銚子市のように、自治体による突然の病院休止方針が地域医療に深刻な影響を与えるケースは、ほかの自治体でも起こり得る。



 
銚子市のように、自治体による突然の病院休止方針が地域医療に深刻な影響を与えるケースは、ほかの自治体でも起こり得る。総務省は「地域住民への十分な情報開示と説明責任が自治体には必要だ」と指摘している。 
  

 積極的な情報開示(ガイドライン抜粋) 

関係地方公共団体は、前項(改革プラン)の点検・評価・公表に際し、立地条件や病床規模が類似した他の公立病院や地域の民間病院等における状況等を併せて明らかにするなど、当該公立病院の現状について住民が理解・評価しやすいよう、積極的な情報開示に努めるものとする。また、前項の有識者等による委員会等の審議状況などについても報道機関に積極的に公開するなど、住民の関心をできる限り高める工夫を凝らすことが必要である 

   



病院の経営改革急ぐ総務省 赤字7割、財政の圧迫も2009.03.20 共同通信   
  
公立病院は、全国九百五十三病院のうち72%が二〇〇七年度決算で赤字、不良債務額は過去最悪の千百八十六億円に上った。 

自治体財政を圧迫しているケースもあり、総務省は、病院の経営改革を急ぎながら地域医療も確保するという難しいかじ取りを迫られている。 
  
〇七年十二月に総務省が策定した公立病院改革ガイドラインは、病院経営の効率化と三年以内の黒字化、再編統合の検討などを自治体に要請 

。改革プランを今年三月末までにつくるなど取り組みの加速を求めた。 
  

一方で総務省は、公立病院の債務負担を軽減する特例債の発行を〇八年度に認めたほか、産科や小児科、救急医療などに対する〇九年度の地方交付税を大幅に増額するなど、地域医療の支援に向けた財政措置も打ち出した。 
  
こうしたアメとムチで改革を急ぐ背景には、各地で自治体の財政難が深刻化し、赤字病院の経営維持が限界に達しつつある現状がある。 
病院事業を含めた財政状況をチェックする自治体財政健全化法が〇八年度決算から適用されれば、病院の累積赤字によって自治体が財政破たん状態とみなされる懸念もある。 
  
ただ、公立病院は救急医療やへき地医療などの不採算部門を抱え、もともと単独での黒字化は難しい。 
医師不足による診療体制の縮小などを受け経営環境が悪化する中、過度な自治体負担を避けつつ地域医療を守るには「再編統合や民営化なども検討すべきだ」というのが総務省の立場だ。 

 銚子市のように、自治体による突然の病院休止方針が地域医療に深刻な影響を与えるケースは、ほかの自治体でも起こり得る。総務省は「地域住民への十分な情報開示と説明責任が自治体には必要だ」と指摘している。 



病院「二重苦」浮き彫り 財政難と医師不足 
2009.03.20 共同通信   
    
千葉県の銚子市立総合病院の休止を争点に、市長のリコール(解職請求)を問う住民投票が二十九日、投開票を迎える。 

「財政難」「医師不足」の二重苦にあえぐ同様の公立病院は各地で続出。 
住民がリコール運動で休止阻止を訴えたり、総合病院をあきらめ診療所化を選ぶ自治体も相次いでいる。 
  
銚子市の岡野俊昭(おかの・としあき)市長(63)は昨年七月上旬、年十億円近い赤字の穴埋めは市の財政破綻(はたん)につながり、医師数も激減したことを理由に病院の休止を発表。 
九月末の休止までわずか三カ月の間に、入院患者百六十人余りが転院を迫られ、約六千人の通院患者が行き場に困った。「安易に休止を決め、地域医療が崩壊した」と市民がリコール運動を展開した。 
  
佐賀県武雄市では、市民病院の民営化を決めた樋渡啓祐(ひわたし・けいすけ)市長(39)に「安定した医療は望めない」とリコール運動が起きたが、市長は辞職。 
出直し市長選で昨年十二月に再選された。移譲先を決めた後だっただけに「民間でもいいから病院を存続させたいという民意の結果」と地元市議はみる。 
移譲は二〇一〇年二月の予定だ。 
  
病院の累積赤字が四十億円に膨らんだ大阪府松原市は、三月末の廃止を決定。 
時間が限られる中、市民団体は中野孝則(なかの・たかのり)市長(67)のリコール運動を模索中だ。
  

総務省によると、約一千近い自治体病院のうち、直近の二〇〇七年度に民間移譲したのが五カ所に対し、不採算部門を閉じて診療所化したのは北海道の夕張市立総合病院など一道三県で少なくとも七カ所あった。 
 同省は「医師不足に加え、民間の受け皿も見つからないへき地ほど診療所化が進んでいるのでは」と分析している。