厚生労働省平成21年度補正予算 『地域医療再生基金の事業例』など



 厚生労働省平成21年度補正予算 
『地域医療再生基金の事業例』など 


1 地域医療の再生に向けた総合的な対策 
  3,100億円 

救急医療の確保、地域の医師確保など、地域医療の課題を解決するため、都道府県が2次医療圏を単位として策定する「地域医療再生計画」に基づく以下のような事業に対して、都道府県に地域医療再生基金(仮称)を設置して財政支援を行う。 

・ 地域内において医療機関の機能強化、機能・役割分担を進めるための連携強化 
 ・ 医師事務作業補助者の集中配置など勤務医・看護師などの勤務環境改善 

・ 短時間正規雇用制度といった多様な勤務形態の導入による勤務医・看護師などの確保 

・ 大学病院などと連携した医師派遣機能の強化 

・ 医療機能の連携や遠隔医療の推進のための施設・設備の整備 

・ 新生児集中治療室(NICU)・救命救急センターの拡充、NICUや回復期治療室(GCU)の後方病床としての重症心身障害児施設等の整備 等 


2 医療機関の機能、設備強化等 
   2,096億円 
(1)災害拠点病院等の耐震化等 1,741億円 

災害拠点病院等の耐震化を促進するため、建替工事等に係る経費の一部助成などを行うとともに、独立行政法人福祉医療機構における医療貸付の限度額及び貸付利率等の優遇を図る。 

(2)国立高度専門医療センターの先端医療機器の整備等 356億円 

がんや循環器病など国民の健康に著しく影響のある疾患について、原因究明のための研究の実施、医療技術の開発、治療法の確立・均てん化の更なる推進を求められていることから、国立高度専門医療センターにおいて高度専門医療機能の強化を図るための先端医療機器等の整備及びそれに伴う施設整備を行う。 


3 革新的な医薬品や医療機器の開発支援、審査体制の強化 917億円 
(1)先端医療開発特区による最先端医療技術開発の加速 120億円 
先端医療開発特区において、iPS細胞など最先端の医療技術の研究開発に取り組む24課題に対し、研究を加速させるために必要な設備・機器等の整備を行う。 
(2)がん、小児等の未承認薬等の開発支援、治験基盤の整備、審査迅速化 
797億円 
がんや小児などの重点分野において、海外で承認されているが国内では未承認の医薬品等の開発の支援、分野ごとに治験の一元的管理を可能とするような治験・臨床研究支援機能の強化などを実施する。 
また、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の審査員を増員して国内未承認薬などを最優先に審査する体制(審査期間を12か月から6か月に短縮)を新設するほか、同機構のITシステムを刷新し、審査体制を強化する。 

4 新型インフルエンザワクチンの開発・生産体制の強化 1,279億円 

・細胞培養法を開発することにより、現在の鶏卵培養法では1年半~2年を要する全国民分のワクチン生産期間を約半年に短縮する。 

・細胞培養法の開発期間中は、国内企業の鶏卵培養法での生産能力強化を図る。 

・有効性や利便性の高い「第3世代ワクチン」の開発を推進する。 


5 レセプトオンライン化への対応 291億円 
自らオンライン請求を行う医療機関や薬局に必要な設備投資等の支援を行う 



(解説) 
地域医療再生に補助金、与党、1兆円の基金検討2009年3月28日asahi/com 
     
 医師不足対策や救急医療体制の強化を目指し、与党は27日、追加経済対策に「地域医療再生基金」(仮称)の創設を盛り込む方向で検討に入った。都道府県ごとに地域医療再生計画をつくり、計画実施に必要な費用を基金から補助する。09年度補正予算を念頭に税負担で基金を設置し、少なくとも3年間で1兆円規模とする案が浮上している。 

 与党が厚生労働省と調整中の案によると、都道府県が医師確保や救急医療体制の整備などを盛り込んだ地域医療再生計画を策定。実施に必要な費用を国が補助する。地方の実情に応じ、幅広い使途を認める方針だ。 

 現時点では、大学病院などと連携した医師派遣システムの強化▽産科を強化した病院への支援▽病院内・病院間をネットワークでつなぐIT(情報技術)基盤の整備▽医学生の地元定着を促すための奨学金や寄付講座の支援――などが想定されている。 

 国は医療機関などを対象にした施設整備や人件費などの補助について、都道府県にも負担を求めてきた。しかし、財政難で自治体が支出できず、結果として国の補助制度そのものが使えないケースがあった。基金は、こうした「地方負担分」の軽減にも活用する方針だ。 

 地域の拠点病院を強化することで、周辺に予防医療につながる薬・医療機器メーカー、介護事業所などを集積させ、「健康長寿産業」が地域の雇用の受け皿となることも狙う。 

 このほか、災害時に地域医療の中核となる災害拠点病院の耐震化費用の補助率の拡大も検討している。厚労省によると、国の耐震基準を満たしているのは6割弱。国は4月から耐震化工事の補助率を従来の3分の1から2分の1に引き上げるが、追加対策で補助をさらに手厚くする。