銚子市立総合病院休止、 膨大な情報のなかから 銚子市議会臨時会(2008年8月21日)での越川信一議員の反対討論は経過の真実が良く判る・・・夕張再生と比較されており説得力ある反対討論である。




 銚子市立総合病院休止、 膨大な情報のなかから銚子市議会臨時会(2008年8月21日)での越川信一議員の反対討論は経過の真実が良く判る・・・夕張再生と比較されており説得力ある反対討論である。 



(以下(2008.08/22 [Fri] 銚子の話題ブログより) 
病院休止関連議案可決! 

昨日の銚子市議会臨時会(定数26/出席議員26人)は、多数の傍聴人と報道関係者が見守る中、銚子市立総合病院休止関連議案2本(〔議案第1号〕平成20年度銚子市病院事業会計補正予算<第1号>、〔議案第4号〕銚子市立総合病院の診療業務の休止に伴う関係条例の整備等に関する条例制定について)の採決を行い、無記名による投票で、賛成13:反対12で可決採択された 

  
議場傍聴席と報道席は満席となった 
無記名投票を行う25人の議員 

 本会議は午前10時に開会し、はじめに病院休止に係る2議案について採決を行った。 
 採決方法に関し阿部美明議員ら4人から無記名による投票が求められたのに対し、三浦眞清議員ら4人から記名投票の要求が行われ、採決方法の決定を無記名投票で行った。この結果、採決は無記名投票で行うこととなった。 
 次に山口久・教育民生委員会委員長により委員会報告が行われ、委員長報告への質疑の後、越川信一、吉田忠三、小林良子、石上允康、神林敏郎、加瀬庫蔵、阿部美明、宮内和宏、星伸人、岩井文男の10議員によって議案に対する賛成、反対の討論が行われた。 
 最初に討論を行ったのは越川信一議員で、議案第一号、第四号の市立病院休止議案に反対するものだった。 
 以下、越川議員の討論要旨(文章表現は発言そのものではありません)。 
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 今回の市の方針は市立病院を9月末で休止し、その後、公設民営、または民間譲渡で再開しようとするものだが、休止の方針が発表されたのは7月7日、全面休止になるのは9月末で、これは誰が考えても拙速すぎる決定だ。 
 わずか2ヶ月あまりで患者を転院させ、事務局員以外の職員全員を整理解雇する。再開の見込みがないまま休止してしまう。こんな強引なやり方に強い憤りを覚える。 
 来年3月までは診療を継続し、その間に公設民営を含む次の経営体制を決め、4月以降、新体制にスムーズに移行し、患者も職員も引き継いでいく。それが患者や職員に不安を与えない、市民の命と健康を守る自治体の義務だと思う。 
  
8月5日、20日に市長に手渡された署名は、合計4万6442名に上った。 
市立病院を守ることを公約としてきた岡野市長に、なんとか9月末全面休止を思いとどまって欲しい。 
行き場の無い人の命綱、セイフティネットである市立病院を休止させないで欲しい。 
市立病院を愛し存続を願う署名です。市民の思いを市長はどう受け止めているのか? 
  
私たち議員は市民に選ばれ、市民の声を代弁する存在です。 
市長が判断を誤ろうとしたとき、市民の思いを受けて決起し、最後の砦となるのが議員の役目。この原点に立ち、署名の重みを感じながら休止反対の意見を述べたい。 

 いま求められているのは、患者の命を守るためにも、職員の生活を守るためにも、市立病院を休止せず、医師数に合わせた体制に縮小しながら来年3月まで市立病院を継続すること。 
その間に公設民営、指定管理者などの次の体制を決定すること。 
新体制が決定するまでは市立病院を継続し、医療の空白期間を作らずに患者と職員を引き継ぎながら、新体制にスムーズに移行していくことだと思う。 
  

9月末で全面休止すれば、公設民営、指定管理者で再開することもきわめて難しい。休止によって解雇され、ばらばらになった職員と患者を本当に集められるのか? 
先日、工藤議員と訪問した医療機関スタッフも「いまいる職員を出来るだけ引き継ぐことが大事」と言っていた。 
 指定管理者も、いまある職員や経営資源を引き継ぐことが得策。 
建物や医療機器のメンテを考えて空白期間を生じさせずに引き継ぐことが求められている。 
  

現実に松井稔先生のように、「市立病院が継続するのであれば、そこに残り、地域医療に貢献したい」と言う医師もいる。 
休止で次の病院は内定しているけれど、「市立病院が継続するなら考え直す。残りたい」言う先生もいる。 
こうした先生方中心に精神神経科と療養病床、リハビリ病床を中心にしたものに縮小する。 
これなら常勤医は数名で運営できる。看護師、医療スタッフ合わせて100名以下に縮小し、給与カットもお願いする。 
これなら来年3月までの継続は、最小限の追加支援で充分継続可能と思う。 
その間に来年4月以降の指定管理者など新体制を決定し、患者・医師・職員を引き継いでもらう。 
それが患者にとっても職員にとっても、指定管理者、銚子市にとってもメリットがある。 
  

