改革プラン・・ 全適の「効果」は少ないとの見方もある。ガイドラインも「全適でも経営の自由度は高まるが、独法化に比べると範囲が狭い。効果が表れない場合はさらなる見直しが適当」としている。・・・

 


  改革プラン・・ 全適の「効果」は少ないとの見方もある。ガイドラインも「全適でも経営の自由度は高まるが、独法化に比べると範囲が狭い。効果が表れない場合はさらなる見直しが適当」としている。・・・・村山地方のある病院担当者は「国に『作れ』と言われたから作った。頑張るけれど、目標を達成できるかどうか......」とこぼす。医師不足や診療報酬の切り下げが収入減に大きく影響しており、経営努力だけでは限界があると感じているからだ。黒字化ばかり迫る国の姿勢に、不満を募らせている病院関係者は多い・・・・・????? 


経営形態見直し 病床削減など規模縮小も 公立病院「改革プラン」 /山形県 
2009.04.14 朝日新聞   
    22ある県内公立病院の「改革プラン」が、ほぼ出そろった。赤字体質からの脱却のため、民間譲渡や地方独立行政法人化など経営形態の見直しを選択肢に掲げたり、病床削減など規模縮小を盛ったりした病院もある。プランを実行し、県民への医療サービスを維持・向上できるのか。公立病院が正念場を迎えている。(佐藤恵子) 


  ●「民間譲渡」視野 米沢市立や寒河江市立 

  県内22公立病院の経営状況は一覧表の通り。軒並み累積赤字を抱え、07年度末の総額は447億円。07年度決算では約3分の2が経常赤字だった。21病院が08年度末までに改革プランをまとめ、昨年建て替えた天童市民病院は初年度の経営状況を踏まえて策定するため09年度にずれ込む。 

  今回のプランでは、8病院が「経営形態の見直し」を盛り込み、「民間譲渡」を選択肢とした病院も二つある。 

  その一つが米沢市立病院。 

  (1)民間譲渡(2)公設民営となる指定管理者制度(3)市から独立した地方独立行政法人化--の選択肢から10年度中に結論を出す。 

  もう一つは寒河江市立病院で、民間譲渡、指定管理者、独法化、地方公営企業法の全部適用(全適)について11年度中に結論を出す。公立病院は従来、同法の会計ルール部分だけが適用されてきたが、全適になると、新たに任命される病院事業管理者が予算案作成権や人事権、給料決定権などを持ち、より自立した経営がしやすくなる。 

  ただ、両院とも「現在の形態のまま経営改善できれば、変更しない可能性もある」と含みを持たせている。 

  酒田市立八幡病院は「13年度をメドに経営形態を変更する」と打ち出した。(1)独法化(2)診療所化(3)全適、について検討する。独法化は、単独のほか、昨年4月に独法化した日本海総合病院(酒田市)との統合も考えられるという。今秋にも関係者で検討会を立ち上げて議論する。 

  西川町立病院も診療所化や全適を検討するとしている。山形、鶴岡市立荘内、朝日、真室川の各病院も全適の検討を表明した。 

  全適については、07年度末に約5億円の不良債務が発生した公立高畠病院が今月移行し、病院事業管理者に町内の「たいようパン」の大浦利延会長を任命した。4県立病院や米沢、白鷹両病院もすでに移行済みだ。 

  ただ、全適の「効果」は少ないとの見方もある。ガイドラインも「全適でも経営の自由度は高まるが、独法化に比べると範囲が狭い。効果が表れない場合はさらなる見直しが適当」としている。 

  病床利用率が低下している病院では、病床数を減らす動きが出てきた。 

  利用率が8割台前半に落ちていた県立河北病院は、4月から286床から61床減らした。県立病院課は「病床削減で人件費なども減らして収支改善しつつ、6床の部屋を4床にして療養環境を向上させた」と話す。 

  08年度にも3病院が病床削減や規模を縮小。寒河江市立病院が160床から35床、北村山公立病院(東根市)が380床から20床をそれぞれ削減。利用率が5割を切っていた旧金山町立病院は有床診療所となり、50床を19床にした。 

  一方で、利用率が低下しているにもかかわらず、病床数を維持する病院もある。 

  西川町立病院は利用率の目標を58%とした。国は3年連続で70%を下回った場合、病床削減や診療所化を迫っている。目標値が70%より低いことについて、担当者は「一時的に患者が増える月もある」と説明するが、ほかにも理由がある。国の交付税は病床数に比例するので、減らさない方が得、というわけだ。 

