますが、向こうで使っていた薬がもしかしたら効くかもしれない。それを使うのだったら全額自費になります。懲罰です。もし、できるとしたらアメリカに行くか。ものすごい大金持ちならいいです。実際には、こういうことが病院の中で多々あります。したがって、患者さんにあまりにも不利益なので、我々は混合診療を解禁してほしいと言っているのであって、ビジネスを、別に自分は保険会社でも何でもありませんから、我々はそういう意味で申し上げているわけではありません。 お立場がわからないと言っているのは、我々医療者、患者の目線で見て僕らとしては、違う意見があることも、それがいけないと言っているのではなくて、どういう意味で言っているのかと申し上げているつもりでございます。 




〔 西室部会長 〕いろいろご質問申し上げたいこともあるように思うんですけれども、時間の関係がございまして、ほかの議題もございますものですから、本件につきましてはこの辺で一応締めさせていただきたいと思います。 



亀田理事長、大変お忙しいところお見えいただきまして、ありがとうございました。それから、いただきました資料、今、ご説明いただいたもののほかに2つございますので、それにつきましても勉強させていただきたいと思います。大変どうもありがとうございました。 



それでは、恐縮ですが、次の議題に入らせていただきたいと思います。地方財政と国家公務員給与に関する審議でございます。一括して説明を行いまして、その後、まとめて質疑を行いたいと思います。 



まず、地方財政につきまして、藤井主計官から説明をよろしくお願いいたします。