総務省は公立病院の経営健全化措置の通知を,過去5次,35年間にわたり繰り返し出してきたが [今回のガイドラインが初めての通知]という, 自治体側の感想の報道に改めて過去の切り込み不足を思い知らされた。・・・



 総務省は公立病院の経営健全化措置の通知を,過去5次,35年間にわたり繰り返し出してきたが [今回のガイドラインが初めての通知]という, 自治体側の感想の報道に改めて過去の切り込み不足を思い知らされた。・・・
第1次から第5次までの改善を求める通知が自治体側に側に無視続けられていた!ちなみに第5次の経営健全化措置に着手して 完了した自治体はたった1団体に過ぎなかった。 
「本来、医療行政を担う国の機関は厚生労働省。地方自治を担当する総務省が病院経営に切り込むのは異例 , 総務省から通知を受けるのは初めてだったと思う」と岩手県県医療国保課の柳原博樹総括課長は振り返る・・・ 増田元総務大臣「過疎地の病院は絶対に必要だ。しかし,全国の自治体病院の中には,赤字のところが非常に多い。税金を投入して存続させるためには,自助努力もしてもらわないと。そこを考えてもらう『きっかけ』にしたかった。」 

  
    

(地域医療はいま:4)国の改革ガイドライン 命の現場に経営視点 /岩手県 
2009.03.23 朝日新聞  
 
「過疎地の病院は絶対に必要だ。しかし、全国の自治体病院の中には、赤字のところが非常に多い。税金を投入して存続させるためには、自助努力もしてもらわないと。そこを考えてもらう『きっかけ』にしたかった」 

 今月上旬、増田寛也元知事は朝日新聞の取材に、総務省が07年12月、全国の自治体病院に経営改善の改革プラン策定を求めた「公立病院改革ガイドライン」の意義をこう説明した。増田氏は当時、総務大臣を務めていた。 


 
●総務省は「異例」 

 「総務省から通知を受けるのは初めてだったと思う」。県医療国保課の柳原博樹総括課長は振り返る。 

 本来、医療行政を担う国の機関は厚生労働省。地方自治を担当する総務省が病院経営に切り込むのは異例だ。背景には、「夕張ショック」を契機に、07年6月成立した地方財政健全化法がある。 

 ガイドラインにはこう記されている。「(同法の施行に伴い)地方公共団体が経営する病院事業は、事業単体としても、地方公共団体の財政運営の観点からも、一層の健全経営が求められる」 

 人の生命を守る医療現場に「経営改善」の視点が持ち込まれた。 

 県や市町村など自治体が運営する病院は全国に約980。そのすべてが、今月末までに経営改善の改革プランを策定しなければならない。 

 県内の自治体病院は県立22、市町立8。県はガイドラインを受け、この30病院の役割分担を示した公立病院改革推進指針を策定した。05~07年度の経営実績を指標に、赤字が目立つ施設には病床削減や診療所化の検討を迫った。 

 07年度末までに138億円の累積赤字を抱えていた県医療局。2月に正式決定した地域診療センターの無床化などを含む「県立病院の新しい経営計画」は、改革プランそのものだ。医療の提供体制の縮小は、医師不足に加え、合理化による経営収支の改善の狙いもある。 



 ●住民主導で議論 

 「健康に暮らすため、沢内病院を守ろう」「現状より後退しないよう強く望む」 

 今月1日、西和賀町内で開かれた「沢内病院を守る町民大会」では、集まった約250人の町民から次々に声が上がった。主催者は老人クラブや婦人会など町内の住民団体。住民主導で病院の意義を確認する初の大会だ。 

 地域医療の先駆けと称賛される沢内病院(40床)だが、経営は苦しい。転機となったのは06年。この年、3人体制だった医師のうち2人が相次いで退職。入院や救急の受け入れを制限せざるを得なくなった。 

 患者は盛岡や北上、秋田県横手市など近隣に流れた。「ここでは十分な医療が受けられない」。住民と病院の信頼関係が薄れ、「沢内病院離れが起きていた」と佐々木一・沢内病院事務長は言う。 

 経営収支も悪化。07年度は町の一般会計から病院会計に約1億7900万円を繰り入れたが、それでも赤字が出た。歳出総額約70億円の町には少なくない額だ。県の指針は沢内病院に、「病床削減あるいは診療所化について検討が必要」と改革を迫った。 

 町は昨年11月だけで、15回を超える住民説明会を開いた。繰入金のうち、国からの交付税約1億1千万円を除く6000万円余りが、町の一般財源からの支出。人口約7千人の西和賀町民が病院のために「自腹を切る」額は、1人当たり年約9千円だ。 

 対話を通じ、病院規模を維持する方向が固まった。南北約50キロ。盛岡-北上間に匹敵する距離を持つ西和賀町に病院がなくなれば「自分が患者になったとき」の不便さは計り知れないからだ。 

 一方、洋野町国保種市病院が病床削減と介護施設の併設を決めるなど、改革の方向性は病院によってまちまちだ。「大事なのは住民に病院の置かれている状況を開示すること。負担も含め、病院のあり方を選ぶのは住民なのだから」。佐々木事務長は強調する