  ただ国は、交付税額を病床数でなく利用率に応じて決める方針を示しており、その場合、西川町立病院が病床削減に踏み切る可能性もある。 


  ●「黒字化は困難」の声 

  改革プランについては、当の病院関係者から「黒字化は難しい」との声が出ている。 

  村山地方のある病院担当者は「国に『作れ』と言われたから作った。頑張るけれど、目標を達成できるかどうか......」とこぼす。医師不足や診療報酬の切り下げが収入減に大きく影響しており、経営努力だけでは限界があると感じているからだ。黒字化ばかり迫る国の姿勢に、不満を募らせている病院関係者は多い。 

  最上町立病院は町唯一の有床医療機関。新庄まで冬の雪道だと車で約1時間かかる。同病院の担当者は「地理的条件を考えると、ある程度の機能を維持しなければいけないから、それなりの費用がかかる。利益を上げろと言われても、人口が少ない地域では難しい」と嘆く。 

  それでも各病院は、収支改善の取り組みを始めている。 

  経費削減では、診療材料費の抑制や業務の外部委託が広がっている。北村山公立病院や山形市立病院済生館は、価格が安い後発医薬品(ジェネリック)の割合を増やす。県立病院は注射器や手術用器具などの診療材料を共同購入してコスト削減を進める。 

  ニーズが高い診療分野を強化し、収入増を図る病院もある。公立高畠病院は人工透析の病床を4床増の17にした。白鷹町立病院は08年度から始まった「メタボ健診」を積極的に実施、最上町立病院は禁煙外来の導入を検討する。 

  また、医師や看護師の確保が前提になる。そのために福利厚生を充実させる病院もある。北村山病院は1月に院内保育所を整備、県立中央病院も今年度中に夜間も預けられる保育所を整備する。県立新庄病院は、老朽化した医師公舎を建て替える計画だ。 


  ◆キーワード 

  <公立病院改革プラン> 全国の公立病院の8割が赤字に悩む中、総務省は07年12月に公立病院改革ガイドラインをまとめ、公立病院を持つ自治体に改革プランを08年度中に策定するよう求めた。自治体側は経常収支を黒字化させるための取り組みや、医業収益に占める給与費の割合、病床利用率などの目標値を盛り込む。強制力はないが、ガイドラインは病床利用率が3年連続70%未満の病院に病床数の削減や診療所化を迫っている。 



  ■県内の公立病院の経営状況や改革プランの指標 

   病床利用率の目標(%)、カッコ内は07年度比の増減 
※経常損益...07年度、百万円 累積赤字...07年度末、百万円 

  (県立は4病院合わせて「11年度までに黒字化」が目標。天童病院はプラン策定中) 
病院名 診療科・病床数  経常損益    累積赤字  目標年度病床利用率(%)
【県立中央】 20科・660 89   ▲8,518- 88.0(▲0.7)
【県立新庄】 15科・465   ▲2   ▲5,266- 79.0(▲2.5)
【県立河北】 13科・286 ▲314   ▲4,046- 94.4(22.2)
【県立鶴岡】 3科・350  255  ▲462- 68.0(▲4.9)
【山形市立・済生館】 23科・585 ▲117   ▲1,563 09年度
82.3(2.0)
【米沢市立】 20科・425 ▲514 ▲5,534  15年度 
85.5(5.0) 
【鶴岡市立荘内】 24科・520  ▲1,010   ▲6,372 13年度
  93.3(1.8) 
【鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション】 2科・120  ▲49 ▲275    目標立てず 
96.0(2.7) 
【酒田市立八幡】 3科・46  30    ▲17 09年度 
92.5(5.1)
【寒河江市立】 6科・125 0   ▲468   11年度
80.0(18.4) 
【天童市民】 6科・84   ▲354  ▲1,304-
【西川町立】 4科・51  0  ▲193  09年度
58.0(4.0)
【朝日町立】 4科・60  ▲7  ▲526   11年度
70.0(8.3) 
【町立最上】 5科・70  ▲27  ▲343  11年度 
  90.0(▲1.7)
【町立真室川】 3科・55  0   09年度 
90.6(5.7) 
【公立高畠】 7科・130  ▲201   ▲3,105   13年度 
92.0(15.9) 
【小国町立】 5科・55  ▲61 ▲206 11年度
82.0(5.6) 
【白鷹町立】 5科・70 0   ▲97   09年度 
81.0(0.1)
【北村山公立】 16科・360  ▲126  ▲1,970  14年度 
91.7(6.1)
【公立置賜総合】 18科・520   ▲249 ▲4,156  目標立てず 
90.0(▲1.7) 
【公立置賜長井】 7科・110    122  ▲184  10年度 
91.8(▲0.8) 
【公立置賜南陽】 7科・50   44 ▲87 10年度
95.0(1.0)