岡野市長は「病院を休止しないと夕張になってしまう」と言う。 
しかし、財政再建団体になった夕張が、最後まで守ろうとしたのは病院だった。 
  
夕張市立総合病院は、平成19年3月で閉鎖された。しかし、翌月4月1日には、公設民営、指定管理者による「ゆうばり希望の杜」夕張医療センターが開業している。 

患者やスタッフもきちんと引き継いでいる。 
それが指定管理者に示した条件だったからです。 
夕張市のように、まず指定管理者を決定して、それがスタートして公設公営の市立病院を閉じる。 
空白期間をおかず患者や職員を引き継いでもらう。 

少なくとも次の体制が決まって、スタートしてから公設公営の病院を閉じるのが手順ではないのか? 
  
銚子市は指定管理者も再開も全く決まっていないのに、まず9月末の全面休止を決定してしまった。これからようやく指定管理者の公募に動き出すというおかしなやり方。 
発表から休止までわずか2ヶ月あまり。指定管理者も再建策もないまま、なぜ休止を強行するのか? 
指定管理者が決まらないままの休止は、出口の見えない真っ暗なトンネルに突っ込むようなもの。
夕張のように指定管理者が決定して新体制がスタートするまで、現在の市立病院をなんとしても継続する。 
これが責任ある手順。 
  
市長は8月7日の市民説明会で、「病院を二度救ったけれど、三度目は金が尽きた。 
公約でもあり市立病院を残すために走り回ったが、市財政でこれ以上負担できない」と休止理由を述べた。 
  
20日の議案質疑では、「病院を現状のまま運営した場合、7億円の追加支援が必要になるのに対し、病院休止の場合には、約10億円の精算費用が必要になることが明らかになった。 
病院存続の7億円は出せないけれど、休止するための10億円は出せる。これでは筋が通らない。 
  
一昨日の委員会審査で明らかになったように、休止決定に至る経緯にしても、休止理由にしても、いずれも合理性、正当性を欠く。 
「万策尽き果てての決断」とは全く言い難い。以下、その理由を述べていく。 

 まず、休止決定に至った経緯だが、知事と市長の2回目のトップ会談が行われたのが7月3日。 
9月休止を決定したのが7月4日午後1時から開かれた市長と病院副委員長との会談。休止が発表されたのが7月7日です。 
 「7月3日の知事との会談では、9月末休止は全く話し合っていなかった」と市長は述べています。 
市長は「7月3日、銚子へ帰るとき精神科だけでも残そうと思っていた。 
ところが県庁から銚子へ来るまでに、県の健康福祉部の山本理事から菅谷副院長に連絡が行き、オフレコの情報が病院職員に漏れてしまった。 
市役所に帰って菅谷副院長に確認したところ、『もう病院には一人も残る医師はいません』と言われた。 
病院はもうパニック状態だった。精神科を残すためには常勤の内科医2名が必要と言われた」と休止決断の経緯を述べている。 
そして翌日の7月4日、午後1時から行われた菅谷副院長との会談で、突然、9月30日の休止が決定されてしまった。 
県も驚いたと思います。県は7月3日の会談で、9月休止を全く話し合っていなかったわけだから。なのに、菅谷副院長の「もう病院には一人も残る医者はいません」という言葉を鵜呑みにして、9月末休止を決定してしまった。 
 しかし、「もう病院には一人も残る医者はいません」というのは全くのでたらめでした。 
このとき小児科の久保田医師も、内科の松井医師も残ると言っていました。 
ほかの内科の先生たちも「私たちは辞めません」と言っていました。 
精神科の存続に必要な2名の内科の常勤医を充分に確保できた。 
  
市長は委員会審査で、「医師一人一人に確認しなかったのは事実です。 
院長職務代理者が権限を持っており、それを聞いて判断した」。 
こう述べている。なぜこんな大事なことを自ら確認して判断しなかったのでしょうか?医師一人一人と会って、残るかどうかを確認しなかったのか?多くの医師が「残りたい」と言ってくれたはずです。なのに副院長の言葉を鵜呑みにして、わずか一日で休止決定してしまった。 

多くの医師が退職に動き出したのは、9月休止発表の後。 
少なくとも7月3日の時点では、「もう残る医師は一人もいない」という状況ではなかったはず。 
「もう病院には一人も残る医師はいない」というのが事実でなかったなら、休止決定も撤回すべきでなかったか?間違った情報に基づいた間違った判断。間違った休止決定だと言わざるを得ない。 
  
次に休止の理由ですが、市は大幅な経営改善を行っても多額の追加支援が必要になるが、市の財政状況では支援は困難であることを挙げました。市長の言う「病院は2度救ったけど、3度目は市の金が尽きた」という理由です。本当に市の金が尽きたのでしょうか? 
  
