財務省は、医師が不足しがちな地域への診療報酬を手厚く配分することで偏在を是正する見直し策を検討。



財務省は、医師が不足しがちな地域への診療報酬を手厚く配分することで偏在を是正する見直し策を検討。与野党で高まる医療費総額の増額要求をかわす狙いもありそうだ。年末に予定している診療報酬改定に向けて厚生労働省などとの議論を本格化させる 


医師数格差4.6倍に 財務省、独自指数公表 地方で不足、鮮明に 都市部集中 診療報酬の見直しも 
2009.04.22岩手日報   

  

 財務省は二十一日、都道府県ごとの医師数について、人口と面積を基準に算出した独自の指数を公表した。指数が最大で医師数が相対的に最も多い東京都と、最小の茨城県とでは四・六倍の格差があった。地方で医師不足が深刻な一方、都市部に集中しがちな実態が浮かび上がった。 

 財務省は、医師が不足しがちな地域への診療報酬を手厚く配分することで偏在を是正する見直し策を検討。与野党で高まる医療費総額の増額要求をかわす狙いもありそうだ。年末に予定している診療報酬改定に向けて厚生労働省などとの議論を本格化させる。 

 財務省がこの日開かれた財政制度等審議会に提示した試算は、二〇〇六年度の都道府県ごとの医師数を全国平均を一として指数化。単なる人口比に比べ病院への距離なども反映されるため、利用者の実感により近い指数とみている。 

 それによると、最大の東京は三・一九で、続いて大阪二・四三、神奈川一・五三、福岡一・四五、京都一・三三と大都市を抱える都道府県が上位に並ぶ。一方、指数が低いのは茨城〇・七〇、岩手〇・七四、青森〇・七四、新潟〇・七六、福島〇・七六などだった。 

 へき地の医師不在に加え、産婦人科や小児科などの医師不足が深刻化しているものの、全国の医師数は〇六年度までの十年間で14・4%増加。地域格差だけでなく、診療科別でも精神科や泌尿器科など医師が比較的多い分野でさらに増える傾向があり、医師の偏在が拡大している可能性がある。財務省は診療科ごとに開業できる枠を設ける案も検討する方針だ。 

本県は46番目 広い面積も背景に 

 本県の指数は〇・七四で、四十七都道府県中、四十六番目だった。医師不足などを背景に、地域医療の崩壊が始まっているが、財務省の指数でも浮き彫りになった。 

 指数の内容を見ると、人口当たりの指数は〇・八〇で、三十九番目。しかし、本県の面積(15279平方キロメートル)は、北海道に次いで広いため、面積当たりの指数は〇・二〇となり、四十六番目になった。 

 全国的に見ても、東北六県はおおむね指数が低い。宮城の三十位が最高で、山形が三十八位、秋田が四十一位、福島が四十三位、青森が四十五位、本県が四十六位。医師が都市部に集中し地方で不足しがちな実態が東北地方で顕著になっている。 

 県が二〇〇八年度に独自に試算した県内の公的な中核病院における必要医師数を見ると、県全体で百九十一人の不足というデータもある。 

 県医療局は〇九年度から県立五地域診療センターの入院ベッドをなくす無床化計画などを盛り込んだ新経営計画をスタート。医師の負担軽減などを図っているが、絶対的医師不足の中で、即効策はないのが実状だ。 

 医師確保に向けて、地方だけの努力には限界がある。医師偏在を是正する見直し策など、国の積極的な取り組みが求められる。 

 指数の算出方法とは 2006年度の都道府県ごとの医師数について、人口当たりと面積当たりでそれぞれ全国平均を1として指数化。地方交付税の配分割合を参考に、人口による指数と面積による指数を9対1の比重で再計算した。指数が大きいほど、医師数が相対的に多いことを示している。