岐阜県多治見市民病院改築資金73億円は 市と指定管理者が折半。社会医療法人 木沢記念病院は37億円を負担する。



岐阜県多治見市民病院改築資金73億円は 市と指定管理者が折半。社会医療法人 木沢記念病院は37億円を負担する。 
金沢医科大学付属氷見市民病院の前例が参考になったのではないか。 

 
核心 地域担う社会医療法人 “半官半民”税優遇が追い風 医師不足、赤字 公立病院は苦境 患者の不安解消へ 
2009.04.20中日新聞   
  

 医師不足や赤字に苦しむ公立病院が増える中、民間病院が各県から「社会医療法人」の認定を受け、公的な地域医療に責任を持つ動きが広がっている。厚生労働省によると、三月上旬までに全国で三十三法人を認定。「公立」と「民間」の中間的な病院が地域医療を支えるという仕組みが生まれている。(社会部・島崎諭生) 

 岐阜県美濃加茂市の木沢記念病院の一階ロビーには毎朝、多くの外来患者が詰めかける。病院を運営する「厚生会」は昨年十月、全国で三番目に社会医療法人の認定を受けた。山田実紘理事長は「大学病院や県立病院よりも高度な医療機器を入れ、地域の医療を支えてきた」と胸を張る。

 社会医療法人は、医療法改正で二〇〇八年度から認定が始まった新しい区分。救急、災害、へき地、周産期、小児救急の各医療について、救急車受け入れ台数などの条件を満たす医療法人を認定する。医療所得に対する法人税が非課税となるなどの優遇がある。同病院では約三億円が非課税となる見込みで、増収分を新たな機器導入などに向ける予定だ。 

 これまで自治体が運営する公立病院や、日本赤十字社などが運営する公的病院は、税で同様の優遇を受けていた。山田理事長は「もともと医療は儲(もう)けるものではないという信念でやってきた。公立や公的の病院と差があることがおかしかった」と語る。市内や近隣市町には公立病院がなく、長く地域医療の中核を担ってきた。救急車の受け入れは市外からも含め、年間約二千五百台に上る。だが、患者らに十分に理解されないつらさがあったという。 

 「いくらいい医療をしても、『公立の方がいい』とか『儲けている』という目で見られた。私たちが“半官半民”の社会医療法人になれば、患者に安心してもらえる」と利点を語る。 

 同県多治見市が募った市民病院の指定管理者にも、厚生会は名乗りを上げた。厳しい経営が予想され「引き受けるのは損だ」という声もあった。山田理事長は「社会医療法人になった以上は、地域への義務を果たさなければならない。単に『税制上、得だから』と認定を受けるのではいけない」とくぎを刺す。 

 中部地方では岐阜県で厚生会を含む二法人、長野、滋賀県で一法人ずつが、三月上旬までに社会医療法人認定を受けた。さらに四月には愛知県で三法人が認定された。 

 同県安城市の八千代病院を運営する新和会も、その一つ。百年以上の歴史を持ち、公立病院がない安城市北部の地域医療を担ってきた。これまで救急など不採算部門の維持に苦労してきたが、税制の優遇面が大きな助けになるという。 

 同病院ではこれまでも、市長や市議長、地元の町内会長らを招いて協議会を開き、病院の運営状況を説明してきた。今後は地域住民に情報を公開していく計画だ。松本隆利理事長は「公的な社会医療法人になる以上は、いっそうの透明性が必要になる」と責任の重さを口にした。 

 (メモ) 

  社会医療法人の認定要件  救急は、時間外の救急車搬送件数が年750件以上あることなど。災害は、防災訓練や災害派遣医療チーム研修への参加経験などが条件。へき地は、へき地の診療所に派遣した医師の延べ人数が年53人以上あること。周産期は、年の分娩(ぶんべん)件数が500件以上で、救急車などによる母体搬送が10件以上あること。小児救急は、6歳未満の乳幼児を診療した件数のうち、時間外で受け入れた件数の割合が20%以上であることなどが基準。 



岐阜県多治見市/市民病院建替/09年度に基本設計 
2009.03.27 日刊建設工業新聞   
  

 岐阜県多治見市は、現地改築を計画している多治見市民病院について、建設費が52億~63億円、総事業費は83億~94億円となる見込みを明らかにした。当初予算案には周辺用地の取得に向けた測量調査費などとして4100万円を計上しており、地元や地権者の理解が得られれば補正予算で用地費を措置する。そのほか、債務負担行為(09~10年度)で基本設計費7400万円も計上しており、用地取得に見通しがつけば設計に着手する。 

 建設費は、1床当たりの床面積を70~85平方メートル、250床を確保する前提で算出した。また、現病院(前畑町2、3)の敷地面積は約1万0900平方メートルだが、施設配置や駐車場確保などゆとりを持たせて現地改築を行うには周辺用地の確保が必要。取得面積などは未定だが、地域住民や地権者らに対して今後も事業説明を行い早期の同意を得たい考えだ。 

 同意が得られれば取得面積を確定し、用地費を補正予算に計上する。また、市はこれらの作業と並行して指定管理者候補団体の社会医療法人厚生会(木沢記念病院、岐阜県美濃加茂市)と新病院の規模や機能などを協議し、基本設計に着手したい考えだ。 

 14年度としていた開院予定時期についても、厚生会側は早期の開院を望んでいることから、スケジュールについても今後詰めていく