現行の体制を維持した場合は、7億円の追加支援が必要になる。 
しかし、私が示したように、精神科と療養病床、回復期リハビリ病床を中心とした100名程度の体制なら、もっと少ない追加支援で済むはず。 
職員も休を2割カットされても残りたいと言っている。 
7億円の追加支援が必要でも、本当に市は捻出できないのか? 
 一般会計228億円、予算総額488億円の銚子市が、7億円の資金を工面できないはずは無い。 
例えば、財政調整基金4億2000万円がなくなってしまったら、翌年度の資金繰り不足に対応できない。 
災害時対応が困難、と市は言います。しかし、市立病院全面休止は、大規模災害に匹敵する銚子市最大の危機です。 
市民の命と健康を守るために財政調整基金を取り崩すことは、充分、市民の理解を得られると私は思う。 
  
水道事業会計からの借り入れもまだ可能です。年度をまたがる一時借り入れも可能です。 
たとえ赤字予算を組んだとしても、銚子市は必ず復活できる。しかし、何の見通しもなく休止してしまえば、市立病院復活は困難になる。 
  
もう一つ私が疑問を感じるのは、一昨日の委員会で市長が発表した、精神神経科診療所の開設です。 
先ほど委員長の話にあったように、10月1日から民設民営で精神神経科診療所を開設する。市立病院のE棟、B棟(筆者註:棟名は聞き違えている可能性あり)を使い、千葉大から日勤医を派遣し、外来・デイケア・訪問看護を行う。この趣旨は場所を無償貸与し、開設資金貸付、ソーシャルワーカーの人件費補助も検討する。 
医療スタッフは千葉大が採用する。診療所開設のためには9月末日で市立病院を休止する必要がある。 
 この精神神経科の民間の診療所開設について私が疑問に思うのは、現在市立病院の精神神経科がありながら、なぜ同じ建物を使って、わざわざ別の民間診療所を作って、そこに千葉大が日勤医を派遣するのかということ。市立病院精神神経科には派遣できないが、民間診療所なら派遣できる。その理由はあるのか?行革推進監は「柔軟に対応できない」と言っているが、そこまで市立病院を信じてないのか?そんなことをせず直接千葉大から市立病院に派遣していただければ、市立病院の精神神経科は休止せずに続けることが出来るじゃないですか。 
市長が7月3日に思っていたように、「精神科だけでも残したい」という思いが適うじゃないですか。スタッフだって整理解雇せずに引き継げるじゃないですか。それをなぜわざわざ民間診療所を作って、医療スタッフを全員解雇して、新しいスタッフは千葉大が採用する。職員の首を切るための方便としか思えない。 
 診療所開設のために市立病院を9月末で休止するというのは全く逆の話し。千葉大が市立病院に精神科の医師を、たとえ日勤医であっても派遣してくれれば、民間診療所は全く必要ない。市立病院精神科なら交付税措置もある。安心感も違う。7月3日に「精神科だけでも残したい」と言っていた市長が、そこまでして市立病院を休止したい理由は一体何なのでしょうか? 

 以上述べたように「万策尽き果てた」という状況では決して無い。何が何でも9月に休止しなければならない状況ではない。諦めるのはまだ早い、知恵を出せば来年3月まで必ず継続できるはずです。公的医療に情熱を燃やす医師もいる。医療スタッフもいる。精神科と療養病床と、回復期リハビリ病床を中心とする継続可能な縮小案も考えられる。追加支援のお金も本当にないという状況ではない。市長、もう一度歩み寄って来年3月まで継続し、その間に次の体制を決定すること。患者と職員を新体制につけることを考えませんか? 
  
もし9月休止後、再建できないまま閉鎖が決まれば、「公的医療を守れないまち」と言われ続けることになる 
。地域医療を守れないまちに誰が住みたいと思うでしょう? 
国保成東病院の坂本昭雄院長は、今回の銚子市立病院の休止について、次のように述べています。「いったん病院を倒した自治体を医師は信用しない。二度と再建できないだろう」 。こう痛烈に批判しています。いったん病院を倒した自治体を医師は信用しない、病院をもう一度再開しようと思っても、信用されない自治体にどんな医師が来るでしょう? 
  
市長、いまからでも遅くありません。病院を休止せず、患者の命を、市民の医療を、職員の生活を守るために休止せず、3月まで継続するために知恵を出し合いましょう。夕張のように、病院職員をしっかり作るために、指定管理者が決まりスタートするまで休止せず継続する決断をしていただけませんか?もう一度知恵を出して、歩み寄ることは出来ませんか? 
 以上、議案第1号及び4号の反対討論とします。